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「清拭(せいしき)」は、介護現場にて働く方であれば避けては通れない、介護ケアの1つです。
病気、怪我、その日の状態などで入浴ができない入居者様や利用者様に対して、温かいタオルを使用して身体を拭いて清潔にすることを意味します。

 

ですが、ただ単に身体を拭いていればいいというものではありません。
清拭にはさまざまな目的と効果があり、身体を拭く手順ややり方なども理解していなくては、気持ちよくサッパリするはずが真逆の効果を与えてしまいます。

 

ここでは、清拭の目的や効果をはじめ、清拭の手順ややり方、注意点などもご説明していきたいと思います。
入居者様や利用者様に気持ちよくサッパリしていただくためにも、ぜひ読み進めてみてくださいね。

清拭の目的と効果

清拭は、ただ単に身体をキレイにするというような目的・効果があるだけではありません。
清拭の目的としては、以下の5つのものがあります。

皮膚の清潔を保持する

まず第一に、皮膚の清潔を保持するという目的・効果があります。

どのような事情があるにせよ、入浴ができないということは、その日の汚れが身体に付着したままということになります。
特に、おむつやパッドなど使用されている方の場合、陰部の汚れがそのまま感染症などに繋がる危険性もありますので、毎日清潔を保つことが重要です。皮膚の清潔を保持することで、別の病気や感染を予防するという効果も期待できます。

皮膚トラブルを早期発見し、悪化を予防する

2つ目に、皮膚トラブルの早期発見と、悪化の予防の目的・効果が挙げられます。

皮膚がただれている、ケガをしている、褥瘡ができているなど、皮膚のトラブルは実際に身体を見てみなくては分かりません。
入浴できないからといって身体の状態を観察しないままにしていると、以下のような皮膚トラブルを見逃してしまう可能性があります。

 

・ただれ
・湿疹
・褥瘡
・むくみ
・乾燥
・ケガ
・腫れ
・痛み

 

清拭を行いつつ、入居者様・利用者様に身体の痛みや違和感について質問していくと、よりトラブルの発見が早くなります。

リラックス効果を与える

そして3つ目、リラックス効果を与えるという目的・効果もあります。
清拭は、汗をかいたり蒸れがあったりして気持ちが悪い状態を改善し、リラックス効果をもたらしてくれます。

夏場は特に汗をたくさんかき、着替えるだけでもスッキリしますよね。

 

それが清拭ならどうでしょう。

陰部や背中、首回りだけであっても、清拭をおこなうだけで不快感が軽減されます。

ある程度の力を入れて皮膚・筋肉などをさすり刺激することで、疲労緩和の効果が期待できます。
特に、長時間車いすに座っている方や、長時間ベッドに横になっている方にとっては、皮膚と筋肉への刺激は高いリラックス効果をもたらします。

入浴でかかる疲労感を抑える

4つ目に、入浴でかかる疲労感を抑える、という目的・効果もあります。

あなたは、入浴がとても体力を消耗するものだということを知っていますか?

普段何の不自由もなくシャワーを浴びたり湯舟に浸かったりしていることと思いますが、少し身体が思うように動かせないだけで、とても大きな疲労感を伴います。

 

血圧があがったり、移動だけで疲れてしまったり、湯舟に入るだけでとてつもなく体力を消費したりするのです。

ですが、清拭であればそのような体力の消耗がなく、気持ちよくただリラックスできる時間となります。
入浴することはもちろん大切ですが、時にはその疲労感を抑えることも、入居者様・利用者様にとっては必要なのですね。

血行を良くする

5つ目に、血行を良くする、という目的・効果もあります。
清拭は温めたタオルを使用して全身をキレイにしていきますので、身体を温め、血行をよくすることができます。

血行がよくなれば、褥瘡や拘縮などを予防する効果も期待できます。
特に褥瘡に対して血行不良は天敵となりますので、マッサージするようなイメージで清拭を行い、血流がよくなるようにしていくことが大切です。

清拭の準備

清拭の目的と効果をご紹介しましたが、いかがでしたか?
温めたタオルを使用して身体を拭いていくだけで、このような効果が得られるのであれば積極的に行いたいケアですよね。

それでは次は、清拭の準備についてご説明していきたいと思います。

以下、ベッド上にて全身清拭を行う場合に必要となるものを挙げています。

 

用意するもの
・清拭用タオル6枚程度(温めたもの)
・清拭用タオル4枚程度(乾いたもの)
・石鹸
・バスタオル
・バケツ
・ビニールシート
・手袋(介護用)
・着替え

 

熱湯でタオルを濡らして蒸しタオルを作ることもいいのですが、他の方法もあります。

 

・電子レンジで温かいタオルを作り、ビニール袋に入れて蓋つきのバケツに入れる
・使用していない炊飯器に濡らしたタオルを入れて保温しておく

 

上の方法は清拭を行う直前で間に合いますが、やや慌ただしくなります。
下の方法は、常日頃から炊飯器を保温状態にしておく必要があるため、あまりオススメではありませんが、いつでも温かい清拭用タオルを使用することができます。熱湯で作る場合にはバケツに55度程度のお湯を入れておき、都度お湯につけて絞り、使用するようにしましょう。

身体の拭く手順

それでは次に、身体を拭く手順について見ていきたいと思います。

 

手順1.上半身を清拭する

まずは上半身から清拭を進めていきます。

 

*顔
顔は、目頭から目じり、頬は内側から外側、というように、真ん中から外側に向かって拭いていきます。
耳は汚れがたまりやすくなりますので、念入りに拭いていきます。

 

*腕
手首を軽くもち、腕の付け根に向かって拭いていきます。
この時、心臓より遠い指先から、心臓に向かって拭いていくことがポイントです。
肘の内側、ワキなどは汚れがたまりやすいため、念入りに拭いていきます。

 

*胸・腹
首、鎖骨、胸からワキを拭き、胸、腹、と拭いていきます。
女性の場合には胸の下に汚れがたまりやすく、あせもなどが出てしまう場合もありますので、清拭と同時に観察も怠らないようにしましょう。
お腹を拭く際には便秘解消などの効果も期待できるため、「の」の字をかくようにしてマッサージします。

 

*背中
背中は、下から大きく肩のほうに向かって拭いていきます。
腰や肩甲骨のあたりに褥瘡がないかどうか等もしっかり確認しながら拭いていきましょう。

手順2.下半身を清拭する

次に、下半身に進みます。

 

*両足
片足ずつ、拭く側の膝を立て、足首から太ももに向かって拭いていきます。
マッサージするイメージで拭いていくと、とても気持ちがいいですし血行もよくなります。

 

*足の裏や指
膝の裏から足の指、足の裏という順番で丁寧に拭いていきます。
足の指の間やかかと部分も汚れが溜まりやすいため、念入りに拭くようにしましょう。

 

*お尻
お尻の少し上には褥瘡ができやすいため、赤みや異常がないかどうかを確認しながら行います。
お尻は外側から内側に向かって、くるくると円を描くようにして拭きましょう。

手順3.陰部

陰部を拭く際には、身体に使用していたものとは別の、陰部専用のタオルを使用します。

男性の場合には、陰茎から陰のうを拭き、最後に肛門を拭いていきます。
しっかり拭かなくては汚れがとれていない可能性もありますので、念入りに行いましょう。

 

女性の場合には、恥骨から肛門に向けて拭いていきます。
肛門の汚れが陰部につかないようにするために、肛門から陰部に向かって拭くことはやめましょう。

陰部には汚れがたまりやすいため、石鹸で洗い、ペットボトルや専用の入れ物にお湯を入れて流すようにします。
*陰部洗浄の要領です

清拭の注意点

清拭を行う手順をご紹介しましたが、イメージはできましたか?
ベッド上で行う清拭についての手順ですので、利用者様・入居者様にあわせて様々な方法を試してみてください。

清拭には注意しておきたい点がいくつかありますので、最後にご説明しておきたいと思います。
入居者様・利用者様が気持ちよく清拭のケアを受けられるよう、ここから先にご説明します注意点はしっかり守るようにしてくださいね。

 

必ずバスタオルをかけながら行う

清拭は、必ずバスタオルをかけながら行うことが大切です。

バスタオルをかけることには、寒さを緩和する目的と、プライバシーを守り、尊厳を守るという目的もあります。
清拭中とは言え、全身丸見えの状態で拭き続けるのではなく、拭いていない部分にはバスタオルをかけるという配慮は、とても重要です。

カーテンや窓は閉めて行う

カーテンや窓を閉めて、清拭を行うようにします。
例え温かいタオルで身体を拭くとは言っても、濡れたタオルが身体に触れ、そこに隙間風があたるだけでとても寒く感じられます。

体調によっては風邪をひいてしまうこともありますので、必ず隙間風を防ぐためにもカーテンや窓を閉めるようにしましょう。
また、外から見えてしまうことを防ぐという意味もあります。

力を入れすぎない

利用者様・高齢者様の中には、皮膚がとても弱い方もおられますよね。
そのような方の清拭で力を入れすぎてしまうと、皮膚がめくれたり傷ついたりする場合があります。

できるだけ優しく、皮膚が弱い方の場合にはポンポンと触れていくような感じで行いましょう。

食前食後は避ける

入浴ではなく清拭であっても、血圧の変動などは起きます。
血糖値、血圧の変動が起こりやすい食前食後は、清拭を控えるようにしてください。

終わった後は水分補給をしてもらう

終わった後には必ず水分補給をしてもらい、リラックスした状態で休んでもらうようにしましょう。
体力を全く使わないわけではありませんので、ゆっくり休めるように配慮することも大切です。

 

 

これら5つの注意点の他に、大前提として、バイタルチェックで異常がないかどうか確認してから行うことが大切です。
もし、全身清拭が無理そうだという場合には、部分清拭に切り替えるなど、看護師等とも相談しながら決めていくようにしてくださいね。

まとめ

今回は、清拭の方法や注意点についてご説明してきましたが、いかがでしたか?
清拭がただ単に身体を拭く時間ということではなく、様々な効果をもたらす大切な時間であることがお分かりいただけたかと思います。

身体の状態を観察しながら全身を清潔にするという大切なケアの1つですが、同時にコミュニケーションの時間でもあることを忘れてはなりません。

 

羞恥心があることを忘れず、それに配慮した声かけ、明るい話題、笑顔のある清拭の時間となるよう、清拭のやり方を今一度見直し、理解しなおす必要があるかもしれません。

入居者様・利用者様のためにも、正しく理解し実行していきたいですね。

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