排泄介助は介護の基本的な仕事ですが、排泄物を取り扱うため苦手であると感じている介護職員も多いようです。ここでは、排泄介助の克服方法のポイントや、注意点などについてご紹介していきます。特に介護初心者の方は是非参考にしてみてください。
目次
きつい匂いを予防する
排泄介助が苦手だという方は、「匂いが無理!」と思っている方が多いです。匂いを嗅いでしまいますと気分が悪くなったりして、苦手意識が出てしまいますので、匂いを出来るだけ防止、予防することが必要となってきます。
マスクをする
ポイントとしては、鼻から侵入してくる匂いを防止するということです。そこでマスクは非常に有効な方法であるといえます。今は香りつきのマスクや、分厚いマスクもありますが、私のオススメはマスクの下にハンカチやティッシュを使用しています。さらに匂いを防止することができるので、ぜひ試してみてください。
喚起をする
また、換気も忘れないようにしておきましょう。匂いは籠りますので出来るだけ新鮮な空気を入れて換気をすることが大切になります。冬場などの寒い季節は難しいかもしれませんが、夏場や春、秋など暖かい時は換気をしておきましょう。
空気を入れ替えることによって匂いが軽減しますし、利用者様も気分がすっきりしますのでおすすめです。
利用者様への対応を見直す
排泄物に抵抗がなくても、何度も何度も排泄介助を求めてくる利用者様に対して嫌気がさして、排泄介助自体が苦手になったという声もよく聞きます。特にグループホームなど認知症の方が多い施設で良くあることだと言われています。いくら認知症の方でも、繰り返し排泄介助をして欲しいといわれると、介護職員でも気が滅入りますし、イライラしてしまうことも。
それでは、その様な方にはどのように対応をすれば良いのかみていきましょう。
気を紛らわせて他のことを考えてもらう
何度も排泄介助を求める利用者様は、頭の中は排泄介助のことでいっぱいです。ある程度他のことに対して気をもってもらうことによって、排泄のことを忘れてもらうことも有効な方法です。特に認知症の方にとっては他のことで集中をすると、その他のことは気にならないこともありますので、出来るだけ他に集中できるようなものを用意しておきます。
薬で対処できるか確認する
また介護職員の皆さんに知っておいてほしいのは、何度も排泄介助を言ってくる方は、尿意や便意が常にあり、残尿感があるからなのです。
そのため、看護師などに相談をして薬を変えてもらう、追加してもらうなどの処置をとってもらうことも一つの手です。何度も排泄介助をするのは介護士も辛いところですが、実際は高齢者自身も辛いですので薬で軽減することが出来るのであれば薬で対処してもらうようにしましょう。
また、大変だと思われている排泄介助ですが、方法を見直すことによって簡単に出来るようになります。手すり1本付けるだけで自分で立つことが出来る方もいますので、もし排泄介助自体が大変だと思う場合は、まず環境が排泄介助に適しているのかどうか介護職員同士で話し合い、しっかりと意見交換をして排泄介助を行いやすい環境作りが大切になってくるでしょう。
私が排泄介助に慣れるまで
「排便=喜び」の発想転換
介護職員からしてみれば便は決して汚い物(実際には汚い)ではなく、排便があると喜ぶものであると考えを変えてみましょう。私たちも便はしますし、それは自然なことであり必要なことです。反対に便をしなければ便秘となり、体調は崩れますし、様々な病気を引き起こすきっかけとなってしまいます。
私自身「排便=喜び」の発想を転換したところ、便秘でなかなか排便がない利用者様がやっと便を出してくれた時は「やったー!」と自然に言葉が出てきました。排便は汚いことや嫌なことではなく喜ばしいことになったのです。
結局は慣れることが大切
私は20歳の時に介護士になりましたが、最初は排泄介助、排泄物が非常に苦手でした。特に便が苦手で、「こんなに苦手で介護職員としてやっていけるのか・・・」と心配になるほどでした。
匂いが特に厳しく、何度も気分が悪くなることもありました。そこで私が最初に試した方法が先ほど紹介したマスクです。マスクをするとある程度の匂いが予防できますので、非常に効果的であったと思います。
しかし、マスクは夏場には暑く、暑さに勝てずに外していました。そういったときは換気をするのです。換気をすることによって直接鼻に匂いが入らなかったので、ある程度は我慢をすることが出来ました。そうこうしている内に自然と便に慣れることが出来たのです。
私は4月から働き始めて10月ごろには排泄介助の苦手意識は克服できました。やはりそれは意識の変化が大きかったかと思います。排便が苦手だと思っていてもすぐに辞めるのではなく、まずは半年、できれば1年もしていれば自然と慣れてくるはずです。
まとめ
排泄介助は介護職員にとって非常に重要な仕事ですし、それは利用者様にも同じことが言えます。排泄介助は利用者様にとっては必要なことなのです。
私たち介護職員は日々利用者様の排泄物に触れて仕事をしていますので、それは徐々に慣れることですし、時間が解決をしてくれるでしょう。慣れた頃が介護職員として成長している証なのではないでしょうか。