精神保健福祉士をご存知ですか?今回は、精神保健福祉士について、仕事内容から資格要件、適正などご紹介していきます。
精神保健福祉士の仕事内容は?
精神保健福祉士は、精神医学ソーシャルワーカー、通称「PSW」とも呼ばれています。その仕事内容は、精神的な障害がある方ご本人や、その家族の方の相談に乗ったり、一般的な生活を送れるようにするための訓練を勧めたり、就職支援を行うなど、生活する上での全般的なサポートを行うことです。
同じようなソーシャルワーカーのお仕事に社会福祉士がありますが、社会福祉士は福祉全般に関するお仕事を担うのに対して、精神保健福祉士は精神障害を持った方に特化して生活支援を行うお仕事です。
勤務地としては大きく分けて3つあり、医療機関、行政機関、精神障害者施設があります。そのほかには一般的な高齢者施設や学校、企業などに所属することもあります。
精神保健福祉士になるには?
精神保健福祉士になるためには様々なルートがありますが、基本的には、資格取得まで5~6年かかります。
福祉系の大学を卒業した場合、1~2年の実務経験を経て、指定の養成施設にて半年研修を行った後に、国家試験を受験することができます。福祉系ではない一般的な大学を卒業している場合は、同じく実務経験を積んだ後に、指定の養成学校にて1年間研修を行う必要があります。
最後にクリアしなければいけない国家試験ですが、年に1回しか開催されない上に、試験の合格率は60%前後なので、しっかりと準備して臨みましょう。合格者を見てみると、女性の割合が非常に高く、また20代のうちに資格を取得している方が多い傾向にあります。
しかし、近年では30代、40代の受験者数も増えてきており、介護福祉業界でのキャリアアップを目指す女性が増えてきていることが分かります。
精神保健福祉士に求められるもの
まずは前提として、社会福祉に興味のある方です。
精神保健福祉士は精神的障害を持つ方のサポートを行っていく仕事ですが、単に相談に乗るだけでなく、各地域や国で定められている制度を利用した提案も行っていかなければいけないため、そういった社会福祉全般に対して興味を持ち、常に情報収集を行っていなければいけません。
その上で、相談者の方の経済状態や生活状況などを踏まえ、社会的地位を客観的に見つめる冷静さも必要不可欠になります。精神的に障害を負っているからという理由でよそよそしくしたり、変に優しくしすぎたりするのではなく、一人の人間として接することができるのも大切な要素です。
このように接することで、「自分は障害者である前に1人の人間である」ということを自覚することができ、社会的な自立を促すことができるのです。
精神保健福祉士のこれから
将来的に精神保健福祉士という仕事はどうなっていくのか、今後の展望を解説していきます。現在は、主に医療機関に従事する人が多い職種となっていますが、今後は職域が広がっていくことが予測されています。精神的障害を負った人が自立するための支援を行い、それが成功していくということは、そうした人たちが社会に進出し、活躍できる場がますます増えていくことを指します。
そして、支援した人々の職域が広がっていくにつれて、精神保健福祉士の職域も広がっていくのです。最近では学校や一般企業などに従事する方も出てきており、精神的障害に対応していくだけでなく、ストレス対策やメンタルケアを行うことも、仕事の一つになっていくと考えられます。
まとめ
日本はこれまで精神障害を負った方々を社会から遠ざけてきましたが、こうした動きを廃止するために、精神保健福祉士が活躍しています。彼らの活躍もあって、障害を負った方々にとって優しい社会になりつつありますが、まだまだ改善の余地があります。
「社会福祉に興味がある方」、「人と向き合うのが好きな方」、「困っている人を助けたい方」、「自らの視野を広げたい方」、ぜひ、精神保健福祉士を目指してみてください。大変なお仕事ではありますが、人の助けになっていることを強く実感できるやりがいのあるお仕事です。