社会福祉士と社会福祉主事。名前が似ているため、違いを理解しているようで実は分かっていない...。なんて方もいらっしゃるかと思います。今回は社会福祉士と社会福祉主事の違いをご紹介します。
目次
社会福祉士と社会福祉主事の違いって?
社会福祉主事は「任用資格」
「福祉事務所現業員として任用される者に要求される資格であり、社会福祉施設職員の資格に準用されている」と定義づけられています。資格要件があり、かつ任命を受けたという条件下では社会福祉主事と名乗ることができます。
社会福祉士は「国家資格」
社会福祉分野を横断的に網羅して相談業務を行うことが求められるため、公務員をはじめ病院や福祉施設と求人が幅広い資格です。また、社会福祉士の資格を持っていれば、社会福祉主事資格も含むため自動的に任用資格があるとみなされます。つまり社会福祉士は社会福祉主事の上位資格と言えるでしょう。公務員の採用試験に有利、活躍の場が広く、専門性が高いなど取得のメリットが非常に多いのが特徴です。
業務内容はほぼ変わりない
どちらも主に相談支援業務を担当するという大まかな仕事の内容は同じと言えるでしょう。高齢者や障害を持っている方をはじめとした、福祉サービスを必要としている方の相談に応じてアドバイスをするのがお仕事です。社会福祉士の方がより専門性が高く、取得するのが難しいとされています。
社会福祉士とは?
活躍する舞台が幅広い
社会福祉士は介護分野における初の国家資格で、高齢者、障害を持っている方はもちろん、児童福祉や生活保護など福祉分野全般が対象となります。そのため職場も高齢者福祉施設、病院、障碍者施設など幅広いです。社会福祉士を取得していれば、収入面や待遇面の両面から優遇を受けられます。
社会福祉士への道
5択のマークシート方式、全19科目の合格基準は60%程度とされています。社会福祉士は
①福祉系の大学、短期大学、専修学校にて指定科目を履修する
②社会福祉士一般養成施設・短気養成施設を卒業する
このどちらかを満たさなければ国家試験を受験できません。平成27年度の合格率は26.2%と、かなり狭き門ですね。受験資格のどちらを選んだとしても、社会福祉士の資格を取得するには最低4年は確実にかかります。試験は1年に1度ですので、合格するまでには長い時間を要することを覚悟しなければなりません。
社会福祉主事とは?
本来は公務員のための資格
社会福祉関連の資格の中で最も歴史が長く、本来は福祉に関する業務を行政の公務員が担当するために設けられました。今でも、福祉施設には社会福祉主事の設置が義務付けられています。現在では公務員のためのみの資格というわけではなく、社会福祉施設の就職に有利な資格として認識されています。
社会福祉主事への道
一般の大学において、指定科目を3科目以上履修すれば同時に資格要件も満たしていることになり、届を出せば得られる資格です。大学に行かなくても、養成所、通信教育、講習会の受講など道は様々です。通信教育では1年ほど、講習会は280時間ほどの量を修了できれば、取得できます。資格試験はないため、いずれかの条件を満たせば社会福祉主事になることが可能です。
今から資格取得を目指す方は「社会福祉士」を目指しつつ、「社会福祉主事」を第一ステップとして取得することをお勧めします。社会福祉士、社会福祉主事の業務の対象は幅広いため、今後も絶えず需要は高まり、活躍の場が多く用意されています。今後も福祉分野で働きたいと考えている方にとっては資格取得という選択肢はキャリアアップの第一歩となるでしょう。