待ったなし! 2025年問題に向けて社会福祉士の需要拡大

2025年問題とは、約800万人の団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になり、超高齢化社会に突入する問題です。厚生労働省によると、日本の国民の約5人に1人が75歳以上になる見通しです。医療、介護、福祉サービスの整備が急務である中、多岐に渡り活躍の場がある「社会福祉士」への期待が高まっています。

社会福祉士とは

心身に障害を持っている人や、環境上の理由で思い通りの生活が送れない人の福祉に関して、相談員として専門的知識をもって助言や指導を行うお仕事です。社会福祉士は高齢者や障がい者にとどまらず、虐待問題のある家庭や低所得者など幅広い社会的弱者と呼ばれる人々をサービス対象としています。ですので、求められる職場は各種の高齢者福祉施設、身体障がい者施設、知的障がい者施設、児童福祉施設など多岐に渡ります。

資格は国家資格。受験資格は、高卒後、一般の大学または短期大学を卒業後、実務経験ののち、養成施設(社会福祉士養成校)で1年以上の履修や任用資格従事5年以上など。他、通信教育で受験資格を目指す方法もあります。

合格率は平成29年で25・8%。過去10年の合格率の推移は、平成25年の18・8%が最低で、平成20年の30・6%が最高。

実務経験だけでなく、学校で専門知識を学んだ人が受験するにも関わらず、合格率が低いのは、数年分の過去問対策だけでは合格できないほどの知識を問われるからです。

社会福祉士の給料 独立開業もできるが

国家資格の社会福祉士の給料はどのくらいなのでしょうか。

厚生労働省の統計調査を見ていきましょう。

・初任給

大卒(4年制)…18~20万円

その他…15~18万円

・常勤の平均給料

平均月収…25~34万円

平均年収(ボーナス込み)…320~460万円

役職が付けば、上記から月額3~5万円の収入アップが見込めるのが一般的です。

また、社会福祉士は独立開業が可能です。

現場で実績を積み、要件を満たし、日本社会福祉会の名簿に登録すると独立開業ができる仕組みです。

ごく一部には、1,000万円を超える年収の人がいますが、安定がしづらい面があり、人件費、その他に出ていくお金が多く、年収500万円前後が多いようです。

社会福祉士と成年後見人

また社会福祉士は、成年後見人になることも可能です。

成年後見人は、認知症や知的障害などの理由により、財産の管理や公的なサービスや施設入所に関する契約を行うことが難しい人に対して、権利や財産を守り安心して暮らせるようにお手伝いをします。つまり成年後見人は、判断することが難しい方に代わりに判断し、日常生活に関すること以外の全ての法律行為を代わりに行います。

法定後見制度での後見人になるには、家庭裁判所から「人格見識ともに適任」と選定される必要があります。

そのためには、まず日本社会福祉士会の正会員登録をおこない、成年後見人養成研修を受講後、権利擁護センター「ぱあとなあ」の成年後見人等候補者名簿の登録をおこなうことが必要となります。

成年後見人の報酬は高いことで知られていますが、お金は約1年後にしか入金されません。開業にあたり企業の体力が必要です。リスクが高いと言え、おすすめできません。

2025年問題を控え、社会福祉士の社会的地位の向上は間違いないと見られています。

それにともなって、職員を大事にしてくれる病院や施設では、給料の上昇や福利厚生、職場環境の改善が期待できるでしょう。

社会福祉士のキャリアアップ

社会福祉士とは、働く職場の数や種類も多く、困った人たちの大きな力になるので、やりがいの大きな職業です。

夢を持ち、今の仕事についても、やはり生活をしていかなければなりません。家族を養わないといけません。

上記の平均給与を見て、自分の給料と差がなかったでしょうか。

介護や福祉関係の職業は、同じ仕事をしていても職場で給料の差が大きいと言われています。

社会福祉協議会や県庁、役所などの自治体に勤める社会福祉士の給料が高いだけでなく、民間の病院や施設でも給料だけでなく、働きやすさ、待遇、福利厚生など大きな差があります。

初任給はどこも似たような額面ですが、年齢にともない給料アップが見込めない、休日が取れていない、残業が多すぎるなどお悩みが解消されないのならば、キャリアアップのために良好な職場選びを検討してはいかがでしょうか。

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