介護の仕事を辞める前に確認するべき5つの項目

介護の仕事は、社会的に意義がある仕事です。しかしそれと同時に、他の業界とは異なる特殊な面もあり、壁に突き当たって悩む方も多いのではないのでしょうか。

今回は介護の仕事を辞めたい主な理由である、「収入」「健康」「人間関係」の三つのケースに絞ってみていきます。

収入に不満がある場合

近年介護職員の賃金を底上げするために処遇改善の動きがありますが、重労働に見合わないと、現場ではまだまだ不満の声が聞かれます。収入が原因ですぐ辞めてしまう前に、できることをご紹介します。

待遇を確認する

収入が低いと悩む方は、今一度自分の職場の待遇面を確認してみましょう。

 

例えば昇給はどのくらいのペースでいくら上がるのか、手当にはどのような種類があるか、賞与はあるかなど賃金に関する規則を知ることが最初の一歩です。雇用条件を確認することで、将来どのくらい収入を得られるのか見通しが立ちます。その上で、今の職場に残るかどうか冷静に判断することができるのです。

 

もし昇給が確実にあり、賞与も支給されるなら、勤続年数を重ねた方が得かもしれません。反対に昇給がなく賞与もないような待遇なら、転職を視野に入れて将来設計を立て直す必要があります。

 

現時点の収入だけを転職の判断材料にしてしまいますと、転職を繰り返しかねません。先のことも見据えた中で考え、場合によってはすぐには転職をせずに、今の職場で我慢をすることも一つの方法なのです。

資格を取得する

収入を上げる方法としては、資格の取得をお勧めします。介護業界には介護福祉士やケアマネジャーなど、様々な資格があります。

 

資格を取得していくことで、手当がついたり、仕事の範囲が広がったりとメリットが多くあります。たとえ今の職場で資格手当がつかなくても、今後の転職で資格手当がもらえる職場に転職できますし、資格があることで転職にも有利に働きます。

 

人材不足の介護業界だからこそ、雇う側の企業は働く環境を整える努力も必要不可欠。自分の価値を正しく認めてもらうためには、転職という選択もあることを認識してください。

健康面に不安がある場合

毎日違う時間に出勤し、夜勤もこなす介護の仕事は不規則です。そのため腰痛やメンタル面の不調など、健康に関する不安も辞職にいたる原因の一つとなっています。

不規則な勤務についていけない

特別養護老人ホームなどの居住施設では、職員の勤務もシフトで細かく定められています。早朝から働いた次の日は、昼から夜遅くまで、その次の日は夜勤と毎日違う時間に働くのは、なかなか体に負担がかかります。

 

夜勤は16時間と長時間に及ぶ場合が多く、少ない人数で対応をしなくてはいけない緊張感も強いので、さらに心身の負担が増大し、辞職の理由となります。

 

質の良い睡眠をとる、栄養のある食事を心がけるなど、不規則な勤務時間に耐えるよう、自分なりの工夫が必要です。休みをとれていないと、慢性的な疲労と付き合っていくことになってしまいます。

 

会社にデイサービスなどが併設されているなら、夜勤のない職場異動を願い出ることもできます。介護職の仕事は体力勝負の面があるため、今だけではなく中高年になった時のことも今から考えて準備をしておいたほうがよいでしょう。

腰痛で悩んでいる

休職する理由の上位にランクされる腰痛。介護職にとっても最大の脅威です。人一人を抱えて移乗させるのは、腰に多大な負担を与えます。毎日繰り返すうちに歩けないほどひどい状態になってしまうことも。

 

防止するには、科学的な原理を応用したボディメカニクスを学ぶなどの手段があります。

 

しかしすでに腰痛になってしまった場合は、治療と休養しかありません。治ったとしても、同じ職場に戻れば再発の可能性は高いです。

 

こちらの解決も先ほどと同様に、力仕事の少ない部署に異動を願い出るか、資格を取得しケアマネジャーや施設長になるなどの解決策があります。

人間関係が上手くいかない場合

人同士のコミュニケーションが多い介護の仕事では、人間関係の悩みはきってもきりはなせないものです。

利用者様と上手くいかない

相性の合わない利用者様は、どうしてもいます。利用者様の中には認知症の影響で、思ったことを何でも口にしてしまうタイプの方もいます。それがどうしても我慢できずに態度に出てしまうと、関係性が悪化することがあります。

 

また「なんとなく」と特に理由もなく、相手から嫌われてしまうこともあります。解決策の一つとしては、利用者様のバックボーンを知り、相手への理解を深めることです。心理学的にも、相手のことを知ることによって、その人に対して寛容になるとされています。

 

ただ、人間同士のことですから、いくら利用者様相手でも上手くいかないこともあります。無理をしてコミュニケーションを取ろうとするあまり、かえって関係性が悪化してしまうこともあり得ます。

 

そんな時、頼りになるのは同僚です。苦手な利用者様の介助を代わってもらい、ほとぼりが冷めるのを待ちます。時間がたてば突然態度が変わることもあるので、それまで代わりに介助してもらう手も。

 

しかし、介護職にとって一人でもケアできないご利用者様がいると、他の職員への負い目となってしまいます。この状態が長く続けば、不満に思う同僚も出てくるでしょう。

 

そうなったらやはり上司に相談し、持ち場をかえてもらうようお願いした方がいいでしょう。ストレスの蓄積は最悪事件にまで発生する原因にもなりますので、辛い時は我慢せず早めに対処しましょう。

同僚と上手くいかない

人と関わる介護の仕事は、同僚とだけではなく、一緒に仕事をする同僚との人間関係に悩む方も多いかと思います。

 

利用者様の時と同様に、相手のことを知る努力をしてみましょう。自分と価値観が合わない人がいるのは、当然です。その時は否定から入るのではなく、「なぜ、そう思うのか」という姿勢から向き合ってみましょう。

 

介護の仕事を辞めたい主な理由を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

 

もし悩みが解決できない場合は、他の職場に移ることも視野に入れてください。昔と違って、転職は特別なことではなくなりました。せっかく身に着けた介護の技術や経験。それらを生かすためにも、自分に合った職場を探す努力を続けていくことをお勧めします。

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