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「ボッチャ」というスポーツをご存知でしょうか。ヨーロッパで発祥した重度脳性麻痺者もしくは同程度の四肢重度機能障害者のために考案されたスポーツで、パラリンピックの正式種目です。

 

2016年のリオパラリンピック大会で、日本代表チームが史上初の銀メダルを獲得したことで日本でも注目を浴び、障害のあるひと以外がプレイしたり、日本の企業でもボッチャをプレイしたり協賛するなど広がりを見せています。

 

ボッチャは高齢になっても障がいがあっても、大人でも子どもでも、みんなが一緒に参加し、活動できる「ユニバーサルスポーツ」のひとつでもあり、レクリエーション活動や介護のひとつに取り入れられ、近頃は大変注目されているレクスポーツです。
今回は、介護のためのレクリエーションとしての「ボッチャ」について、着目してみましょう。

「ボッチャ」とは?

ボッチャは、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。

 

ルールはカーリングに少し似ていて、的になっているジャックボールの近くに自分のカラーのボールがいくつあるかで勝敗や点数が決まります。

カーリングとの違いは、的になるジャックボールを動かして、試合の局面を変化させることができるということです。負けていても、ジャックボールを動かすことで試合がひっくり返る面白さもボッチャのルールのひとつです。

 

ボッチャの正式なルールを誰もが楽しめるようにと、ルールやコートをレクリエーション向けに易しくしたものを「レク・ボッチャ」と言い、全国各地でレク・ボッチャや練習の成果を試す大会が開催されています。

 

また、障害のある子どもたちが通う「支援学校」や、老人施設、地域のシニアサークルでもレク・ボッチャが広がってきました。障害のあるなしに関係なく、また年齢や性別を問わず、誰もがすぐに理解できる簡単なルールと、プレイすればするほどわかるボッチャの奥深さに、一度プレイすればだれもが夢中になり、繰返しプレイしたくなるのです。

ボッチャが介護レクにおすすめの理由とは?

体と頭の体操にぴったり

ボッチャはボールを投げたり、転がしたり、蹴ったりするので上肢、下肢の運動になります。

また、プレイ方法やルールは簡単ですが戦術・戦略性が高いゲームのため、どこにボールを投げるのかと戦略を考えながら進めることで頭の運動にもなります。

 

ボッチャをプレイするのは、チーム戦でも個人戦でも構いません。
ジャックボールへ自分のボールをぴったりと寄せたり、敵のボールをうまくはじけたりと、局面が次々と変わります。そのため、みんなで熱くなり「ここを狙っていきましょう」「あ~、狙いがそれちゃった」など一緒にプレイをする人と交流も楽しむことができます。

 

誰でも参加することができる

ボッチャは足が不自由である、立っているのが疲れてしまうなどの場合は、椅子に座ってプレイすることができます。また、手や肩が不自由であれば、足でボールを蹴ってプレイすることも可能です。手も足も動かしにくければ、ランプという勾配具を使ってボールを転がすこともできます。

 

このように、障害や麻痺のあるひとが楽しくプレイできる用意やルールが多いのがボッチャの特徴でもあります。それは、多くのパラリンピックスポーツは健常なひとのスポーツを障害者向けにアレンジしたものであるのに比べ、ボッチャは障害のあるひとのために考えられたスポーツだからなのです。

 

認知症の方や車いすの方、誰でも参加することができるため、介護レクリエーションとして、ボッチャはとても取り入れやすいスポーツだということが理解できるかと思います。

ボッチャをプレイするときの注意点

ボッチャをレクリエーション活動として行うことに特に難しい注意点はありませんが、注意しておきたいことがいくつかあります。

 

詳しいボッチャのルールはコチラ

ボッチャの注意点
1.簡易的でも構わないので、ボッチャのコートを作る。
2.最低限のルールを把握している人が一人でもいること。
3.審判をする人を設け、投げる順や勝敗などが混乱しないように試合の進行をすること。
4.レクリエーション活動のひとつとして行う場合は、ルール違反があった場合でもペナルティを与えず、注意にとどめ楽しくゲームを進める。
5.できればボッチャ専用のボールや用具があることが望ましいが、購入が難しい場合は用具の貸し出しを行っている市区町村もあるので、利用する。
6.体育館でなくても、コートラインを引くことができれば会議室や和室などでもプレイは可能。

どうしてもレンタルや貸出が無い場合は、新聞紙を丸め、赤や青のビニールテープで巻いてボールを作りプレイすることも可能です。ボールに重さがないこと、真ん丸ではないことで、まっすぐに転がらなかったり、思う場所には投げることは難しくなりますが、ルールを知ったり、ボッチャの雰囲気を楽しむことはできます。

 

また、参考までにボッチャ専用のボールや用具を貸し出している市区町村情報を掲載します。

あなたのお住まいのエリアでも貸し出しを行っている可能性があるので、調べてみましょう。

 

・世田谷区
https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/bunka/003/004/d00164884.html

 

・千葉県
https://www.pref.chiba.lg.jp/shoufuku/event/sports/kyogiyougukasidasi.html

 

・神奈川県
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/tz5/prs/r2391624.html

 

・福岡県
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/sporting-goods.html

ボッチャのルールとは?

ここで、簡単にボッチャのルールについてご説明しましょう。

 

詳しいボッチャのルールはコチラ

ボッチャのルール
1.コイントス、またはじゃんけんで先攻後攻を決める。
2.先攻チームは赤のカラーボール、後攻チームは青のカラーボールになる。
3.審判の「ジャックプリーズ」の声掛けがあったら、白い的となるジャックボールをVラインより奥のスペースの、自由な場所へ投げ入れる。
4.続いてジャックボールを投げた人と同じ人が赤いカラーボールを投げる。このとき、ジャックボールに近づけることを目指す。
5.次は青ボールのチームが投球する。ジャックボールの近くを狙う。
6.次は、ジャックボールから距離の遠いチームが投球する。ジャックボールからカラーボールまでの距離を判断するのは審判員の役割なので、プレイヤーはコートに無断で入ってはならない。距離を見たいときは、審判に挙手で見ても良いか聞いてからにする。
7.ボールからの距離が遠いチームがボールを投げていくが、手元にある6球すべてのボールがなくなったら、距離に関わらず相手チームが投球する。
8.両チームすべてのボールを投げ終えたらゲームが終了。審判が勝敗と得点を判断する。
9.1つのゲームを「1エンド」と言い、通常4~6エンドのゲームを行う。レク・ボッチャであれば初めは2エンドから、慣れてくれば4エンドでも十分楽しめる。

障害や麻痺などにより、ボールを投げることができなくても、勾配具(ランプ)を使い、自分の意思を介助者に伝えることができれば公式大会や試合に参加できます。競技では、男女の区別のないクラスに別れて行われ、個人戦と団体戦(2対2のペア戦と3対3のチーム戦)があります。

参照:公益財団法人 日本障害者スポーツ協会

おわりに

介護レクは、楽しく参加できること、脳も体も生き生きとできること、飽きずに持続できることが大切なことでしょう。

 

ボッチャは、プレイするたびに新たな発見があること、ゲームの奥深さがあること、上達したいという気持ちを持てること、人とプレイすることで盛り上がり交流できること、障害や麻痺があってもプレイできること、地域の人との体験会を催したり、大会へ参加したりすることで、地域の人との交流を楽しむことができるなど、シニア世代にとって大切な要素がたくさんあります。

また、ルールや戦術を人に教える、チームで話し合うこともできるため、やりがいも生まれます。

ぜひとも介護レクリエーション活動に、ボッチャを取入れてみてはいかがでしょうか。

<執筆者のプロフィール>
名前:炭本麻美
プロフィール: 障害者スポーツ指導員、北海道ボッチャ協会審判員普及指導員、保育士・幼稚園教諭免許を持ち、障害のあるひとや子ども、シニアの方々と週末はボッチャを楽しみ、指導や普及、大会の審判をしています。障害のあるなしや年齢にかかわらず、誰もが楽しめるレクやスポーツを一緒に楽しむことを通して、笑顔と元気を頂いています。
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