介護のお仕事は重労働から頭を使う業務まで多岐に渡ります。介護職の皆さんはどの業務を苦手と感じているのでしょうか?
今回は介護職員の方にアンケート調査を実施しました。克服方法もお聞きしたので是非参考にしてください!
目次
介護職員の苦手な業務ランキング
アンケートの結果、最も苦手な業務1位は「介護記録の記載」でした。そして2位が「おむつ交換」、3位が「入浴介助」「利用者様とのコミュニケーション」でした。
その他にも「食事介助」「排泄介助」「着替え介助」が苦手といった声もありました。
それぞれの業務のどんなところが苦手なのか、どのように工夫して苦手を克服しているのかも調査しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
苦手業務NO.1「介護記録の記載」
介護記録が苦手な理由
①忙しい・時間が取れない
・毎日が忙しく観察する暇がない。また、入力する時間もなかなか取れない。
・1日の終わりにまとめて記録するため、こまめにメモをしないといけない。
②パソコン・手書きが苦手
・パソコン操作がややこしい。
・電子カルテではないため、書くのが疲れる。手書きが嫌。字が下手なので、恥ずかしい。
③書くことが苦手
・介護記録は文章力がいるので苦手。簡潔にまとめるのが難しい!
・何も作業やリハビリなど無かった日の記録が大変。特に書くことがない日は、同じような文章になってしまう。
・上司が求めている文章の書き方に合わせないといけないケアラビNEWSアンケート結果より
介護記録の苦手克服方法
①忙しい・時間が取れない
→要領をまとめて手短に書く
②パソコン・手書きが苦手
→出来るだけ文章を短くし入力量を減らす
③書くことが苦手
→上手に入力する人をお手本にする
→利用者様を良く観察し、少しの変化にも気づける様にする
→先輩や上司などに相談したり、完成した書類のチェックしてもらって、アドバイスを貰う
苦手業務NO.2「おむつ交換」
おむつ交換が苦手な理由
①利用者様が嫌がる
・人は幾つになっても異性に対する羞恥心が有るので、オムツの交換で陰部を異性に見られるのが嫌がられるのでオムツの交換作業はやりにくい。
②時間がかかる・位置がずれてしまう
・オムツの位置を左右対称にするのが苦手です。位置がずれると体位交換を何度もしないといけないので患者さんに負担をかけてしまうからです。
・きれいに充てるのが難しい。ケアラビNEWSアンケート結果より
おむつ交換の苦手克服方法
①利用者様が嫌がる
→声かけをして、気を紛らわせるように心がけてコミュニケーションをとる。
→相手が何とも思わない様に「ハイ○○さん横を向いて下さいね」とわざとピジネスライクに話し掛ける。
②時間がかかる・位置がずれてしまう
→積極的に介助に入る。数をこなす。
→どの位置にくればちょうどいいのかを試行錯誤しながらもチャレンジする。
苦手業務NO.3「入浴介助」
入浴介助が苦手な理由
①入浴拒否
・認知症の方がほとんどで、お風呂を毎回嫌がられるので、誘うのが大変
・頑なに入浴を拒否される方、声かけの工夫はしておりますがなかなか入ると言ってもらえない時心が折れます
②事故の不安
・滑りやすい場所だし、曲線や丸みで構成されてはいるが手すりや椅子は突起物であり事故につながりやすい業務であり、特にからだが大きく重たいご利用者様の入浴介助は緊張度があがる。緊張感が、ご利用者様に伝わらないように対応するが、上手く出来ているか悩む。また、入浴や洗髪等が嫌いなご利用者様が暴れることもあり、スムーズにいかないことがある。
入浴介助の苦手克服方法
①入浴拒否
→相性の良い職員に声かけや誘導をしてもらったり、時間を置いて機嫌が良さそうなタイミングを狙い、声かけ、誘導をします。また「お風呂」と言う言葉に敏感な利用者様には「温泉に行こう」等と声かけします。
→利用者さんの気持ちに寄り添って、もし自分がその方の立場なら!と考えながら先輩たちに相談しつつうまい具合に介助します。
②事故の不安
→ご利用者様に合った介助補助の仕方を徐々に探って、笑顔で声掛けを増やして少しでも協力してもらえるようにし安全性が高まるよう対応する。入浴が嫌いな方には、時々シャワー浴に変えたり、洗髪を早く終わらせて気を楽にしてもらう作戦を試しています。
苦手業務NO.3「利用者様とのコミュニケーション」
利用者様とのコミュニケーション苦手な理由
①認知症の方と会話が通じない
・繰り返し同じ話をされる。
・認知症の方だとこちらの話がなかなか通じず難しい時がある。
・認知症の方相手だと何十回も同じ話をするので。
②レクリエーション
・レクリエーションを考えて実施するのが苦手。
・レクリエーションの、司会が苦手です。しゃべり続けたり、周りの職員を動かしたりするのが大変。
ケアラビNEWSアンケート結果より
利用者様とのコミュニケーションの苦手克服方法
①認知症の方と会話が通じない・繰り返し同じ話をされる
→常に相手が何を求めているかを考え行動し伝える。
→傾聴して頷いたり同調するだけで安心されることもあるので、その話は聞きましたよとは聞き流さない!
②レクリエーション
→参考書の購入、他のスタッフのレクリエーションを観察する。
→独りよがりにならないように回りに協力を仰いだり、利用者様の協力も得るようにして乗り気っている。
苦手業務「食事介助」
食事介助が苦手な理由
誤嚥の不安
・自分の唾液を飲み込むだけでムセてしまう方の食事介助が苦手です。本人のペースを見ながらとは思うものの、他の方の食事介助と並行しながらなので、大丈夫と思ってもムセてしまいます。
・嚥下機能や認知機能が低下している利用者様に対し、机と椅子の距離感や姿勢を声かけや介助をするも拒否や理解力の低下により伝わりにくい。また、生命に関わるため緊張感があり大変さを感じる。
ケアラビNEWSアンケート結果より
食事介助の苦手克服方法
→看護師や言語聴覚士に食事提供の際の注意点をアドバイスしてもらい、以前よりも慌てず業務に就くことができ、大変さは軽減した。
→食事介助の基本や、嚥下のメカニズムを忘れず、患者さんの状態把握、一番は焦らず患者さんのペース、状態に合わせて介助をする。周りがバタバタしていても、介助に集中する。その事を職員間でも共有している。
→先輩職員からの助言やその人の情報などある程度、把握しておくことが大事になる。あとは食事介助に限らず、その人との関わりを増やすことによって(様々な介助も含めて)色々な引き出しがあると思うので、見逃さずに観察をしていくことが大事になるとおもう。
→薬は水にとろみをつけて食べられるように服用してもらったら、上手くいきました。
→無理に全量摂取を目指さず、嚥下状態を見ながら適度にやるように心がけてます。
苦手業務「排泄介助」
排泄介助が苦手な理由
①においが苦手
・人一倍臭覚が良く、排泄物の臭気が人よりも臭いを感じてしまい、とても苦痛に感じる。自分の体調が悪い時は特に辛い。
・においが苦手。子供のおむつ交換でさえ、しょうすいはだいじょうぶですが、大きいほうはできませんでしたから、時間がかかる。
②拒否される・スムーズに行かない
・認知症の方だとその時の気分や体調によって拒否があるので対応が難しい。
・体制を変えるときになかなかスムーズに出来ないと、関節をうまく動かせずに移動しようとしたり、うまくスムーズに動かせずに移動しようとしてしまい、利用者さまに不快な思いをさせてしまうのではないか不安で行なってしまう。
排泄介助の苦手克服方法
①においが苦手
→マスクは必ず着用。二重にしたり、ガーゼをあてて臭いをブロックする。また、排泄物は近くにあるとずっと臭いを発するので、すぐに自分より遠くに置いて臭いをかいでいる時間を短くするように工夫している。
②拒否される・スムーズに行かない
→スタッフ全員で成功した時の様子を話し合い対応に使っていく。
→利用者様と声をかけあって呼吸をあわせる。
苦手業務「着替え介助」
着替え介助が苦手な理由
脱ぎ着させにくい
・着脱介護は、服や肌着の繊維種類により違いがあり、伸縮しやすい服や肌着だとやりやすいのですが、綿や麻は伸縮せず着脱させにくい。麻痺があると余計にやりにくく、骨折や無理な体勢に気を付けて行う必要があり、より難しく苦手。
・猫背の方や足が曲がった方向で硬直していて脱がせるのはいいが、着せるのに時間がかかる。
・リュウマチ、麻痺なのがあるご利用者様、人によって様々な着脱の仕方があります。失敗すれば怪我のもとなので細心の注意が必要となります。ケアラビNEWSアンケート結果より
着替え介助の苦手克服方法
→利用者様の靴下や衣類などは介助される側も楽なように伸縮性のある物を出来るだけ着用してもらっている。
→拘縮のつよい利用者様の更衣について、まずご家族様に伸びる素材の衣類で、ゆったりとした大きさでかぶり以外のものをお願いしました。対応としてはできるだけ2人で対応しゆっくり拘縮部を衣類が入る程度に伸ばしながら、下から手を添えて行いました。1人の時もとにかく焦らず、落ち着いてゆっくりように心がけて行ったところ不安感はなくなりました
以上、介護職員さんの苦手な業務についてでした。
誰でも、何かしら苦手に感じる業務はあるもの。「分かる!私もこの業務が苦手!」なんていうのも、あったかと思います。
ぜひ苦手克服方法を参考にしていただければと思います。