介護業界で働いている人はどんな人だろう?今回はそんな疑問にお答えすべく、介護業界で働く人数の推移から、就業形態、年齢構成についてご紹介します!
目次
介護業界で勤務する人々
介護職員数は年々増えている
要介護(要支援)認定者が年々増加傾向にあり、介護サービスのニーズの増加に伴い介護職員も2000年から2015年までの間で、549,000人から183,100人と約3.3倍も増えています。今後も高齢化が続くため、介護職員は増加していくことが想定されています。
介護職員の就業形態は非正規職員に依存
出典:厚生労働省 平成29年8月23日 介護人材確保対策よりケアラビNEWS作成
施設等で勤務する介護職員、訪問介護員のどちらも、非正規職員の割合が多いのが特徴です。特に訪問介護員は、非正規職員が77.1%と多くの割合を占めています。訪問介護は短時間からシフトを組むことが可能なため、長時間勤務ではなく、隙間時間などの短時間を利用したい主婦の方や高齢者の方が多いためだと考えられます。
介護職員は30代・40代がメイン、訪問介護員は60歳以上が約3割
出典:厚生労働省 平成29年8月23日 介護人材確保対策より
上記の表から介護職員は、施設・訪問に関わらず女性の比率が高いことが分かります。施設等で勤務する介護職員は約7割、訪問介護員は約9割が女性です。
では次に年齢の構成をみてみましょう。
施設等で勤務する介護職員の年齢は30代・40代の比率が高いです。
男女別にみると、男性の最も多い年齢のゾーンは30~39歳で33.3%、女性は40~49歳で25.1%です。
訪問介護員の年齢は50~59歳が最も多く、施設介護員に比べて60代の比率が高いのが特徴です。訪問介護は業務時間が短く、人生経験や生活経験が役立つ場面が多くあるため年齢が高めの方が活躍できるのが特徴です。
日本の高齢者数・高齢化率の推移
出典:厚生労働省 平成29年8月23日 介護人材確保対策よりケアラビNEWS作成
日本の高齢化は世界でも有数のスピードで進行していると言われています。1950年に4.9%だった高齢化率が、2015年には一気に26.8%まで伸びを見せています。今のスピードが減速していく可能性は低く、維持かもしくは加速していくと見込まれています。現在の出生率と合わせて計算すると、2060年には65歳以上が人口の40%を占めることになると予想されており、介護業界全体で人手不足という大きな問題に対しての対策を一刻も早く練らなければならないのが現状です。
政府は、介護の人材を確保するために、人手不足の大きな要因である賃金の低さを解消したり、キャリアアップの仕組みの構築に力を入れていますが、他の職種と比べるとまだまだ改善の余地がありそうです。
現在の職場を選択した理由
出典:厚生労働省 平成27年2月23日 介護人材の確保についてより
介護福祉士に聞いた現在の職場を選択した理由で最も多いのが、「やりたい職種・仕事内容ができるから」で、約40%が回答しました。次いで「通勤が便利」「能力や資格が活かせる」「労働時間・休日・勤務体制が希望に沿う」と続き、約半数が自分の仕事への意欲や意識を重要視している結果でした。
全体の回答状況を見ると、それ以外にも待遇や労働環境、経営者のマネジメントを判断の軸にしている方が多く見受けられました。
過去働いていた職場を辞めた理由
出典:厚生労働省 平成27年2月23日 介護人材の確保についてより
職場を選択する理由は、自らの仕事に対する意識や待遇を挙げる方が多いことが分かりました。では、働いている職場を辞める理由にはどのようなものがあるでしょうか。
最も多かったのは「結婚・出産・育児」で約3割の方が回答しました。女性が多い業種ということもあり、ライフステージが変化したことを理由に、職場を退職していることが分かりました。次いで「法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった」「職場の人間関係に問題があった」でした。
全体的に待遇・労働環境や事業所・経営者のマネジメントに不満をもって辞めるケースが多いことがわかります。