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老人ホームで利用者様をサポートする側として、高齢者の方に活き活きと毎日を過ごしていただけることは何よりの喜びですよね。しかし、多くの利用者様と接する中で、モチベーションの高い方もいれば、なかなか前向きになれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、理学療法士として病院・介護施設に勤務した経験を基に、高齢者の方にやる気を出してもらう声かけについて、小手先のテクニックではなく、大切な心構えをご紹介しています。

なぜやる気が出ないのか?から考えてみる

利用者様にやる気を出してもらえるような声かけをする際に、最も気を付けたいことが「なぜ利用者様はやる気が出なくなってしまったのか?」を考えることです。

 

普段の声かけに比べ、やる気を出してもらえるような声かけというのは、利用者様の深い部分の悩みに対する声かけと言えます。そのため、やる気を出してもらおうと安易に声かけをすることは逆効果になったり、利用者様との信頼関係を崩してしったりする恐れもあるのです。

 

では、実際にどのような点に注意していけば良いのでしょうか。

相手の状況を配慮する

利用者様のやる気がない状態が、どれくらいの期間続いているか把握していますか?
初めて会った時からなのか、ある日から突然なのか、もしくは決まった条件下でやる気が出なくなっているなど、日々の様子を近くで見ているからこそ分かることがあると思います。

 

やる気が出ていない期間や、やる気をなくしている状況を見ることで、利用者様のやる気を削ぐ要因が分かってきます。

やる気低下の原因は様々

高齢者の方のやる気が低下していく背景は、家族との関係悪化であったり、障がいの受容ができていない状態であったり、認知機能の低下を自覚して落ち込んでいたり、ご本人の置かれている状況によって様々です。

 

残念ながら、明確な要因が一つではない場合も多く、様々な要因が複雑に絡み合い、やる気の低下という形で表出していることもあります。むしろ、多くの場合がそうかもしれません。

 

しかし、明確な要因は見つからなくても、利用者様の置かれている状況を観察することで、声かけのヒントを見つけることができます。

 

利用者様をよく観察し、信頼関係を築く

日頃から利用者様をよく観察し、信頼関係を築いてくように心がけましょう。そして、サポートする側の工夫によって解決できる要因であれば、問題点を明確にし、多職種とも共有していくことが、利用者様のためにもなります。

 

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そしてゴール設定ができる問題であれば、短期目標・長期目標を利用者様とご家族、サポートチームで共有することが、やる気を出してもらえるきっかけにもなります。

利用者様に寄り添う声掛けを心がけよう

例えば、失語症で理解は良好でも発話が思うようにいかない利用者様がいたとします。何度も自分の気持ちを伝えようとしたものの上手く言葉が出ないことが続き、話すことをあきらめてしまった状態になるケースは珍しくありません。

 

そこで、やる気を出させようと話をしていただく機会を増やそうと「もっとしゃべって練習しましょう」などといった声かけは、かえって利用者様の負担にもなりえます。

 

日頃から利用者様の状況を観察し、話をしようとしているときの表情などで、「伝わらなくて落ち込んでいるのかもしれない」など気持ちの変化に気づくことが大切です。

 

利用者様の気持ちの機微を観察していくことで、

「〇〇さんのペースで良いですからね」、「私たちが理解できずごめんなさい。〇〇さんのお話したいことが分かるように私たちも頑張りますね」

など寄り添う声かけが自然と生まれてくるのではないでしょうか。

 

またその方が、ご家族と会話できるようになりたいと考えているのであれば、利用者様自身がもっと頑張ろうと思っていただける声かけができるようになります。

 

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利用者様の辛さは、私たちは分からないことを忘れない

感じる辛さは人それぞれです。もともとの性格による違いもあれば、その日の体調によって左右されることもあります。

 

特に利用者様は私たちが体験していないような認知の低下、老化や疾病による身体機能の低下などの障がいを抱えています。その中で、個人差や体調の影響があるということを忘れてはいけません。

 

利用者様と同じ状況を経験していない私たちには、利用者様の本当の辛さは分かりません。しかし、辛さを想像し共感することはできます。状況を理解しようともせず「頑張れ」「もっとできる」など安易な励ましをすることは避けましょう。

まとめ

利用者様の中には、こちら側のやる気を出してほしいという意図を汲みとって対応してくださる場合もあります。

利用者様の負担になるような声かけではなく、利用者様の置かれている環境(家族構成、利用者間の人間関係、身体だけでなく精神面、認知面での障がいの程度など)を把握し、利用者様ひとりひとりの状態を深く理解することが大切です。

 

安易な声かけに頼らず、利用者様の状況を理解し、共感から生まれる言葉で声をかけていくようにしましょう。

 

<執筆者のプロフィール>
名前:古村ユカ
プロフィール:大手医療法人の急性期病院や回復期病院、介護施設にて10年勤務。趣味は映画鑑賞。
保有資格:理学療法士、呼吸療法認定士、福祉住環境コーディネーター2級
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