「重度訪問介護従業者養成研修」をご存知ですか?重度の障がい者の方の介護を行うにあたって、介護福祉士や初任者研修だけでは足りない知識を補うための研修です。障害者自立支援法に基づく資格であり、障害程度区分4~6の方が介護サービス対象となります。
障がい者ケアに特化した資格であり研修内容も重度障害に特化していること、介護初心者の方でも20時間程度の研修を受けるだけで資格取得ができることから、近年需要が高まっている資格の一つと言えます。
今回はこの「重度訪問介護従業者」について詳しくご紹介致します。
目次
研修概要
「重度訪問介護従業者養成研修」は都道府県の指定する事業所で開かれています。
保有資格の条件などはなく、受講はどなたでも可能です。
研修には「基礎課程」と「追加課程」があります。
※さらに都道府県によっては、喀痰吸引等研修などが含まれる「統合過程」がある場合もあります。東京都の場合、どちらの過程も講義と演習含め時間数は10時間ずつです。
二つの違いを見ていきましょう。
1「基礎課程」のみの受講の場合
研修内容
講義3時間:重度の肢体不自由者の方の生活や基礎的な介護技術の知識を身につける
実習7時間:介護方法やコミュニケーション技術を習得する
サービス対象者
障害程度区分4・5の利用者に介護サービスを提供。
2「基礎課程」修了後、「追加課程」を受講した場合
研修内容
講義7時間:重度の障害について、また緊急時の対応や危険防止についてさらに詳しく学ぶ
実習3時間:介護サービス提供現場での実習
サービス対象者
障害程度区分6の利用者様にも介護サービスを提供できるようになります。
この「基礎課程」資格一つあれば、障がい者向けのお仕事を始めることができます。
これから介護の仕事をはじめようと考えている方や、これまで他分野の介助業務に当たってきたけれど、障害分野も学んでみたいと考えている方にピッタリの研修と言えます。
さらに「追加課程」まで受講すれば、緊急時にもきちんと対応ができますし、さらに重度な障がいをお持ちの方のサポートができるようになります。
強度行動障害支援者養成研修も合わせて取得しよう
以上で見てきた「重度訪問介護従業者養成研修」は、肢体不自由者の方の介護をするにあたっての知識や技術を学ぶものでした。
一方、知的障害者や精神障害者の介護においては、しばしば行動障害――自傷行為・他傷行為・集団行動上の困難などに対するサポートが必要となります。
それらをカバーできる資格が強度行動障害支援者養成研修です。強度行動障害支援者養成研修は、「基礎研修」と「実践研修」とに分かれており、行動障害への具体的な支援方法を身につけることができます。
業務内容
重度訪問介護従業者の利用者様は重度の障がいありと認められている方なので、その介護サービス内容は多岐に渡ります。
ヘルパー三人が8時間ずつ利用者様の居宅を訪問し、24時間体制で介護サービスを提供するのが基本的な仕組みとなっています。
まとめ
重度訪問介護従業者養成研修と強度行動障害支援者養成研修の二つの研修を受けることで、重度の障がいを持つ方のサポートに必要な知識・技術を初めて習得したと言えます。そのため、二つ合わせての取得をオススメします。
重度の障がいをお持ちの方の中で、住み慣れた自宅での生活を希望する方は増えています。それに伴い、重度訪問介護従業者のニーズは高まっていくことが考えられます。
また障がい者を対象とした介護従業者を求めている事業所への就職が有利に働くでしょう。