ケアマネとして働いていますとどうしても困難な悩みが出てきます。ケアマネは基本的に一人で行動をすることが多いですので、悩みにぶつかってしまいますと相談できる人があまりいません。
ここではケアマネ歴10年の私に実際に起きたケースを紹介しながら、ケアマネがよくぶつかる悩みとその解決方法についてご紹介していきます。
ケース1.過度な要求をする利用者様
ケアマネジャーの基本的な仕事はケアプランの作成と、関係機関と連絡し調整を行うことです。ケアマネジメントの中には直接的な介護は入っていません。しかし利用者様の中には、そういったことを理解していない方もいらっしゃいます。
私がまだ新人だった頃、担当をしていた利用者様から「自宅に来るついでにお茶を買ってきてくれないか」と依頼がありました。ちょうどコンビニに寄ってから利用者様宅に行く予定があったので、お茶を購入して持っていきました。料金は利用者様から後からいただきました。
私は「それぐらいいいかな」と考え行動をしていましたが、利用者様からの要求はどんどんエスカレートしていきました。ついには自宅に行くたびに日用品などを買ってくるように要求されるまでに。訪問介護の買い物代行を提案しても「お金がかかるから」と拒否されてしまいます。そのことを上司に相談をすると、とりあえずケアマネの担当を変更することで対応してもらいました。
そのことを振り返ると、自分でも非常に軽率な対応をしてしまったと思っています。最初にケアマネの役割をきちんと明確にしておき、出来ることと出来ないことを伝えるべきでした。また、最初の依頼の際にきちんと断ることが出来ればこんなに何度も要求されることはなかったでしょう。
また、利用者様本人だけではなく、家族からも同じような要求をされることもあります。ケアマネジャーはあくまでも直接介護をする役割ではないので、そのことを明確にお伝えする必要があります。
ケース2.サービスを利用してくれない利用者様
他にも良く困難事例として挙げられるのは、サービスを拒否する利用者様です。
これは、私自身も経験があり、ごみ屋敷のようにごみに埋もれた自宅で生活をしている利用者様が私の担当になりました。掃除が必要でしたが、いつまで経っても掃除をすることを拒否していました。
利用者様からしてみれば、知らないケアマネと名乗る人が突然来て「掃除をさせてほしい」といわれても、不信感があるのです。当然そのような信頼関係では拒否されてしまうでしょう。
そこで、私はまず信頼関係をその利用者様と築くことが大切だと思い、定期的に高齢者の自宅を訪れて日常的な何気ない会話をして信頼関係を築いていきました。
多少遠回りになったとしてもまずは、利用者様との信頼関係を大切にして対応をすることが必要だと思います。
利用者様の中には、困っていてもサービスを使いたくない人もいらっしゃいます。「なぜサービスを拒否しているのか?」きちんと相手の身になって考えて、対応を続ける根気強さが必要です。
ケアマネの最大の悩み?!監査について
在宅ケアマネの場合は居宅介護支援事業所に所属してケアマネとして働きます。ケアマネの報酬は介護保険から支払われていますので、当然適切にケアマネジメントをしないと介護報酬はもらえません。
不適切なケアマネジメントをしていると、受け取った介護報酬を返さないといけません。適切か不適切かは保険者が行う監査によって判断されるのですが、私はケアマネとして働き始めて3年目に監査を受けました。監査が来るとなってからは自分の記録を見直したり、保険者が求める項目を満たしているのかきちんと確認をしたりなど、監査が終了するまでは気が休まらない日が続きました。
監査はケアマネにとっては”最大の試練”であるといえますが、日頃から監査を意識して仕事をすることでこの悩みは解決されます。
ポイントとしては、日常的に監査項目を意識しておくことです。保険者からはケアマネは〇〇と△△の記録をするように、同意を取るように、定期的に高齢者の自宅の行くように、などと様々な決まり事を明示されます。
その決まり事をしっかりと守ると監査をクリアすることができます。これは、監査が来ると判明してからでは遅く、日常的にしっかりと決まり事をクリアしていくことが必要です。私はしなければいけないことを一覧にして、いつでも監査が来ても大丈夫なように対応をしていました。
まとめ
ケアマネは立場としては直接介護をすることはありませんが、利用者様からしてみれば一番近い位置にいるので何でも頼みやすいという難しい存在です。サービスを利用してもらおうと思って同意が無いといけませんし、同意を得られないこともあります。また過剰にサービスをしすぎて本来の業務に支障があってもいけません。ケアマネの仕事、役割を日ごろから意識して行動をすることが必要です。
監査の話は保険者によって大きく対応が違いますので、自分が所属する保険者のホームページなどを見て何が必要か日ごろから意識しておきましょう。
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