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福祉ネイリストとは

福祉ネイリストとは、高齢者や障がい者の方々にネイルの力で癒し・元気・希望を届けるための福祉施設向けのネイルケアを行う資格です。

 

2012年、現在の福祉ネイリスト協会の理事長である荒木ゆかりが高齢者向けのネイルサービスとして一件の老人ホームに訪問したことが始まりでした。ネイルを行った高齢者の方や施設スタッフ、ご家族から「爪がキレイになることで利用者様が元気になった」と評判になり、訪問依頼が増えていきました。そこで、福祉ネイルに特化したスクールを立ち上げ、2014年9月にシニアメンタルビューティー協会(SMBA)が誕生。そして、現在では、高齢者に留まらず、精神障害を抱えた若者や乳がん患者様、様々な病気や障害を抱えながらも懸命に生きているすべての人にこの福祉ネイリストはネイルで笑顔を届けています。

 

さらに、吉備国際大学の佐藤三矢先生を協会に迎え、認知症患者にネイルの与える効果を共同研究しながら、協会名は一般社団法人日本保健福祉ネイリスト協会(JHWN)と改め、2019年6月現在、全国で721名の福祉ネイリストが日々新しい取り組みに励んでいます。

 

福祉ネイリストになるには

認定制度

資格を取得するためには、認定校にておおよそ3時間の講習×7日間の一定カリキュラム(座学+ネイル技術)を修了し、卒業試験に合格する必要があります。その後、合格者は講師とともに福祉施設での実地研修を行い、合格となれば、ディプロマ(証明書)が発行されます。

 

福祉ネイリストとネイリストの違い

福祉ネイリストの中には、元々ネイリストとしての資格を持っている方もいれば、全くネイルの資格はなく、この資格のみを取得する方もいます。私も後者です。

 

ネイリストは、ジェルネイルやより高度な技術がもとめられ、一人当たり2~3時間の施術を行うことがほとんどかと思います。福祉ネイリストは、もちろん基本的なネイルケアやトリートメント(マッサージ)、ネイルの技術を習得し、塗布する際はポリッシュ(マニキュア)を使用します。

 

そして、必ずしも技術面を最優先事項とは考えていません。高齢者や障がい者の特徴を理解した上で、ネイルがその方に与える効果を考え、触れ合い・コミュニケーションをとりながら行う施術なのが特徴です。施術時間は、相手の負担にならないよう20分程度で終了することが基本とされています。

福祉ネイリスト髙橋慶香様のネイル施術画像

私が福祉ネイリストになったきっかけ

私は、元々作業療法士(リハビリ)として病院や施設で勤務しておりました。そこで以前担当していた車いすのおばあちゃんがデイサービスでネイルをしてもらったのを嬉しそうに見せてくれたことがありました。その方は、体が不自由で自分で出来ることは限られていましたが、とても上品で、いつも化粧も洋服もとてもきれいにされていました。その方の笑顔がずっと印象に残っていて、女性はいくつになっても女性だし、ネイルの力はすごいなと思っておりました。

 

作業療法士として、もちろん機能訓練で身体機能が維持・改善されることは大事だと思いますが、私は、人の「嬉しい」や「楽しい」などの感情の変化によって、気持ちや身体、生活行動などもプラスの方向に働くと感じていましたので、結婚を機に仕事を退職した際に、福祉ネイリストの資格を取ることを決意しました。

笑顔で施術する福祉ネイリスト髙橋慶香様の画像

福祉ネイリストの活動

福祉ネイリストの仕事の進め方

資格取得後は、基本的には個人の活動となります。高齢者や障がい者の施設に営業をかけ、必要に応じてお試し会などを実施し、要望のある施設への訪問を行うことがほとんどです。また、個人の依頼に応じたり、福祉イベントに出店したりしています。個人で活動していくことは、不安や困難な点が多いですが、協会や卒業した認定校の講師もアドバイスやサポートをしてくれます。一人での活動が難しい場合には、全国にいる福祉ネイリストが協力し合い活動しています。

福祉ネイリストの収入

福祉ネイリストの主な施術内容・料金を下記に記します。

 

施術内容 料金
カラーリング(アート1本) 1000円
ケア(爪磨き+甘皮処理) 1500円
ハンドトリートメント(マッサージ) 500円

※あくまでも料金の目安であり、各自料金設定も可能。

 

各施術料金を見ると、ジェルネイルなどを行うネイリストよりも安価ではありますが、ポリッシュ(マニュキュア)での約20分の施術と考えると、人数をこなすことができれば、決して安い収入ではありません。

 

しかし、現状では、福祉ネイルはまだ浸透しておらず、依頼件数が十分にあるとは言えないため、福祉ネイルのみで生計を立てるのは厳しいのが現実です。協会としては、福祉ネイリストがこの職業だけで生計を立てられるようにと考えており、全国の福祉ネイリストたちが普及・啓蒙活動に励んでいます。

ネイルを施した高齢者の手のアップ

福祉ネイリストのやりがい

福祉ネイリストになることの一番のメリットは「やりがい」だと思います。

 

女性はいくつになっても女性ですし、1対1でのコミュニケーションや触れ合いは人の心を癒します。どんなに歳をとっても、障害や病気を抱えていても、指先がきれいになるとみなさんの表情が変わります。

 

最近では、高齢者の方にメイクやヘアケアを行うサービスも増えてきていますが、そんな中でもネイルは、一番視界に入りやすく、自分で変化を感じやすい、また、施術も容易で数日持続するとあって、効果覿面です。認知症を患った方に、ネイルを行ったところ、身だしなみに気をつけるようになったり、他者との関わりに変化が出てきたりと、QOLの向上やBPSD(認知症の周辺症状)が軽減する例も少なくありません。

 

始めは「私はもうこんな歳だから…」「ネイルなんてやったことがないから」と言っていたおばあちゃんでも、ネイルを行った後のイキイキとした表情はなんとも言えない喜びです。

ネイルで笑顔のおばあちゃん

 

福祉ネイリストの今後の展望

現在、全国で700名を超える福祉ネイリストが誕生し、活躍しております。超高齢社会で介護人材の不足が叫ばれる現代で、一人一人の方と向き合うことや、ネイルの力で認知症の周辺症状を軽減させるなどの効果が期待できる福祉ネイリストの存在価値は確実に上がっていくでしょう。そのために、認知症患者にネイルが与える影響の研究も進められ、今年は日本初の福祉ネイル(ネイリスト)の研究集会も開催されます。また、来年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、福祉ネイリストとしても、パラリンピック陸上大会を応援し、会場で選手や観客に福祉ネイルを提供する活動なども行っております。今後より活躍の場を広げ、確実に需要が高まっていく福祉ネイリストに注目し、ぜひ興味のある方は資格取得に挑戦してくれることを願います。

 

<執筆者のプロフィール>
名前:髙橋慶香
プロフィール: 診療所・老健で作業療法士として勤務。結婚を機に仕事を退職し、福祉ネイリストの資格を取得。現在は福祉ネイリストとして活動する一方で2児の育児に奮闘中。趣味はネイル、カメラ。夢は福祉ネイリストや作業療法士などの資格を活かして高齢者様の素敵な笑顔を写真に残すこと。
保有資格:福祉ネイリスト、作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級、 福祉用具プランナー、認知症ライフパートナー検定2級
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