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介護業界で注目されている、2019年3月開始の新しい資格『スマート介護士』。
今回はスマート介護士を主催している社会福祉法人善光会のサンタフェ総合研究所長の松村様に、どのような資格なのか、取得するメリットや取得方法などについてお話をお伺いしました。スマート介護士の受験を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

「スマート介護士」は介護の質の向上と効率化を図るための資格

ー「スマート介護士」とは、どのような資格なのか教えていただけますでしょうか?
現代の日本では高齢化が急激に進み、介護サービスの担い手が不足しています。この人手不足問題を解消するため、介護ロボットの導入やサービス提供体制の改善が必要とされていますが、これらの機器は運用が難しく、なかなか普及が進まない現状があります。

 

そのような中で、介護ロボットやセンサー機器を活用し、介護の質の向上と効率化を図ることのできる人材を育成するために、『スマート介護士』という資格が誕生しました。

 

ー「スマート介護士」を立ち上げたのには、どのような背景があったのでしょうか?
それにはまず、サンタフェ総合研究所の活動からお話させていただきます。
2017年10月に立ち上げたサンタフェ総合研究所は、社会福祉法人善光会が蓄積してきたノウハウを、社外に提供していくための部門です。

 

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2019.7.30
善光会のIOT導入に至るまで システム化に成功している善光会では、まず現状の問題を把握するため、複数の職員の丸一日の行動データを採取から始めた。どういった作業に、どれくらいの時間を要しているのかという細かな作業データを数値化した。 そして、作業を3種に分類した。 直接介助(食事・入浴・排泄介助) (...…

 

具体的には、介護事業所様の経営支援を行ったり、効率的な介護オペレーションへの改善を行ったりと、幅広くコンサルティング事業を行っています。

 

中でも特に多かったのは、善光会がこれまで使用してきた介護ロボットの導入経験から、どんなロボットを購入すればよいのか教えてほしいというお声でした。

 

そこには介護事業所様の問題意識として、「介護ロボットを使いこなすことができないのでは」といった不安がありました。

 

それに対し我々は、コンサルティングとして機器選定や業務分析を実施しました。
その中でも一番力を入れていたのは、介護職員が柔軟に物事を考えられるようになり、業務を適宜分析し、何が必要なのかどういった介護ロボットなどを使って最適な介護のオペレーションを提供していくのかといったことをお伝えすることでした。

 

そのようなコンサルティングを行って行く中で、多くのお問合せをいただきましたが、全てにお答えするのが難しくなり法人としてのマンパワーの限界を感じるようになりました。

それで介護職員が自ら勉強していただければ、我々が教えに行く必要がないのではないかと考えるようになりました。

 

こうして今までお伝えしてきたことをまとめて分かりやすいように、本にまとめることになったのです。

しかし、例えば上司から「これ読んどいて」と本を渡されても、なかなか読み進みません。自分で本を買うと読み進められるのに、人から勧められると進まない。そうした経験は、よくあると思います。

 

それなら資格制度を作って認証をしていけば、資格取得の目的ができるため勉強へのモチベーションも上がるかと考えました。

こうした経緯で資格事業を展開しようということになったのです。

 

ー「スマート介護士」の名前の由来は何でしょうか?
当初は「介護ロボット専門士」という名前も検討をしていました。しかし「スマート介護士」の人材像というのは、必ずしも介護ロボットに特化したものではありません。生産性が高く、質の高い介護サービスを提供するオペレーションを構築して、環境に合わせて再構築し続けられるような人材を指します。

そのため、あまりにも介護ロボットという単なるツールに寄りすぎた名称だと、分かりにくく実態と異なるため「スマート介護士」という名前になったのです。

 

「スマート介護士」のレベルの選び方

ー「スマート介護士」にはBasicとExpertの2つのレベルがありますが、それぞれの特徴は何でしょうか?
Basicは、介護ロボットに興味がある方や介護に関する基礎的な知識を学びたい方にオススメです。
無資格で介護業界が全く未経験の方も大歓迎です。介護の基本的な考え方に関して「介護基礎論」という章で分かりやすく要点をまとめているので、ぜひご覧になっていただければと思います。

 

Expertは、Basicよりもさらに難易度が上がります。介護現場のオペレーションを自ら分析、改善して、現場に浸透させる、という所までできる方を想定しています。そのため、介護業界の経験者やユニットリーダーから施設長あたりを想定していますね。

 

BasicとExpertは受験形式ですので、ご自身で勉強をしなくてはいけません。そのため、そもそもの学ぶためのモチベーションが必要となります。

 

ー今後BeginnerとProfessionalの新たな2階級が追加されるそうですね。こちらについてもお伺いできますでしょうか?

Beginnerは、介護業界未経験の方や、介護に興味がある方向けにリリース予定です。介護福祉士養成校や資格の学校さんからそうしたものを作ってほしいというお声があって、今開発中です。

 

こちらは研修形式にする予定ですので、他のBasicやExpertと異なり、自分で勉強をしなくてもいいのでハードルが下がるかなと思います。

 

Professionalは、スマート介護士の中で最も高いレベルの位置づけで、職場のオペレーション改革を実行できる技術を身に着けたい方向けです。

厚生労働省の令和元年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)において、介護ロボットの活用に向けた人材育成に 関する調査研究事業が採択されまして、その中でProfessionalの制度への反映について話し合いをしています。

 

受験の対象者は、介護福祉士とExpertをお持ちの方に限定しようかと考えております。ProfessionalもBeginnerと同様に、研修を行って資格証をお渡しする形式を予定しております。

「スマート介護士」は、これからの時代活躍できる人材となる

ー「スマート介護士」を取得することで、どのようなメリットがありますでしょうか?

そもそもスマート介護士は、生産性が高く、質の高い介護サービス提供ができるようなオペレーションができる人材の育成を目的としています。

 

従来の介護の理論では、1対1で高齢者の方にどのような支援を行うのかを考えますが、現実的に1対1は難しく、複数の高齢者の方を1人の職員で見ます。

 

今まで介護職員の経験や感覚を頼りに業務を行っていましたが、スマート介護士を取得することで、業務のオペレーションを最適化しその結果質の高い介護を提供できるようになるメリットがあると思います。

 

今後介護職員不足の問題がより深刻となる中で、どれだけの人員効率で施設を運営できるかが重要な課題となります。
その中で「スマート介護士」は大いに活躍が期待できるかと思います。

 

また経営者にとっても、介護職員の生産性も質も高いならば稼動もあがりますので、メリットがあるものと考えています。

介護業界の制度上、売上は施設の定員×単価で決まっています。そこでスマート介護士で生産性を上げると、人が少ない状態で施設が回れるようになりますので、人件費単価を上げることができます。

 

ですが、それだけですとメリットの訴求が難しいので、Professionalに関しては、何らかの形で制度への組み込みを各方面でアプローチをしているところです。

 

ー御社の資格手当は、介護福祉士よりもExpertの方が多いそうですね。

はい、給与の仕組みにスマート介護士の資格手当を組み込んでいます。資格は社員の2~3割程が取得していますね。

ちなみに弊社の特養は、全国最高基準のオペレーションができているため、給与も最高水準で、一般的な業種の水準よりも高いです。

現場で働く方の給与に反映をすることができる理由は、1人の介護職員の生産性が高いからなのです。

 

ー御社の社員が取得をすることで、現場のオペレーションが上がったという実感はありますか?

社内ではないですね、なぜなら以前からスマート介護士としての教育を導入していたからです。

しかし、この社内の教育プログラムで他の施設の職員を教育して、施設の生産性を上げたコンサルティングの実績がありますので、それを資格としてパッケージ化したスマート介護士の効果は他の施設であれば感じられると思います。

 

ただ一点少し懸念している点がありまして、施設で生産性を上げるインパクトを出すためには、スマート介護士の数が必要なのです。

 

一人だけでは組織を動かしにくいので、複数名での取得を促したいという思いがございます。ですので、受験制度上も複数名で受けるとグループ割引があったり、自分の施設で試験が受けられたりできる仕組みを作って複数名での受験を推奨しています。

 

ーテキストとオンライン講座のオススメの使い分けはありますでしょうか?
ベースはテキストなので、まずはテキストを読んで、それで理解できた方には動画は不要と考えております。

ただし介護をずっと勉強してきた方やテキストの概念的なまとめ方に慣れていない方には、テキストを読んだ上で動画を見て頂くと、理解が深まるかなと思います。

 

ーそれぞれのレベルの難易度はどのくらいでしょうか?
Expertについては研修を受けていない、新しく入社した職員で、大体2か月間1日30分程の学習時間で資格の取得ができたと聞いています。Basicはその半分くらいをイメージしていただければと思います。

 

ー実際にはどのような方が受験をしたのでしょうか?
8割以上が介護施設で働いている方ですね。3~4割が介護福祉士を持っている方でした。年齢は介護福祉士の平均とほほ同じくらいで、40代後半が多いですかね。

各施設のベテランのリーダー層が多く受験しているのかなと想像しています。

残りの1割ちょっとは福祉用具の開発、営業の方でした。

受験理由としては、介護ロボットをどういう風に使っていけばいいのか学びたい、また開発の戦略をたてる際に、現場の職員がどのようなことを考え使用しているのか、どのような福祉用具を作るか考える上で役立つということで、1社で何十名も受けているメーカーさんもいました。

 

 

ー受験した方からの評判はいかがでしたでしょうか?
弊社の施設の受験者の中で、今まで介護ロボットを導入してこなかった施設のリーダー達がいたんですね。

スマート介護士では、オペレーションのあり方を職員因子、利用者因子、施設環境因子の三つのうちどこが変わるとオペレーションを変えるべきだということを説いています。例えば「利用者因子が変わったのに、施設環境因子がその環境に適用できていないから、それをどのようにしたらいいのか」といった話をします。

その後リーダー達に会うたびに、オペレーション分析について、どうしたらいいのかと相談を受けましたね。

そういった意味で、実際にスマート介護士を取得して業務が改善したという事例ももちろんありましたが、なによりもオペレーションへの関心が高まって、スマート介護士間で共通の言語ができるなど、オペレーション改革を進められているという印象を受けました。

 

ー最後にスマート介護士の受験を考えている方にコメントをお願いします!

「スマート介護士」は2019年3月に始まったばかりのため、認知度や関心の拡大はまだまだこれからの部分もあります。しかし、これからの時代、どれだけの人員効率で施設を運営できるかが一番の課題となることは間違いありません。

したがって、キーになる人材像として有用性が認められますし、Professionalを国の制度に組み入れて、介護業界全体の生産性をあげていこうと考えております。将来性を考えれば、今の早い段階で受験をして損はありません。

 

ー松村様、ありがとうございました。皆さんもぜひ、スマート介護士の受験を検討してみてはいかがでしょうか?

「スマート介護士」試験概要

実施日

第一回試験※終了※2019317日(日)

第二回試験※申し込み期間終了※2019825日(日)

第三回試験※申し込み受付期間前※202029日(日)

実施エリア

東京・大阪・福岡・札幌・仙台

費用

・スマート介護士Basic初級6,480円
・スマート介護士Expert中級8,640円
・併願13,608円
※大学院生以下対象の学生割引や、グループ割引もあり

受験資格

年齢不問。誰でも受験可能です。

以下の方にオススメです。
・介護業界に興味がある方
・介護施設の管理者(施設長、介護主任、ユニットリーダーなど)
・施設介護、訪問介護に従事される方
・福祉用具の開発/販売に携わる方
・介護ロボット、ICT機器の開発/販売に携わる方

問題形式

60分マークシート択一方式

出題範囲

公式テキスト『スマート介護士資格 公式テキスト For Basic & Expert』の内容から出題されます。

合格基準・難易度

おおむね正答率70%程度以上で合格の見込み。
・初級…公式テキスト内容を学習すれば合格可能とのこと
・中級…公式テキスト内容を深く学習、理解すれば合格可能とのこと

 

<松村昌哉さんのプロフィール>

2012年社会福祉法人善光会入社。事業戦略室にてマーケティングに基づく経営改善戦略策定及び新規プロジェクトの推進を行う。2013年の介護ロボット研究室設立時より、研究並びに導入から実証までに携わる。2016年「特別養護老人ホームフロース東糀谷」副施設長に就任。2017年「介護老人保健施設アクア東糀谷」施設長に就任。現在、2017年10月に設立された「サンタフェ総合研究所」所長と事業戦略室室長を兼任。

仕事をする上で大切にしていることは、コンプライアンスや自己研鑽といったものも当然大切ですが、合わせて、職員の個性、得意分野を重要視しています。自身の役回りや強みを生かし、自分を持ちながら働くことができる環境は個人のやりがいを引き出すとともに、結果として組織の成長に繋がっていくからです。趣味はアウトドアで、キャンプやBBQなどしながら自然に触れあい、四季折々の変化を楽しんでいます

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