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重度訪問介護は、障がい者の中でもより重い障がいをもつ方へ自宅で行うサービスで、2014年4月から対象範囲が拡大され、肢体不自由の方だけでなく知的障がいや精神障がいをもち常時介護を要する方も介護サービスを受けられるようになりました。
重度訪問介護従事者は、地域のなかで介護の担い手となる重要な人材とされ、その重要は右肩上がりに増えています。
ここでは、重度訪問介護の概要と、実際にどのような仕事が行われるのか、また重度訪問介護従事者になる方法や効果的な資格取得のポイントについて解説します。

重度訪問介護従業者とは

重度訪問介護は、障害者総合支援法に定められたサービスで、常時介護を要する重度の障がい者の居宅へ訪問し、生活の援助を行う支援です。
重度訪問介護サービスにより、毎日の生活上常に介護が必要とされる方が住み慣れた地域や自宅の中で生活を続けられる支援を目指しています。

重度訪問介護の対象者は常時介護を必要とする重度障がい者

重度訪問介護の対象となる方は、行動の面で著しい困難があって常時介護を要する方で、肢体不自由者、知的障がい者、精神障がい者のいずれも対象です。

 

具体的には、次の基準のいずれかに当てはまる方が対象となります。

・二肢以上に麻痺等がある者で、障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれもが「支援が不要(自力でできる)」以外に認定されている
・障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である

一般的には、筋ジストロフィー、脊椎損傷、ALSなど難病の方や、脳性まひ、遷延性意識障害(事故による寝たきり状態)、重症心身障害、強度行動障害などが挙げられます。

重度訪問介護は年々需要が増えている

厚生労働省が行った調査によると、重度訪問介護を行う事業所数は2016年時点で7200ヵ所近くあります。また、2012年度から2016年度までの間に、重度訪問介護の利用者数や1人あたりの費用額は毎年3%前後増加し、事業者数や利用総額は年6%程度の伸びをみせるなど、重度訪問介護の需要は年々増加する傾向にあります。

 

 

第11回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」(平成29年10月6日) 

資料2 重度訪問介護に係る報酬・基準について≪論点等≫

重度訪問介護従業者の仕事内容

ここからは、重度訪問介護従業者が実際に行う支援内容をみていきましょう。

重度訪問介護従業者が行う仕事内容は?

厚生労働省が示す支援内容は、利用者が住む居宅に訪問し、次のような援助を行うこととしています。その内容は居宅内から外出時まで、多岐にわたります。

・入浴、排せつ(トイレ・おむつ交換)、食事などの介護
・ 調理・片付け、洗濯、掃除などの家事の支援
・ その他、日常生活全般にわたる援助(洗面、歯磨き、着替え、体位変換、買い物など)
・外出したときの移動中の介護(通院時の車の乗降、移動や通院先での介助など)

また、利用者が自力でできることは自分でするように見守ったり、いつでも援助できるように近くで待機したりと、日常生活で生じるさまざまな介護の事態に対応するための支援も含みます。

 

さらに、「重度訪問介護従業者養成研修」を修了後、看護師などの指導のもとで実地研修を行った後、特定の利用者に対し、痰の吸引や経管栄養(胃ろう)などの医療的なケアも行えるようになります。

 

そのほか、2018年4月から施行された改正障害者総合支援法により、病院などの医療機関へ入院した場合でも訪問先を入院した医療機関にして引き続き介護サービスが受けられるようになりました。体位変換など、利用者ごとに必要となる特殊な介護方法や生活習慣を医療従事者へ的確に伝達し、病室などの環境を調整したり、強い不安や恐怖等によるパニックを防いだりと、きめ細かな介護を進めるサポートができる重要な役割を担っています。

重度訪問介護従事者はどこに勤務する?

介護ヘルパーは、訪問介護を行う事業所に所属し、利用者の家に派遣される形で仕事をします。かつては社会福祉協議会のような公的機関がヘルパーの所属先でしたが、現在は、民間の事業所の数が増え、社会福祉法人、NPO、一般企業などさまざまで、訪問介護事業所といったり、ヘルパーステーションといったりするところに所属するのが一般的です。

 

重度訪問介護を利用する方は、重度の障がいをもち、常時介護を必要とするため、介護サービスは24時間提供できるようにする必要があります。このため、夜勤を含む3交代8時間勤務でヘルパーを派遣することが一般的です。

重度訪問介護従業者の資格をもつメリットは?

重度訪問介護を行うには、居宅介護に従事可能な介護福祉士や介護職員初任者研修などの資格所有者、または重度訪問介護従事者養成研修修了者などであることが条件となっています。
資格をもたない人が重度訪問介護に携わろうとした場合は、重度訪問介護従事者養成研修などの研修を受けることになります。

 

では、重度訪問介護従事者養成研修を修了した場合、どんなメリットがあるのでしょうか。

就職に有利で、給料アップも期待できる

訪問介護には、一般的な居宅介護と重度訪問介護の支援がありますが、重度訪問介護従事者養成研修を修了していれば即戦力になりますから、訪問介護事業所への就職に有利になります。

 

また、研修修了後、看護師などの指導のもとで実地研修することにより、痰の吸引や経管栄養(胃ろう)などの医療行為にも関わることができるようになります。(特定の利用者に限るなど一定の条件はつきます。)医療的ケアは人材不足で、利用者本人だけでなくご家族も困っておられることが多く、医療的ケアのできる介護ヘルパーはとても貴重な存在です。

納得のいく個別ケアを自分のペースでできる

重度訪問介護は、利用者の住まいをたずねてサービスを行います。基本的に1人で訪問し、ケアも1人で行う形になります。マンツーマンで個別ケアを行うため、利用される方が望んでいるサービスを、ご本人や家族と相談しながら、納得するかたちにしていくことができます。

 

また、通所・入所施設で行う介護の場合、他のスタッフと一緒にサービスを行うため、いろいろな相談ができる一方で、スタッフ間の人間関係にわずらわしさを覚えることもあります。訪問の場合は原則1人でサービスを行うため、自分のペースで介護を行えます。

 

訪問ヘルパーには、正規の社員・職員、パート勤務のほか、登録ヘルパーという働き方もあります。条件は事業所によりさまざまですが、自由な時間に働けることから、ダブルワークもしやすく、プライベートを大切にしながら、自分のスタイルで介護に携わることができます。

日常のコミュニケーション、家事のスキルアップにもつながる

重度訪問介護従事者は、重度の障がいをもつ方の介護を行います。言葉に頼ることができない方も多く、目線や表情など、さまざまなサインを見逃さずにコミュニケーションをとり、臨機応変に対応できる人が求められています。

 

また、日常生活の支援を行うことから、食事や掃除洗濯、買い物片付けなど、家事スキルが高く、人の世話をすることが得意な面倒見の良い人が重用されます。

重度訪問介護のヘルパーとしてサービスを積み重ねることにより、こうしたコミュニケーションスキルや家事スキルが洗練され、日常生活のなかでも活かしていくことができるでしょう。

重度訪問介護従業者になるには?

重度訪問介護従事者の資格は、都道府県が指定する研修を修了することで取得できます。障がい者のケアに特化しており、受講資格に制限がないため、介護初心者でも資格取得しやすくなっています。

研修には基礎課程と追加過程があり、講義と実習の組み合わせで次のようなカリキュラムが組まれています。基礎課程の修了者は障害程度区分4と5の利用者に、追加過程の修了者は区分6の利用者にサービス提供することが可能です。

・ 障害や介護技術に関する理解
・ 介護の基礎やコミュニケーションに関する実習
・ 外出時の介護技術の実習
・ 危険防止に関する実習
・ 実際のサービス現場での実習

都道府県によっては、統合過程といって、基礎過程・追加過程に加えて医療的ケアの基本研修を行うコースも用意されています。
研修は、自治体のホームヘルパー協議会やNPO法人、都道府県の指定する事業所などがスクールを開講しています。

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