季節の移ろいを感じることで脳を刺激するレクリエーションを集めました。施設での生活では、どうしても生活が単調になりがちですが、行事レクリエーションで生活を明るく彩ることができます。季節を感じさせる行事レクリエーションは、節目ごとに日々を感慨深く振り返ることに役立ちます。 ただ漫然と日々を過ごすのではなく「ああ、春が来たなあ」「すっかり秋だなあ」など、季節感を感じることが、高齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=人生の質)を高めることに貢献します。
目次
生け花で松迎え
12月13日は『正月事始』の日。昔は門松にする松やおせちを調理するための薪など、お正月に必要な木をこの日に山へ取りに行く習慣があり、これを「松迎え」といいました。
冬でも葉を落とさず青々と茂らせる長寿のシンボルである松や、その他の縁起の良い花材を使いお正月用の生け花を作ってみましょう!
手順
1.いろいろな形の花器(花瓶だけでなく、茶碗や急須、マグカップやじょうろなどでも良いです)、松などの花材、はさみを準備する
2.好きな花材、好きな花瓶を選ぶ
3.花材を切り、花瓶に挿してもらって完成。できあがったら、制作のポイントをひとりずつ説明してもらうのも良いでしょう
効果
・指先を動かすことによって、視覚や触覚の刺激、手指の運動、巧緻性(こうちせい=手先の器用さや巧みに指先を使う能力のこと)の向上、集中力のアップ、思考力のアップ、達成感を得ることができる
・お正月の飾りになる花材を使用して生け花をつくることや、完成した作品をお正月飾りとして施設に飾ることで、季節感を感じることができる
手作りクリスマスツリー
施設によっては、大がかりなクリスマスツリーを飾ることが難しい場合もありますが、紙コップのツリーであれば場所も取らずにクリスマスの雰囲気を出すことができます。
準備する材料を工夫することで様々なツリーが作れます!今回はコップと松ぼっくりの2パターンの作り方をご紹介します。
手順(コップでの作り方)
1.紙コップ、トイレットペーパーの芯、プラコップ、装飾用の折り紙・シールを準備する
2.紙コップに緑、トイレットペーパーの芯に茶色の折り紙を貼る
3.紙コップにプラコップを重ね、紙コップのほうに装飾をしたら完成
手順(松ぼっくりでの作り方)
1.松ぼっくり、絵具やペンの塗料、キラキラモールなどの装飾を準備する
2.松ぼっくりに色付けをする
3.乾いたらモールやビーズで装飾をして完成
効果
・指先を動かすことによって、視覚や触覚の刺激、手指の運動、巧緻性(こうちせい=手先の器用さや巧みに指先を使う能力のこと)の向上、集中力のアップ、思考力のアップ、達成感を得ることができる
・クリスマスツリーをつくることや、完成した作品を施設に飾ることで、季節感を感じることができる
きらきらスノードームづくり
クリスマスに向けての工作なら、スノードームづくりもオススメです!
手順
1.水、空き瓶、ビーズやラメ、クリスマスのキャラクターの装飾などを準備する
2.空き瓶に好きなビーズやラメなどを選んで入れる
3.水を入れてふたを閉める
4.ひっくり返し、水の中でラメがきらきらと揺れていれば完成
用意するものは意外と簡単にそろうものばかりで、力が必要な作業もなく、座ってできてハサミも使いません。だれでも気軽にキラキラのスノードームが作れます。
効果
・指先を動かすことによって、視覚や触覚の刺激、手指の運動、巧緻性(こうちせい=手先の器用さや巧みに指先を使う能力のこと)の向上、集中力のアップ、思考力のアップ、達成感を得ることができる
・スノードームをつくることや、完成した作品を施設に飾ることで、季節感を感じることができる
わくわく雪合戦
雪合戦は屋内でできるテーブルゲームです。座ったままでOKなので、みんなが参加しやすいのが特徴です!
手順
1.新聞紙を丸めたものを雪玉に見立てて手元にたくさん準備する
2.鬼に見立てた的などをテーブルに置き、離れたところから雪玉を投げて的を倒す
的は1つだとすぐに倒されてしまうので、複数用意しておくと良いでしょう。チーム戦にするとより盛り上がるでしょう。
効果
・積極的に上半身を動かすため、リハビリの効果だけでなくストレス解消の効果も期待できる
・運動不足の解消や身体機能の維持・向上につながる
オリジナル年越しそば
そばを打つのは大変ですが、オリジナルそばつゆなら挑戦できるのではないでしょうか?
そばつゆのアレンジ案としては、ネギやゴマ、しそ、梅干し、大根おろし等の薬味から、ゴマダレ、豆乳など変わった味にも挑戦できます
効果
・そばつゆを作るために調理器具を使うことで手や指を細かく動かすことになり、心と体に良い刺激を与える
作業中にコミュニケーションをとる必要があるため、会話による脳の活性化も促せる
紅白歌合戦
白チームと紅チームに振り分けてもOK。年忘れのお祭りですから、それぞれの得意曲をおもいきり披露してもらいましょう。
効果
・披露といった役割を任されることで「自分にできることがある」「期待されている」といった気持ちを持つことができる
・個人が注目されることで高齢者が失いがちな自尊感情を取り戻し、意欲を高めることに役立つ
・歌を歌う際、腹式呼吸を用いるため、心肺機能の向上、口の周辺筋肉のストレッチになり、口腔ケアにつながる
新年会
新年を利用者と共にお祝いします。管理者からの挨拶や、デイサービスの職員やご利用者みんなで新年の抱負などを伝えあったりすると盛り上がります。
高齢になると聴力が衰えたり、喉の筋力が弱まって発語がしにくくなるなどの理由で、少しずつ会話が難しくなってきます。レクリエーションで他の入居者、スタッフなどが集まると、会話をするきっかけになります。
効果
・周囲とのコミュニケーションを活性化する
・発声することが喉のトレーニングになり、会話を楽しむことが脳を刺激し認知症予防になる
ストローで福笑い
手順
1.紙に顔の輪郭を描く
2.目・鼻・口などのパーツを厚紙で作成する
3.目・鼻・口などのパーツをストローで吸い上げて動かし、顔を完成させる
効果
・息を大きく吸う、口をすぼめるなどの動きを伴い口の周りの筋肉を動かすことができる
・ストローを口に咥えることで、口の周辺筋肉のストレッチになり、口腔ケアにつながる
昔懐かし正月遊び
凧、コマ、羽子板、かるた、すごろく、お手玉、めんこなど用意しておき、昔を思い出して好きなもので遊んでもらいます。元気だった頃の昔を思い出すことは、自分に自信を取り戻し、心を安定させることに役立ちます。周囲の人と思い出を語らうことは、楽しいコミュニケーションでもあります。レクリエーションのなかで、お茶を飲みながら語り合う時間を設けるなどしても良いですね。
羽子板はうちわ、羽は紙風船にすると安全に行えます。コマは、折り紙などで形をつくって、つまようじをくっつければ手軽に作れるのでオススメです。このように、それぞれ簡単に手作りすることが可能なため、その準備から一緒に行うと良いでしょう。
効果
・昔を思い出しながら、手先を使ったり集中したりすることで、脳が刺激を受け活性化する
七草がゆをつくる
せり、なずな、ごぎょう(ははこぐさ)、はこべら、ほとけのざ(こおにたびらこ)、すずな(かぶ)、すずしろ(大根)、この7つが春の七草。七草についての学習系レクリエーションで植生や栄養、薬効などについてみんなで学んだあとは、実際に七草を見て触って、ニオイをかいでみるのもおすすめ。
効果
・五感を刺激することで脳の血流もアップ
笑いヨガ
「ハッハッハッ」「ホッホッホッ」と発声しながらやるのが「笑いヨガ」。不思議なもので、楽しくなくても笑い声を真似して声を出すだけで、本当に楽しくなってきます。
手順
1.両手をパーの形に開いて、元気よく手をたたく
2.この手拍子に合わせて、「ホッホッハッハッ」と発声する
3.これを8回ほど繰り返したら、最後はみんなで「イェーイ!」と叫びながら両手でガッツポーズ
ポイントは恥ずかしがらず、思いきり声を出すことです。
効果
・手のひらを刺激することで血行が良くなる
・笑い声を出すことで本当に笑っているのと同じような効果が得られる
節分玉入れ
節分は、職員が鬼になり、利用者による豆まきを行うことが多いですが、豆まきを玉入れゲームにアレンジして実施してみましょう。
手順
1.鬼に扮した職員がかごを頭の上で抱える 2.鬼を中心に円になって囲み、かごをめがけて豆に見立てたボールを投げる
この時、わざと鬼にあてるもよし、かごにいれるもよし。鬼役は様々なリアクションを用意しておくと盛り上がりそうです。
参加人数が多い場合は複数のチームを作り、競争にするのも盛り上がるかもしれません。
効果
・機能訓練になる
バレンタインデー簡単チョコ作り
刻んだチョコレートに温めた生クリームを混ぜて冷やし固める生チョコなら、失敗がなく手軽です。小さなカップに流し入れて仕上げれば、切り分ける手間も要らず、準備や後始末も簡単に。
レクを楽しんでもらうポイントは「自分好みの味」を考えて選べるようにすることです。他には、チョコレートフォンデュも喜んでもらえるかもしれません。柔らかくて食べやすい食材を、温かいチョコレートに付けて食べます。バナナ・イチゴ・マシュマロ・カステラなどチョコレートと相性が良いものがオススメです。
できあがったチョコレートは自分で召し上がってもらってもいいですし、利用者同士で交換してもらったり、ラッピングして好きな相手にプレゼントしても。
効果
・さまざまな調理器具を使うことで手や指を細かく動かすことになり、心と体に良い刺激を与える
・作業中に頻繁にコミュニケーションをとる必要があるため、会話による脳の活性化も促せる
まとめ
レクのバリエーションを広げて、職員も一緒に楽しく心と体を温めましょう!