介護保険について徹底解説!介護職員なら押さえておきたい制度やサービス内容

介護職員の方もしくは、自宅で介護をしているという方、介護に興味がある方であれば、「介護保険制度」という言葉はご存知かと思います。

 

ですが、一体どのようなもので、どのようにしてサービスを受けるのかということについて、詳しくは知らないという方もおられますよね。

 

ここでは、介護職員が知っておきたい、介護保険制度や特定疾病などについてご説明していきたいと思います。

難しい内容ではありますが、できるだけ分かりやすくお伝えできればと思います。

介護保険とは

日本では、高齢化の進行に歯止めがかからず、今ではすでに超高齢社会に突入しています。

 

そんな中、介護を必要としている方本人だけの問題ではなく、家族、そして社会全体で考えていくべき問題だということから始まったのが、介護保険制度です。

 

家族の力だけで介護が必要な方を支えていくことは難しいという現実から、介護を受ける方はもちろんのこと、自宅で介護をしている方の支えにもなる必要があります。

 

負担を軽減して、みんなが安心して生活することができるようにするための制度なのです。大体3年ごとに見直されるものですので、市区町村からの情報をチェックしておくことも大切です。

 

介護保険制度の負担割合は?

介護保険制度によって、介護サービスを利用することができます。この介護サービスを利用するためには、当然ながら無料というわけではなく、サービス費用の負担割合が決められています。

 

介護保険負担割合証に記載されている利用者負担割合に応じて、サービス費用のうちの1割~2割を負担することになるのです。原則として、以下のような負担割合となっています。

 

・65歳以上の高齢者の方は1割負担

・一定以上の所得のある場合は2割

 

そして、介護保険給付の額は、介護認定区分によって異なります。もし、区分支給限度額を超えてのサービス利用となる場合には、その超えた分はサービス利用者が全額負担をすることになります。

 

介護保険制度の対象者は?

介護保険の対象となる方は、大きく分けて2グループあります。

 

一つは、第一号被保険者と言い、65歳以上の高齢者の方で、介護や介護の支援を必要としている方です。

 

もう一つは、第二号被保険者と言い、40歳~64歳の方で、医療保険に加入し、老化による病気や特定疾病によって介護が必要となっている方です。

 

第一号被保険者は、年金から天引きという形で保険料を支払うことになり、第二号被保険者は、医療保険から介護保険料が徴収されます。

特定疾病とは?覚えておきたい16の特定疾病一覧

第二号被保険者の説明の中で、「特定疾病」という言葉がでてきましたが、一体これはどういった病気なのでしょうか。16つ指定されている病気がありますので、一覧でチェックしてみましょう。

 

16の特定疾病

 

・がん(末期)

・関節リウマチ

・筋萎縮性側索硬化症

・後縦靱帯骨化症

・骨折を伴う骨粗鬆症

・初老期における認知症

・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患)

・脊髄小脳変性症

・脊柱管狭窄症

・早老症

・多系統萎縮症

・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症

・脳血管疾患

・閉塞性動脈硬化症

・慢性閉塞性肺疾患

・両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

 

ー厚生労働省:特定疾病の選定基準の考え方

 

これらの16つは、3か月から6か月以上、継続して要介護状態・要支援状態になる確率が高いと考えられる疾病です。これらの病気にあてはまる方の場合、65歳未満であっても介護保険サービスを受けることができます。

介護保険で受けられるサービスは?

介護保険で受けられるサービスには、いくつかの種類があります。大きく分けると、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類です。

 

居宅サービス

居宅サービスは、いわゆる自宅での介護サービスのことを指します。

例えば、介護士が自宅に来る訪問介護や、送迎で利用するデイサービスなどが当てはまります。

 

施設サービス

施設サービスは、そのままの意味で、介護施設などで介護を受けるサービスのことを指します。

有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、医療機関などが当てはまります。

 

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、今まで通りの住み慣れた町で生活していくための介護サービスを指します。

例えば、グループホームや認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護などが当てはまります。

 

介護保険のサービスの受け方

この介護保険制度による介護サービスですが、保険料を支払っている状態で介護施設に行けば申し込める…というものではありません。

では、介護が必要な方もしくはご家族様で、介護保険サービスを受けたいという場合には、どうすればいいのでしょうか。

 

1.市区町村役場の介護保険課や地域包括支援センターに相談する

2.要介護認定の申請をおこなう

3.ケアマネジャーが訪問調査にやってくる

4.30日以内に申請結果が郵送されるため、内容を確認する

5.認定区分を確認して、指定のところに連絡を入れる

6.ケアプラン作成

7.サービス利用開始の依頼をおこなう

 

介護保険制度の介護サービスを受ける場合、受け方としてはこのような流れになります。

 

介護保険をネットで調べても理解できない、いまいちよくわからないという場合には、市区町村役場の介護保険課や地域包括支援センターに相談すると、相談にのってくれます。

 

また、要介護認定の申請を行うと、要介護1~5、要支援1~2という区分に分けられます。

これは、その方の介護保険給付額や、使えるサービスの種類が決まるもので、数字が大きくなるにつれて要介護度が重くなっていきます。

まとめ

介護保険制度について簡潔にご説明しましたが、いかがでしたか?

基本的なことばかりですが、この基本的なことが抜けていては、介護職員として知識不足とも言えます。

 

サービスを利用されている方がどのような経緯でそこにおられるのか、どのようなケアプランになっているのか等は、介護職員として知っていて当然でもあります。

 

介護保険制度を他人事だと考えていると、いつ自分の周りに介護が必要な方があらわれるか分かりません。

基礎的な部分だけでも、しっかり頭に入れておくようにしたいですね。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事