介護業界で勤務している方であれば、これまでに体験したことのないような難しいケースに遭遇し戸惑いを感じた経験があるのではないでしょうか。ここでは、私が病院で看護助手として勤務していた時に遭遇したトラブルとその解決方法についてご紹介していきます。
食事制限が出来ないCさん
Cさんは糖尿病で、目が徐々に見えなくなっていました。医師からは、これ以上症状が進むと、目が見えなくなり足も壊死していくと言われ、食事制限がかかっていました。しかし、Cさんは食事制限を守ることが出来ず、1人で売店におやつなどを買っては隠れて食べていました。
そのためCさんの病状は全く良くならず、むしろ悪くなっていく一方でした。Cさんに隠れて食べることを辞めるように言っても「私は食べるのが生きがい。食べることができないなら死んだ方がいい!」と言って話を聞いてくれませんでした。
しかし、病院にいるからには食事制限は必須でした。そこで私は医師や栄養士と相談をして、Cさんに無理な食事制限はせずに、まずは現在食べているものから少しでも減らす方向で進めていくことにしました。
また代替品があるものは、カロリーの低い代替品を積極的に選択してもらうようにしました。例えばご飯なら白米の代わりに、一部こんにゃくを利用したご飯を食べてもらうことによりカロリーをカットしました。介護職員としては、やはり食べる楽しみは維持してもらいたいと考えていました。
医療面と方向性をすり合わせて対策をしていくことによって、Cさんはストレスを感じることなく食事制限をする事が出来たのです。
病院は医療の現場ですので、介護施設のように生活に重きを置いていない場合があります。昔の病院と比べると生活の質は随分改善されてきましたが、まだまだ介護施設には及ばないように思うこともあります。そのような環境の中で、介護職員として出来るだけ利用者様の生活の質を向上させていくためには、様々な工夫が必要です。