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認知症ライフパートナー検定を取得したきっかけ

私は作業療法士として、医療福祉の現場で働いておりました。2007年、超高齢社会に突入した日本の医療現場で、認知症は切っても切れないものとなっており、認知症を主の疾患としない病気や障害において関わる場合でも、高齢者においては認知症が付随していることは多々あります。

 

認知症に対するリハビリを行う作業療法士としては、認知症の知識や接し方に関しては勉強してあります。しかし、実際認知症の方が生活する場面において、一部の専門職だけが認知症を理解しているだけでは、何の解決にもならないのです。ケアで関わる医療職や介護職、福祉用具事業所、一番は身近にいる家族が認知症の症状を理解し、適切な関わり方をすることにより、ご本人・家族の負担は劇的に変化するのです。

 

そこで、しっかりと認知症に関して再度学びなおし、認知症の方をとりまくすべての人々に適切な関わり方を伝えられるように、この検定を受けました。実際に私の所属している作業療法士協会でも、この検定を受けることを推奨しています。

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認知症ライフパートナー検定の難易度

認知症ライフパートナー検定では、3級・2級・1級があります。

 

3級は基礎編になっており、認知症の方に関わる医療職・福祉事業所のスタッフはもちろん、医療に携わっていない一般企業の方や家族でも認知症を理解できるようになる内容になっています。

 

2級は基礎編から少しレベルアップし、実際の現場で必要な知識や技術を習得します。また、認知症ケアに必要なコミュニケーション手法や回想法、アクティビティを用いた介入方法など、リハビリ的介入要素が強くなります。

 

1級に関しては、認知症患者・家族の支援、リハビリ的介入方法に加え、より深い認知症に関する専門性とコミュニケーション技術、マネジメント力が求められます。認知症に対してのアクティビティ・ケアプログラムの立案から、地域包括ケアシステムの中で、他者への指導にもあたることができるリーダーの養成が目指されています。

3級・2級に関しては、マークシート式試験となっており、1級ではマークシート式試験に加え、記述式試験があります。私は元々作業療法士として認知症の知識やリハビリに関する知識がありましたので、2級から受験しました。勉強方法としては、「認知症ライフパートナー検定試験2級公式テキスト」を用いて、約2ヶ月間寝る前に1時間程度読んで勉強し、合格となりました。

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認知症ライフパートナー検定を取得したメリット

高齢化が進む現代では、認知症患者の行方不明や交通事故などが社会的な問題となっており、医療福祉の現場ではもちろん、その他の場面でも誰もが認知症に関する知識を必要とする時代となっています。

 

認知症患者にとっては、早期発見、早い段階からの適切な対応・環境調整をすることにより、症状の進行状態なども変わってきます。認知症ライフパートナー検定を取得することによって、まず認知症に関する知識を得て、認知症の方の行動パターンなどを理解することができるようになります。そして、一番近くにいる家族にそれが認知症の症状で起こっているということ、適切な対応方法を伝えられるようになります。

 

認知症で問題となってくるのが、認知症の記憶障害や見当識障害などから起こる徘徊や昼夜逆転、興奮・攻撃性などといった周辺症状が一番認知症本人と家族を苦しめ、負担を増大させるということです。

 

そこで、この症状に対しても家族が認知症を理解し、適切な対応をすることにより、周辺症状が軽減され、家族の心理的・体力的負担は全く異なってきます。医者や看護師、作業療法士などの専門職だけではなく、家族に接するすべての人々がそのアドバイスをできることが理想です。また、認知症ライフパートナー検定の2級・1級を取得することで、認知症の方との関わり方に生活の中でよりリハビリ的要素を含ませることができるようになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。認知症ライフパートナー検定を取得することにより、医療福祉の現場で働くスタッフは、わかっているようで知らなかった認知症の方への関わり方を学ぶことができます。

 

認知症をしっかり理解した上で、リハビリ的介入の視点をもっていることにより、関わり方や声のかけ方一つ一つが変わってくると思います。そうすることにより、認知症の方は障害を負いながらもその人らしく穏やかに過ごせるように変化し、介護者のケアの負担軽減にも繋がってきます。

認知症患者が増加してきている現代では、医療福祉職だけに限らず、認知症の方をとりまくすべての方に認知症を正しく理解し、温かく寄り添える世の中になることを願い、この認知症ライフパートナー検定が広く普及することを望みます。

 

<執筆者のプロフィール>
名前:髙橋慶香
プロフィール: 診療所・老健で作業療法士として勤務。結婚を機に仕事を退職し、福祉ネイリストの資格を取得。現在は福祉ネイリストとして活動する一方で2児の育児に奮闘中。趣味はネイル、カメラ。夢は福祉ネイリストや作業療法士などの資格を活かして高齢者様の素敵な笑顔を写真に残すこと。
保有資格:福祉ネイリスト、作業療法士、福祉住環境コーディネーター2級、 福祉用具プランナー、認知症ライフパートナー検定2級
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