全身性ガイドヘルパーとは
全身性ガイドヘルパー、は介護保険ではなく障害者を対象とした移動支援に従事する者で、全身性障害者の外出サービスを行う際に必要な資格です。
移動支援は、各市町村の地域生活支援事業と呼ばれるサービスの一つで、市町村ごとにサービスの単価も違えば必要な資格も違います。
多くの地域では、介護職員初任者研修やホームヘルパー2級以上を取得していれば、知的障害者の移動支援を行うことができますが、全身性障害者の移動支援は、全身性ガイドヘルパーを取得する必要があることが殆どです。
全身性ガイドヘルパーの仕事内容は?
全身性ガイドヘルパーが行う移動支援での外出は、介護保険や居宅介護では認められていない、生活を楽しむためのものです。
例えば通院や買い物同行などは介護保険、居宅介護で認められていますが、散歩やコンサート、カラオケや外食等は生活に必要でないと判断され、認められていません。
しかしながらどんなに障害があっても、人生を楽しんだり、社会に参加することは必要です。
そのための外出介助を行うのが、ガイドヘルパーの仕事です。その中で「全身性」と名が付く移動支援は、車イスに乗られている方や、歩行が困難で見守りや一部介助が必要な方が、利用されるサービスです。
そのため、仕事内容は多岐に渡り、近くをぐるりと散歩するだけのこともあれば、1日かけて遠出したり、イベントに参加したりすることもあります。ヘルパーが旅行に付き添うこともあります。
その場合、ヘルパーの分の交通費やイベント等の入場料等が必要になりますが、それらは利用者様が出すことが前提です。
移動支援の利用者は身体障害者手帳を持っているので、交通費やイベント入場料など、割引になることが多いです。忘れずに必ず提示し、利用者様の金銭的負担を減らすようにしましょう。
但し、ヘルパーの食事に関しては、ヘルパーが自分で支払う事業所と利用者様が負担する事業所に分かれています。
障害のある方が外出を楽しむサービスですので、ヘルパーも介護をしながらも一緒に楽しむこと、これが大切であると思います。
取得方法・勉強方法
前述しましたように、移動支援従事者の従事要件は市町村ごとに異なるため、必ずしも資格取得が必要とは限りません。
しかし、全身性ガイドヘルパーの資格が必要とされている場合は、「全身性障害者移動介護従業者養成過程」を受講します。概ね16時間の研修は3日に分けて行われ、障害者(児)について学んだり、移動介護技術の基礎を学んだりします。
最終日には公共交通機関を利用し外出を行います。車イスを押して電車に乗り、外食し、道を歩く、実際に外に出ることで、こういった場合にはどう対応すればいいかを学びます。
きちんと出席していればほぼ問題なく資格が取得できますし、試験があるわけではないので、資格取得の難易度はそう高くはありません。
全身性ガイドヘルパーになるには
移動支援は、行政と契約を結んだ訪問介護事業所が行っています。
訪問介護事業所は、障害福祉サービスだけを行っている事業所、介護保険だけの事業所、どちらも行っている事業所と様々ですが、移動支援だけを行っている事業所というのはありません。
そして、障害、介護保険は行っているけれども、移動支援は申請していない事業所というのも少なからず存在します。そのため、ヘルパーとして働いた先で移動支援も行い、尚且つ全身性障害者の移動支援の依頼があれば、資格を取得し外出サービスを行います。
全身性ガイドヘルパーになるには、まずはこういった移動支援を行っている事業所を探す必要があります。また、ガイドヘルプのみの仕事をするということはなかなか難しいので、他の訪問介護の仕事も行えるように、初任者研修やヘルパー2級以上の資格も取得しておきましょう。
取得後
私は訪問介護事業所のサービス提供責任者として働くにあたり、この全身性ガイドヘルパーの資格を取得しました。
介護職の経験も長かったですし、介護福祉士の資格も持っていたので、初めは「今さらこんな資格取らなくてもいいのにな」と思っていたのですが、改めて障害者の知識を学べたことや、外出の際の注意事項を知ることができたので、その後の仕事にとても役立ちました。
それまでの介護の仕事ではほとんど屋外に出ることはありませんでしたし、電車に乗る機会もほとんどなく、改めて車イスを押して屋外に出る方法をきちんと学ぶことができました。
私が働いていた事業所はこの移動支援の需要が多くあり、沢山の利用者様と外出をしました。実はこの移動支援は、単価の問題や長時間ヘルパーが拘束されることから、申請を出していない事業所が意外と多いのです。
しかし、障害のある方も、外食したりカラオケに行ったり、時には電車に乗って買い物に行きたいというのは当たり前の願望です。そういった外出の際は、家の中では見られないような笑顔を多く見ることができます。
ヘルパー自身も楽しむことのできる仕事ですので、ぜひ多くのヘルパーに全身性ガイドヘルパーの資格も取得してもらって、障害のある方も楽しく生活できるお手伝いができればいいなと思っています。