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認知症は「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」のことをいいます。認知症の患者は毎年増え続けており、2060年には高齢者の3人に1人が認知症になるという試算も出ています。今回は高齢者の方と接する機会の多い介護職員が知っておきたい、認知症に関する3つのポイントをご紹介します。

 

認知症の最大の原因は年齢を重ねることです。次のグラフを見ると年齢が上がるほど認知症患者が増えているのが分かります。また厚生労働省のデータによると、75歳以上の方は、5人に1人、85歳以上は2人に1人の割合で認知症を発症しており、圧倒的高齢者に多いいことが分かります。また、日本は長寿国であるため、ほかの国に比べ認知症患者の割合が高くなっています。

 

認知症の種類

認知症にはさまざまな種類があります。種類ごとに詳しく見ていきましょう。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多く、過半数の方がこのアルツハイマー型認知症であるといわれています。アミロイドβやタウと呼ばれる特殊なたんぱく質が、神経細胞を破壊することで脳の動きが低下し、知的機能に障害が出ると考えられています。発症する何年も前から脳に異変は現れており、発症・進行は穏やかですが、確実に進んでおり、徐々に悪化を続けていきます。

 

代表的な症状の1つに物忘れ(記憶障害)があります。初めは最近のことを忘れる症状から始まり、徐々に過去の経験や記憶も失っていきます。ほかにも、場所・人・時間などがわからなくなってしまう見当識障害や適した服装を選べない、ごみがどれだかわからないなど判断力の低下といった症状もあります。

 

現時点では、アルツハイマー型認知症を完治させる治療法は確立されていません。ですが、症状を和らげる薬の開発などは進んでおり、早期発見・早期治療が大切になってきます。物忘れが増えた、簡単な計算ができなくなってきたなどの症状が見られたら一度専門医を受診してみてもいいかもしれません。また、生活習慣を見直す、認知症予防につながる食べ物を食べるといった予防も必要かもしれません。

レビー小体型認知症

認知症の中で、アルツハイマー型認知症に次いで多いのがこのレビー小体型認知症です、女性より男性のほうが、発症リスクが高いといわれています。

 

レビー小体といわれる特殊なたんぱく質が神経細胞を破壊することで、神経伝達に影響を及ぼします。初期の段階では幻視や妄想が多く見られ、その後物忘れ等の認知症的症状が現れ、運動障害が出てきます。特徴としては、アルツハイマー病とパーキンソン病の症状を併せ持っているとい点があげられます。アルツハイマー病に似た記憶の混乱や時間や場所の認知障害、パーキンソン病に似た筋肉の収縮、手足の振るえといった症状が現れます。

 

現時点では、レビー小体型認知症を完治させる治療法は確立されていません。徐々に進行し数年後には寝たきりになってしまうといった方も多くいらっしゃるそうです。しかし、症状の改善にいいとされる薬の開発が進んでおり、早期発見し対処することで、物忘れの改善等できるそうです。幻視が見える、歩きにくい、不器用にたったなどの症状を感じたら、相談してみるといいでしょう。

脳血管性認知症

認知症全体の約2割近い人が発症しており、男性に多い傾向にあります。

脳梗塞や脳出血といった脳の血管の病気によって起こる認知症です。病気により、脳の血管が詰まったり出血したりすることで神経細胞が死んでしまい、障害が現れます。

 

アルツハイマー型認知症と違い、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行していきます。主な症状としては、記憶障害や認知機能障害があり、感情がコントロールできなくなる、歩行障害が出るといったこともあります。

生活習慣を見直し、治療を続けていくことが大切です。

前頭側頭型認知症(FTD)

若い人でも発症のリスクがある認知症で、前頭葉や側頭葉前方が萎縮してしまい、認知症が発症します。原因解明には至っていませんが、最近の研究で、タウとTDP-43といったたんぱく質が関係していることがわかってきました。記憶障害よりも性格・行動面の変化が目立ち、ほかの認知症にはあまり見られない、特徴的な症状が多く見られます。社会性が欠如し万引き等の軽犯罪を起こす、抑止がきかなくなり暴力や暴言を振るう、同じ行動を繰り返すなどの症状が見られます。

若年性認知症

64歳以下の比較的若い世代や働き世代などで発症する認知症のことです。物忘れが多くなり、生活や仕事に支障が出始めても「自分はまだ若い」と認知症であることに気づいていないケースが多くあります。症状としては、記憶障害や見当識障害、複数のことを一度に考えられなくなるといったものがあります。

アルコール性認知症

アルコール性認知症とは、その名のとおりアルコールを多量に飲むことで起こる認知症です。多量のアルコールを摂取し続けたことで起こる、脳萎縮、脳血管障害や栄養障害などが起こり発症します。

 

高齢者だけでなく若い世代でも起こりやすく、ほかの認知症と同時に発症している場合もあります。アルコール性認知症は治療である程度の改善が期待されています。しかし、他の認知症と合併してしまうと改善は難しいといわれています。

症状はアルコール依存症と似たものから、記憶障害、見当識障害、作話などの症状まであります。

症状

それぞれ認知症によって、症状は異なりますが主な障害は次のようなものがあげられます。

記憶障害

物忘れがひどくなり、記憶が抜け落ちてしまうといった状症状のことをいいます。新しい事柄が覚えられない、ついさっきの行動を忘れてしまう、昔のことを忘れてしまうといったものがあります。

見当識障害

自分が置かれている状況を認識できなくなってしまうというものです。日付・場所・家族などの認識ができなくなり、俳かいや脱水症状を起こしてしまうこともあります。

精神症状・行動異常

幻視や妄想、万引きなどの軽犯罪、相手に対する暴力や暴言などの行為が見られます。

実行機能障害

計画や準備などの段取り力が低下してしまうことを言います。たとえば、料理のレパートリーが減る、作り方を迷ってしまい時間がかかるなどです。

失語、失行、失認

言葉の理解ができなくなってしまう失語、動作の意味がわからなくなってしまう失行、対象を正しく認識できない失認があります。

予防と原因

認知症患者の多くの場合は、原因がわかっていません。しかし、解明はされていないものの研究は続けられており、新しい事柄が徐々にわかってきています。

認知症予防には大きく分けて2つの方法があります。

 

1つ目は生活習慣・食生活・運動などの日常生活のなかで取り組むもの、2つ目はゲームや脳トレーニングなどの能力を改善させたり補ったりするものです。1つ目では、早寝早起き、睡眠をきちんととる、お酒やタバコは控える、ストレスを溜め込まない、バランスの良い食事、適度な運動等があげられます。2つ目に関しては、ボランティアやクラブ活動等に参加し生きがいを見つける、考え事や計算をするなどがあげられます。

 

上記で紹介したように、今後は私たちの日常生活で、様々な認知症高齢者が増えてきます。長寿国である日本では、より認知症に対して理解を深めることが大切になります。認知症高齢者とそのご家族が、私たちの身近におり、他人事ではないことを感じたのではないでしょうか。その認知症高齢者やご家族が、住み慣れた地域で長くいきいきと暮らしていけるように、症状を理解して接し、助け合える地域づくりを目指していただければと思います。

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