介護士が知っておきたい最低限の言葉遣い

介護職員は、利用者様だけではなく、そのご家族ともコミュニケーションをとる機会があります。その際に、間違った敬語や言葉遣いによって印象が悪くなったり、クレームになってしまうなんてことも。

そこで今回は、介護職員が知っておきたい言葉のマナーやコミュニケーションのポイントを詳しくご紹介します。

介護現場でよくある言葉の間違い

介護現場でよく使う言葉を挙げて、間違った敬語と正しい敬語を解説します。

「家族が来られる」、「ご家族が来る」

よくある間違いは「家族が来る」を、「家族が来られる」、「ご家族が来る」などと言ってしまうケース。正しくは「ご家族がいらっしゃる」です。これは利用者様とそのご家族のどちらに伝えるときにもよく使います。また、他の介護職員に利用者様のご家族がいらっしゃる事実を伝えるときも同様です。

「○○さんに言っておく」

利用者様から他の介護士やケアマネジャーなどへの伝言を依頼された際には、「○○さんに申し伝えます」と言います。

「○○する?」

利用者様に対して、敬語を使わない場合もありますが、基本的には「○○しますか?」と敬語を使いましょう。「○○されますか?」でも問題ありませんが、正しくは「○○しますか?」となります。

「ご苦労さまです」

「ご苦労さま」は自分よりも目下の人に対して使う言葉のため、不適切です。目上の方や同僚には使う場合は「お疲れさまです」を用いましょう。

「了解しました」

友達同士で使用することが多いですが、正しい言葉遣いではありません。「承知しました」や「かしこまりました」が正解です。

「なるほどですね」

利用者様と会話する際に、ついつい「なるほどですね」と言っていませんか?「なるほど」は自分よりも目下の人に対して使うもので、失礼にあたります。相槌を打つ際は「そうなんですね」か、より丁寧な場合は「おっしゃるとおりです」などの言い回しにしましょう。

「お召し上がられますか?、ご覧になられました」

二重敬語や多重敬語は丁寧に感じられるかもしれませんが、正しい敬語ではありません。「召し上がりますか?」、「ご覧になりました」のように尊敬表現が重ならないようにしましょう。また、「召し上がる」や「ご覧になる」は「食べる」「見る」の謙譲語にあたります。

「~できません」

介護現場で働いていると、ときおり利用者様から無理なお願いをされます。このとき、「できません」、「わかりません」と言うと、印象が悪くなる可能性があります。「~いたしかねます」、「わかりかねます」などと婉曲的な表現にすることで乱暴な印象を与えないようにしましょう。
この少しの違いが、大きく印象の違いを生むため、注意しましょう。

「~してください」

利用者様に何かをお願いする際には、「○○してください」ではなく、「○○していただけますか?」と伝えましょう。「○○してください」という言葉は、丁寧な命令形です。そのため、利用者様によっては不快な気分になってしまいます。

「○○していただけますか?」と伝えることで、利用者様としても気持ちよく行動できるようになります。介護士にとっても、利用者様がスムーズに行動できることで業務負担が減るでしょう。

 

また介護職員がよく使用する「お待ち下さい」。敬語としては正しい表現ですが、待つことを強いるよう命令されているような印象を受けることもあるため、「お待ちいただけますか」「お待ちいただいてもよろしいですか」と言うことで相手の意向を確認するようなニュアンスとなり非常に丁寧な表現になります。

クッション言葉を活用しよう

クッション言葉とは、相手の要求に対して断りの言葉を伝える際の前置きの言葉です。例えば、無理なお願いをされたときに「できかねます」だけ伝えると、素っ気ない印象を与えてしまいます。

 

この場合、「申し訳ございませんが」や「それは○○の事情により」などとクッション言葉を入れることで、利用者様に納得してもらいやすくなります。

さらに、「○○のタイミングになりましたら、こちらからお声かけします」、「担当者に確認し、こちらからご連絡いたします」などを付け加えれば、さらに受け入れてもらいやすくなるでしょう。

このように、クッション言葉をうまく使えば、無理なお願いを断りやすくなり、円滑な業務が可能となります。

まとめ

介護士は、利用者様とそのご家族に対して、親しみを持っていただけるように、社会人として恥ずかしくない敬語を使うことが大切です。そのうえで、無理なお願いはしっかり断りましょう。また、お願いをするときは、利用者様が気持ちよく行動できるように、正しい敬語を使うことがポイントです。

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