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介護の現場において、最も重要なことの1つと言われている声かけ。声かけが上手くいき、コミュニケーションを図ることができていれば、信頼関係も築きやすいです。しかしその一方で、一歩間違えてしまえば、介護への抵抗につながってしまうということも。頭では分かっていても、実際に行動に移すとなると、声かけを難しく感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、どのように声かけをしたら良いのか悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。今回はそんな介護現場での声かけの重要性を再確認し、声かけのポイントや会話例を、症状別・シチュエーション別にご紹介します。

どうして「声かけ」が重要なの?

そもそも、声かけはどうして重要なのでしょうか。それは、介護業務は何事も、声かけから始まるからです。食事や入浴、排泄といった日常生活の介助もとても大切です。ですが、その前には必ず声かけが入ります。身体に触れる前に「△さん、今から○○しますよ」と伝える、「食事の準備ができましたよ、食べますか?」「今日の体の調子はどうですか?」といった意思確認なども声かけにあたります。これから何をするのかをしっかりと伝えることにより、利用者様は今から何が起こるのか理解でき、安心して介護を受けることができるのです。

しかし、ただ単に声をかければよいというものではありません。例えば認知症の方には大きな声で話しかけられることに不安を覚える方もいらっしゃいます。ですので、それぞれの方にあった声かけが重要になります。

意識したい「声かけ」のポイント!

「声かけ」は最低限のマナーを守りましょう!

声かけは利用者様とのコミュニケーションを始める最初のツールです。言葉遣いなど、最低限のマナーを守れていない声かけでは、それだけで相手に不信感を与えてしまいます。利用者様の中には、「どんな人が介護をしてくれるのかな?」と不安な気持ちを抱えている方もいるかもしれません。些細な言葉遣いや表情からも感情が相手に伝わるものだと考えて、気持ちよく声かけをしましょう。

ゆっくり、はっきりを心がけて「声かけ」しましょう!

利用者様は年齢と共に身体の機能が低下していきますが、聴力も同じく弱くなります。例えば「言葉を理解するのに時間がかかる」、「高音が聞こえにくくなる」、「小さな声が聞き取りにくくなる」といったことです。声のトーンをやや高めにすることは安心感を与え、ゆっくり話すことで言葉を理解しやすくなり、ハッキリ話すことで聞き取りやすくなります。

相手の特性を見極めて「声かけ」をしましょう!

人それぞれ声質にも好みがあります。また、耳の遠さ、身体の不自由さやその症状の違いによっても、声かけを工夫していった方が、より利用者様に安心感を与えられます。手を握るなどの言葉以外のスキンシップを取り入れると、安心するといった方もいらっしゃるので試してみてください。

利用者様それぞれの症状に合わせた「声かけ」とは?

認知症の方向けの「声かけ」

一言に認知症と言ってもその重度によって状況は変わりますが、一貫して、相手を安心させてあげられるような声かけが必ず必要です。ここがどこで、今何をしていて、何のために話しかけているのかを、より「ゆっくり」「はっきり」伝えるように意識しましょう。また、大きな変化があると混乱を招く恐れがあるので、普段の生活リズムを変えずに、定期的に声かけをすることが大切です。

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視覚障がいのある方向けの「声かけ」

視覚障がいのある方は、その場の状況を理解するのに、耳からの情報が頼りです。そのため声かけがより一層重要となります。しかし、突然後ろから大きな声で声をかけるのは、正しい声かけではありません。視覚障がいのある方と接する時は、まず、正面に立って、気配を感じてもらってから「ゆっくり」「はっきり」声をかけましょう。その際、自分の名前を名乗ってから会話を始めると、より安心感を与えることができます。介助等の際に身体に触れる時も、必ず声かけからスタートすることが必要です。

シチュエーション別「声かけ」の会話例

挨拶の「声かけ」

「○○さん、おはようございます」

「体調はお変わりないですか?」

「気持ちよく眠れましたか?」

「今日は良いお天気ですよ」

「今日も一日、よろしくお願いします」

「ゆっくりお休みくださいね」

「また明日もよろしくお願いします」

朝の挨拶は、その日一日の始まりとなる大切な声かけです。お互いに、気持ちよく一日をスタートできるように、相手の名前を呼んで、元気に挨拶をしましょう。就寝時や帰宅時の挨拶も同様です。「今日は一日楽しかったな」と思ってもらえるように、最後まで気を抜かずに笑顔で挨拶することが大切です。

食事の「声かけ」

「お腹は空いてきましたか?そろそろお食事の時間ですよ」

「どれが好きですか?」

「今日のメニューは○○ですよ」

「ゆっくり食べてくださいね」

「○○さんの得意料理は何ですか?」

「少し食べにくかったですか?」

食事の摂取量が減ってしまわないように、「食事の時間が楽しみ!」と利用者様に思っていただきたいですよね。メニューの説明から会話を広げたり、認知症等の方には特に、何を食べているのかしっかり伝えるようにしましょう。食事の形状に問題がないか等も、目で確認しながら声をかけてみると、より利用者様に安心して食事を楽しんでもらうことができます。

排泄の「声かけ」

「お手洗いが空いてますので、良かったらどうですか?」

「お手洗いを済ませてから、お部屋でゆっくりしましょう」

「ちょっとチェックしますね」

「下着を交換しましょうね」

「ズボンを下ろしますね」

「寒くありませんか?」

排泄介助の時の声かけは、利用者様の自尊心を傷つけないような工夫が必要です。ニオイや汚れのことには触れないようにしましょう。「恥ずかしい思いをした」と感じさせてしまうと、排泄を我慢して便秘になってしまうこともあるので、注意が必要です。

入浴の「声かけ」

「○○さん、お風呂の時間ですよ」

「今日はちょっと冷えるので、少し温まっていきませんか?」

「シャワーをかけますね」

「お湯の温度は熱くないですか?」

「腰を支えているので、安心してくださいね」

「ゆっくり立ち上がりましょう」

利用者様の入浴拒否に苦労しているという介護職員の方もいらっしゃるのではないでしょうか。そのような場合には、「お風呂」や「入浴」という言葉は使わずに、「少し温まっていきませんか?」や「今日は沢山お散歩したので、ちょっとさっぱりしませんか?」と言って誘い出したり、「○○に効果があるお湯が入ったみたいですよ」と声をかけてみて下さい。また入浴時には、「今日も安心してお風呂に入れた」と思っていただけるような声かけを意識しましょう。

レクリエーションの「声かけ」

「前回もみなさんで盛り上がった、○○をやりますよ」

「○○さんも一緒にどうですか?」

「○○をしたいのですが、人数が足りなくて、、、助けてくれませんか?」

「○○さん、良いですね」

「○○さんが楽しそうで、私も元気になれました」

興味が沸くような声かけがレクリエーションの導入でとても大切です。また内容の説明をする時は、イメージをしやすい表現や動作を使うように心がけると伝わりやすいです。誘い上手・ほめ上手になって、利用者様と一緒に楽しみましょう。

こんな時「声かけ」を忘れていませんか?

初めは意識して声かけをしていても、仕事に慣れるにつれて忘れてしまっているという方も少なくないと思います。その原因の1つに介護職員が利用者様に対して「介護をしてあげている」、「お世話をしてあげている」といったような気持ちになってしまってしるからだと考えられます。介護サービスは本来、利用者様はお客様で、介護職員は従業員という関係で成り立っています。慣れや仕事の効率化のために、必要以上の声かけをしなくなりがちですが、もう一度初心を思い出し利用者様目線で考えてみましょう。

声かけはいつどの場面でも必要とされます。利用者様に安心していただくためにも、言葉遣いやマナーなど最低限守るべきことは意識をして実践しましょう。笑顔を忘れず、声のトーンは「ゆっくり」「はっきり」を意識して、利用者様と良好な関係を築いていきましょう。

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