【独占取材】vol3.上条百里奈さん―介護×モデル―だから私は介護職!後編

介護福祉士でありモデルとしても活躍し、テレビやラジオ、講演会で介護の魅力や問題を発信している上条百里奈さん。前編の上条さんの記事では介護業界への熱い思いをご紹介しました。今回は、講演会でのエピソードや、プライベートについてもお聞きしました!

「伝える」ことを大切にする

教育を通して、介護を伝える

上条さんは、様々な講演の中で、学生たちに向けての講演も実施されている。
ある介護現場で出会った老夫婦のエピソードを教えてくれた。

上条百里奈さんの画像

認知症が進んだ奥さんは、入れ歯を出し入れしたり、他の入居者の方のごはんを手掴みで食べたり、トイレに手を入れたりするのも日常であった。ご主人はその姿を見ても「生まれ変わってももう一度一緒になりたい」と言っていたそうだ。

そんな日々が過ぎる中、「上条さん、会いたかったんだ。どうしてもあなたにお礼が言いたかった。俺はそろそろ逝くから、妻を頼むよ」と言った3日後にご主人は亡くなった。一番最後に書いた書には、「我が恋はいまだ実らず」と書かれており、忘れられてしまっても妻を想い続ける気持ちが綴られていた。

介護職を通して人の最期に関わる中で、ある男性の人生における大切な想いを頂ける一人になることが出来た。そして上条さんも「介護職という職業で大切な夫婦と関わることで、こころから人の人生をかけた大切な想いを届けたい、彼らの幸せに責任を持ちたい」と感じたという。

上条百里奈さんの画像

中学校での講演開始時に、介護職に興味がある・やってみたいと思う人はいるかたずねたところ、最初は3人しか手が挙がらなかった。しかし、講演の後にもう一度同じ質問をしたところ、250人ほぼ全員の手が挙がったという。上条さんの現場での等身大の想いと実体験を聞き、学生たちの心には介護への関心が生まれた。介護の現場以外でも、介護の業界を変えていこうと行動されている上条さんは、同じ女性としても素直にかっこいいと思える。

WORK&LIFE―介護という仕事を通して―

介護の仕事を辞めたいと思ったことは、、、?

― 上条さんは、介護の仕事を辞めたいと思ったことはないですか?

ないです!

― 一度もないですか?

ないですね。過酷な職場環境の時もありましたが、当時は若かったし、体力もどうにか追いついていたこともあって、辞めたいと思ったことはなかったです。“今日もおじいちゃんやおばちゃんに会える、明日も会える”と思って介護が出来ていました。入居者の方からの暴言や暴力もなかったわけではなかったですが、それでも介護の仕事を嫌いになることはなかったです。介護の仕事をしている人は、きっとみんな介護の仕事を嫌いになることはないと思うんです。

上条百里奈さんの画像

― どうしてですか?

「上条さんは、別の仕事もしながら週2~3回働いているからフルタイムで働く気持ちはきっとわからない。介護職楽しい!と言われても、私はそんな風には思えない!」と言われたことがあります。でもきっとそうではないと思います。嫌だな、苦しいなと悩んでいる人ほどきっと介護の仕事に関心があって、想いがあるのだと思います。介護が嫌いになっているわけではなく、自分のしたい介護が出来ない環境に嫌気がさしているのだと思います。

― 自分のやりたい介護が出来なかったら、上条さんだったらどうしますか?

介護職員は、働き方を選ぶ権利があると思うんです。人が集まらない施設は改善出来ない理由があると思いますが、職員の体力と気力だけに依存した施設で頑張りすぎると、心も身体も疲れてしまうはずです。職場環境や働き方を選べないことで、介護を嫌いになるのはもったいないことだと感じます。

施設のルールにも納得がいかなければ、自分の考えを周りに共有し、環境を変える努力をすることだけは諦めないでほしい。想いのある人のことばだけが介護の世界を変えていける可能性があると私は信じています。

上条百里奈さんの画像

上条百里奈さんに聞いてみたプライベートのこと

最後に上条さんに、プライベートについても質問してみました。

― 結婚願望はありますか?

もちろんありますよ!でも今はデートより仕事を優先しちゃいますね(笑)

― 好きなタイプは、どんな人ですか?

有言実行な人!夢や理想を語るだけではなく、行動できる人はやっぱりかっこいいなと思います。あとは、おばあちゃんになっても毎日可愛いって言ってくれる人だといいな(笑)

上条百里奈さんの画像

プライベートのことについても茶目っ気たっぷりに話してくれた上条さん。「有言実行」というと、一見ドライに聞こえるかもしれないが、これは上条さん自身が介護に関する社会の認識を変えるための覚悟を強く持っているからなのだと感じた。

編集者が伝えたい上条さんの魅力

私自身、初めて上条さんにお会いした際に、可愛らしさや華やかさから、介護職員として仕事をする姿がイメージしづらかった。しかし、実際にお話を聞いて、上条さんの芯の強さや、介護への想いを強く感じた。自分目線ではなく、社会全体で介護業界をどう変えることが出来るのか、いま何をしなければいけないのかを常に考え、その目標実現のためなら努力を惜しまない方なのだ。

ブレずに、自分の目標に向かって進んでいる上条さんは、美しく、とてもかっこいい。介護業界を越えて、多方面から発信を続ける上条さんの存在に、勇気を貰う方も多いのではないだろうか。アクティブに、芯を持って活動を続ける上条さんは、豊かな経験と共に内面も外見も益々美しくなるのではないか。そんな風に感じずにはいられなかった。様々なフィールドで活躍を続ける上条さんから、目が離せない!

<上条百里奈さんのプロフィール>
長野県出身/介護福祉士/モデルとしても活躍/様々なイベントやメディアに出演し、情報を発信している

▼独占取材のコチラの記事もぜひチェックしてみてください♪

ケアビット
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