今回は、介護付き有料老人ホームで働くヘルパー2級の資格を持つ女性介護職員に、仕事内容についてお話しを伺いました。介護付き有料老人ホームの仕事内容や職場環境、さらには介護付き有料老人ホームならではの働き方ややりがいをご紹介します。
目次
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームとは、民間事業者が運営している、食事・入浴・排泄などの介護全般が24時間受けられる施設です。民間の運営のため、費用や細かいサービス内容は施設により異なりますが、医療機関と連帯している施設など、医療体制が充実しているという特徴は共通しています。
かなり安い価格料金設定をしている介護付有料老人ホームがある一方で、入居一時金が数億円に設定されている高級ホテルのような老人ホームもあります。
入居している高齢者は、原則として65歳以上で、介護専用型は要介護度1以上となっていますが、混合型は要介護認定されていない方もいます。また、共同生活になじみやすい方が多いという特徴があります。
介護付き有料老人ホームの仕事内容
有料老人ホームでの介護職の仕事は、入居者様の日々の生活の介護、支援が中心となります。具体的には、朝昼晩の食事介助、施設内外での移動介助、排泄介助、入浴介助、レクリエーションの提供と参加の補助、夜間を含む見守りなどです。必要に応じて外部病院への通院付き添いや日用品の買い物代行も行います。
他の介護施設と違う点は、24時間入居者様のお世話の機会があるということです。
介護付き有料老人ホームの職場環境
大規模ホームの場合、入居者様の介護度に合わせて担当する職員のグループが分かれていることがあります。担当する入居者様の介護度に差が無いと、必要になる介護用具やレクリエーションの内容が揃えられるメリットがあります。
施設には介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取得した先輩もいるため、介護職からのキャリアアップについて考える機会になります。また、看護職から医療や応急手当などの知識を教えてもらうこともあります。
入居者様は1人ひとり個室をお持ちですが、介護度が高く体力が少ない方、介護度の低い方、おひとりで過ごされることが好きな方以外は共有スペースで日中をお過ごしいただいています。日中共有スペースにいらっしゃるのは全体の半数以上の15~20人ほどです。レクリエーションもこの共有スペースで行われます。
担当する入居者様の認知度や行動に合わせて、施設内の扉は二重施錠になっていたり、ダミーのエレベーターボタンがついていたりする場合があります。
介護付き有料老人ホームの1日のスケジュール
9:00 出勤・引継ぎ
出勤後朝礼でホーム全体の情報共有を行います。行事や入居者様の外出、体調の悪い方について共有事項が伝達されます。朝礼後、ダイニングなどの共有スペースで夜勤スタッフが見守り業務をしているので交代します。
入居者様の様子を見ながら、脱水症状予防のためにお茶等をお出しして水分摂取を勧めます。嚥下機能が低下されている方のお茶にはトロミをつけるなどして、介助が必要な方には水分介助に入ります。入居者様から用事を言付かったり、排泄介助や移動介助を行ったりしますが、他の職員と連携して、共有エリアの見守りがいなくならないようにします。
10:00 外出の付き添い・入浴介助
入居者様の中から、通院やレクリエーションに出掛ける方がいます。出掛ける入居者様はだいたい30人中1~5人くらいで、1~3人につき職員1~2人が付き添います。事前に外出予定がわかっている日は外出付き添いのための人員が多めに確保されています。
入浴介助がある日は、入浴担当の職員がその日入浴される入居者様を浴室へ案内します。共有エリアから人が減りますが、見守りを続けながら介護記録を記入します。途中不穏状態になられた方のお話し相手になったり、入居者様同士でトラブルがあれば仲裁に入ったりします。記入がひと段落したら、共有エリアに残った方々相手に介護予防体操などの簡単なレクリエーションを行います。
11:30 昼食
昼食の準備を始めます。ダイニングテーブルを消毒し、必要な方にエプロン等を配ります。職員の人数が足りない場合は、介助が必要な方は同じテーブルに移動していただいて、1人の職員で2~4名の入居者様のお手伝いができるようにします。
配膳車が届いたら、食膳につけられた名札を確認しながら食事を配ります。入居者様の嗜好や嚥下状態に合わせて1人ひとり食事の内容が違います。
13:00 休憩
食事終了後、排泄介助や移動介助に入ります。個室で休まれる方を送り、遅番の人に引継ぎをして休憩に入ります。休憩は休憩室でとり、食事は事前に申し込めばご利用者様と同じメニューのものが食べられます。食事代は給料から天引きされます。食堂メニューを利用する人と持参してくる人の割合は半々くらいです。
14:00 排泄介助・レク
休憩から戻り、午後の排泄介助に入ります。手の空いた職員が共有エリアを見守りながらおやつとお茶を配ります。排泄介助が終わると午後のレクリエーションを行います。
17:00 夕食
夕食の準備を始めます。昼食と同じように行い、食事介助を行います。途中で夜勤の職員が出勤してくるので引継ぎます。
18:00 退勤
今日は夜勤ではないので、早めに帰宅してまた明日に備えます。
介護付き有料老人ホームに向いている人
人をお世話することが好きな人
入居者様の日常生活のすべてにおいて支援や介助の機会があるので、人のお世話をすることが好きな人が向いていると思います。
体力がある人
日中の仕事はもちろん、夜間勤務もあるので体力が必要です。特に夜間は日中より職員が減るので、日中よりも介助に入る機会も時間も増えます。勤務時間中はずっと動き回っていることもあるので、体力が必要です。
優先順位を決めて動ける人
入居者様同士の集団生活の中で勤務することになるので、一度に複数の入居者様を担当したり、介助を頼まれたりします。夜勤中は職員が減るのでさらに一度に受け持つ入居者様が増えます。
常に入居者様の状態を把握し、介助に入る順番や時間を決めて動くと、お待たせする時間が全体的に減らせるので入居者様のストレスの軽減につながると思います。
介護付き有料老人ホームのやりがい
長期間連続したケアを提供できる
入居者様がご入居されているので、日々変わっていく入居者様の状態に合わせてケアも細かく変えて対応していくことができます。
職員同士の連携も必要で、時には難しいと感じることもありますが、支援・介助の結果、入居者様のADLが維持もしくは向上した時はやりがいを感じます。毎日一緒に過ごしてきた入居者様自身の努力も見させていただいていた時はさらにやりがいを感じます。
幅広い種類のレクリエーションを提供できる
比較的大きなホームでは施設側が一丸となって大きなレクリエーションが提供できます。具体的には施設内のお祭りやコンサートなどです。「たまにはこういうのもいいね」と喜んでもらえたときにやりがいを感じます。
「ありがとう」と言われる機会が多い
ご利用者様は毎日の生活をホーム内で過ごされているので、日々の生活の様々な機会に支援・介助が必要になります。ありきたりですが、一仕事するたびに「ありがとう」と言ってもらえるとやりがいを感じます。
介護付き有料老人ホームのエピソード
自分が提案したレクを喜んでもらえたのが印象に残っています。
以前、美容師さんを呼んで行ったメイクアップレクがとても好評だったため、日常のレクリエーションでも何か身だしなみを整えるようなレクができないかと考えました。私ができるのはマニュキアを塗るくらいでしたが、「自分で色を選んで着飾る」ことが嬉しいと喜んでもらえました。それまで会話の無かった方同士が爪の色の話題で盛り上がってくださり、あまり感情を出さなかった方も笑顔になっていたので、嬉しかったです。
身だしなみに関するレクを行うことで、ご高齢の方にも要介護の方にも幅広く喜んでいただけることがわかり、今後も取り入れていきたいと思いました。
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