介護職員を腰痛から守る!便利な移乗用具5選

介護職員にとって特に大きな身体的負担となる動作が移乗介助。今回は介助する人とされる人がお互いに安全、安楽に移乗を行うために役立つ移乗用具5選をご紹介します。腰痛に悩んでいる方、腰痛を予防したい方の参考になさってくださいね。

移乗用具を使うメリットは?

移乗介助には体の使い方や姿勢などコツやテクニックがあります。しかし、いくらボディメカニクスを使っても、腰を曲げる・ひねる、持ち上げるという動作が発生する限り介護現場で腰痛のリスクはなくなりません。

 

移乗用具を使うメリットは介助者を持ち上げたり、無理な姿勢をとったりする必要がなくなること。介護経験が未熟な人や体が小さい人でも安全、安心に介助が行えます。

座ったままでスルっと体重移動できる「スライディングボード」

スライディングボードとはその名の通り「滑る板」。座ったままの人をスライドして移乗できます。おしりを乗せる表面はとても滑りやすく、移乗元と移乗先の間にスライディングボードを渡して、座った利用者の体を傾けて体重移動させれば、無理に引っ張らなくてもすーっと滑ります。

持ち上げることなく座った人の後ろから体幹を支えるだけで移乗でき、乗り移った後はサッとボードを引き出すだけと使い方もとてもシンプルです。

「介助ベルト」を使えば身体を直接支えるよりもグッと安全

利用者の身体を支えていた手が滑ってヒヤリとしたことはありませんか?介助ベルトには握りやすい形状、素材のグリップがわっかのように複数付いていて、利用者に着けてもらうことで起立や着座、歩行サポートが楽にできます。

介助ベルトを使えば、グリップを握って安定した姿勢で利用者を支えられます。一人では車椅子からいすへの移乗が難しい、立ち上がりや着座時にバランスを崩す、歩行時にふらつく…そんな心配がある方にオススメです。

軽い力でつるっと滑る「スライディングシート」

スライディングシートとは特殊な加工でつるつると滑りやすい布状の介助用具です。利用者の身体の下に敷くとベッドや車いす上を少ない力で滑らせて移乗や位置修正ができます。圧力だけでなく移乗時のズレ力も軽減できるので、褥瘡のリスクのある利用者にとっても安心です。

ただし、非常に滑りやすいので普段通りの力でグッと動かそうとすると利用者が滑りすぎて頭をぶつけてしまうといった事故の恐れがあります。正しい方法で便利に使いたいですね。

ベッドから寝たままの移乗がらくらく!「移乗用ボード」

移乗用ボードとは利用者を寝た姿勢のまま移乗できる用具です。利用者の体の下に差し込んで横滑りさせれば、ベッドからストレッチャーやリクライニング車いすへの乗り移りも安全、スムーズに行えます。

移乗用ボードを利用すれば、数人がかりで身体を抱えて持ち上げなくてもいいので、介護事故防止や腰痛予防になります。

機械の力を活用しよう!「移乗用リフト」

最後にご紹介するのは電動で移乗をサポートする「移乗用リフト」です。利用者をスリングシート(吊り具)ごと機械で持ち上げらるので、介護者も利用者も身体に負担がありません。

 

いろいろなタイプのリフトがありますが、最大の安全ポイントは利用者の体格や症状に合わせたスリングシートを選ぶことです。

以上、5点の移乗用具を簡単にご紹介しましたがいかがでしたか?職業性の腰痛を予防して、介助者と利用者がともに安全で楽になり自立支援にもつながる用具を上手く利用してみてくださいね。

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