厚生労働省によると、公的介護保険がスタートした2000年から15年度までには、要介護認定者256万人から620万人まで増加しています。
年齢別でみると、75歳以上が約86%を占めています。25年には5人に1人が75歳以上になる日本。介護職の需要は高まるばかりです。
また、政府は介護人材確保のため、処遇改善手当(介護福祉士に年96万円)の支払いなど前向きな動きを見せています。
介護職員が37.7万人不足!売り手市場の介護業界
団塊の世代が75歳以上になる2025年問題。 厚生労働省が報道機関に発表した情報によると、この25年に必要な介護職員数は253万人。しかし、人材の供給見込みは215.2万人。需要ギャップは約37.7万人にも上る見通しです。
人手不足に合わせて介護ロボットの開発の話しはあります。しかし、実際は専門的な介護は難しいと言われています。家庭にあるお掃除ロボット程度が現状、限界のサービスです。
例えば、訪問介護で患者さんの部屋の様子を見て、心身を把握するなどは専門性を持った介護職員にしかできないことです。つまり、介護職員として一歩踏み出せば、業界から大歓迎です。
キャリア、専門的な資格の前に、「やりたい」という前向きな気持ちさえあれば、受け入れてもらえる業界です。
「経験なしで40代だけど」、「今までの転職が多いので」、そんなことは問題ありません。やる気や人柄を見て歓迎してくれます。もちろん、スキルアップやキャリアアップのための転職も待っています。
「介護業界で働きたい」、「転職したい」と思っていても、「介護はキツイから」と言う周りの人がいたら、それは時代錯誤です。
現在は、国を挙げて人材を確保して処遇改善が行われている最中です。とても価値の高い職業として社会から認知されています。介護職と言っても、介護福祉士やヘルパーなどさまざまですが、どれもやりがいの大きな仕事です。
患者さんのできないが、「できる」に変わる喜びを一緒に味わえる感動の連続です。こんなにも必要とされ、頼りにされる仕事はそうそうありません。
介護職員の処遇改善の動向
業界や政府が一丸となって、働きやすい環境作りが進んでいる介護職ですが、まだまだ「給料が少ない」ので、「大黒柱としては心配」とする声は少なくありません。たしかに、介護職より月給の高い業種は多々あります。
しかし、介護保険制度が始まったのは2000年です。それから拡大した、まだ若い業界でもあるのです。勤続年数が少ない人が多いこともありますが、パートタイムの時給だけで見ると高い方です。
また、政府は介護保険に「処遇改善加算」を導入しています。介護事業所が職員の処遇改善をすれば、介護報酬が増える仕組みがあります。これから、介護事業所での格差は大きくなっていくでしょう。
より処遇のいい事業所に人が集まる流れが出てくると予想されています。これは、業界で働く職員にはとてもいい傾向ですが、転職は早い者勝ちになってしまうでしょう。
※平成29年4月1日から職員1人あたり最大で月額37,000円支給
そして、介護用ロボットやシルバー人材の導入が進めば、より担当業務に集中でき働きやすくなります。支援や応援的な業務は、スタッフに任せて質の高い仕事に集中できるでしょう。
介護職の将来性や可能性は、需要に比例して高まっています。
イメージばかりが先行する業界ですが、お近くの病院や介護施設などに足を運んでみてはいかがでしょうか。現場では、生き生きとしたスタッフさんや充実した患者さんが背中を押してくれます。