社会福祉士を取得するためには、いくつかのルートがあります。私は社会福祉士の合格者率が高い福祉系の大学に進学をしました。私が社会福祉士の取得を考えた理由から、大学での学習環境や、勉強方法、資格取得までの道のりをご紹介します。
社会福祉士の資格を取得した背景
私が社会福祉士を取得した背景には、祖父の死が関係しています。
祖父が亡くなった時、私は中学生でなにもできず、病院で亡くなる祖父の最期をただ震えて泣きながら見ているだけでした。亡くなる前、看護師の方は全くと言っていいほど病室に来てくださらず、忙しいとは言え、とても寂しい印象を受けました。
見回り程度にしか顔を合わさない、最期の時にしか何かすることができない、というようなものではなく、常に寄り添えるような存在として「自分が何かできれば!」と強く思ったことから、福祉の道に進みたいと考えるようになりました。
介護職なら、祖父が亡くなった時のような寂しく辛い想いをしなくて済む、自分にも何かできることがあるはずだと考えたのです。
介護職について調べていくうちに、介護を必要としている方に対して、介護施設や地域を結んで支援することができる、社会福祉士の存在を知りました。
そこから、地域の高齢者の方や介護を必要とされている方に対して自分から何かアクションを起こせる仕事に就きたいという気持ちと、現場を知り相談・援助の仕事に携わりたいという気持ちが交わり、社会福祉士の資格を取得する背景となりました。
福祉系大学に入学
社会福祉士の国家資格を取得するためには、いくつかのルートがあります。私の場合、社会福祉士の資格を取得するにあたり、まずは社会福祉士の国家試験合格者排出率が高い大学を調べることから始めました。実家から近いかどうかという点は気にせず、福祉系4年制大学の中でも合格者数が1位になっている大学を選びました。
社会福祉学部社会福祉学科に入学し、社会福祉士になるために必要な科目・カリキュラムを修め、3年次には社会福祉実習(相談援助実習・ソーシャルワーク実習)として、地元の社会福祉協議会に受け入れていただき、実習を行いました。 この実習は、現場や過程を実践的に学ぶために必要であり、社会福祉士養成課程の中に含まれているものです。
実際に社会福祉士として働いておられる方に付いて周り、具体的な仕事内容やどのような気持ちで仕事をされているのか、ということについて学びました。
デイサービスや特別養護老人ホームでも実習を行わせていただいたのですが、この時のことがきっかけで、直接介護にもさらに興味を抱くようになり、高齢者福祉にますます惹かれていきました。
社会福祉士受験対策がしっかりと行われている大学でサポート体制も万全でした。大学では、3年次に自由科目として、社会福祉士の国家試験対策の科目が用意されていました。各講義の終わりには小テストなどもあり、ポイントを押さえた学習ができました。
自習室もありましたし、図書室などにも個別ブースがあり、勉強しやすい環境になっていました。また、同じ社会福祉士を目指す仲間が居るというのはとても心強く、高齢者福祉への興味や意欲が高い方々が多かったため、自分のモチベーションも維持しやすかったと思います。
勉強方法
大学の試験対策を受けたり、ひたすらテキストを読み続け、過去問を解いていくようにしました。一問一答を持ち歩くようにし、暇があればそれを見るようにして分からないところをテキストに戻って考え直すようにしていました。
3年次から国家試験に向けて勉強を始め、講義とバイトがない日は寝るまで1日に12時間程度勉強をしていました。私は要領がいいほうではありませんでしたので、毎日コツコツとテキストのページを読み進め、分からないところは必ずその時に調べて何度もノートに書き、覚えるようにしました。
また、当時はまだスマホは普及しておらず、ガラケーのみの時代でした。そのため、流行のSNSやアプリなどもなく、特に依存はしていなかったのですが、勉強中は絶対に電源を切るようにしていました。
国家試験当日は、始まる前まで自分でまとめたノートを見返し、とにかく頭に叩き込むようにしていました。休憩時間に友人と解答を言い合っていたのですが、友人の解答と異なる部分があった時には焦りました。緊張はしましたが、それまでに勉強を重ねたという自信があったため、「落ちそうだ」という大きな不安はありませんでした。
資格取得後
私は介護職として、有料老人ホームを経営する企業に内定をいただき入職し、介護職として働きながら直接介護の知識や技術を学びました。社会福祉士として働く前に現場の実情など知っていたほうが、より良い社会福祉士の働きができると思ったからです。
また、資格を取得したことで、社会福祉士の資格手当をいただけるようになったり、様々な研修に参加させていただけたりと、働きやすい環境に身をおくことができました。
資格を取得することで自分の自信にも繋がりますし、私のように初めは介護職として勤務する際にも役立ちます。社会福祉士の実習中に担当の方が仰っていた、「人間が好きな社会福祉士になってほしい」という言葉を大切に、これからも福祉の仕事に携わっていきたいと思っています。