【具体例付き】1~10年目ぞれぞれの介護職員の目標の立て方

年数ごとの介護職員の具体的な目標例についてご紹介します。
ご自身が目標設定される際に、ぜひ参考にしてみてください。

 

新人・中堅・ベテランのキャリア別介護職員の目標についての考え方は、こちらをご覧ください。

目次

1年目の介護職員の目標設定

1年目はまず、業務を覚えていくことからスタートします。目安としてはだいたい3か月で日常業務に慣れ、全体の流れを理解していきましょう。
1年目は仕事ができなくて当然です。上司に叱られ、同僚に迷惑をかけてしまうことも多いでしょう。しかし、そこで仕事ができないと落ち込むのではなく、勉強と振り返りを繰り返していきましょう。その日に学んだことをメモし、しっかりと復習しましょう。

また利用者様の名前を覚える、元気に挨拶するなど、自分にできることを精一杯頑張ってみましょう。

1年目行動:知識・技術・状況判断などについて

・利用者の身体状況を正しく理解する
・利用者に自ら関わりながら、相手への理解を深める
・利用者1人1人の状態把握ができ、体調不良や変化に気づくことができる
・介助の基本技術を理解し、安全に介助をすることができる
・利用者の様子観察ができ、基本記録(食事・排泄・バイタル)、ヒヤリはっと の記録が正確に書ける
・現場で起きた事実を理解し、報告・連絡・相談をする。

コミュニケーションやマネジメントについて

・自分から積極的にコミュニケーションを図ることができる
・あいさつや笑顔を大切にして適切な言葉で利用者との対応ができる
・利用者の話を同じ目線でしっかり聞くことができる
・上司からたのまれた仕事の終了時に報告ができる

自己成長や研修について

・新任研修(事業所施設の内部研修・外部研修への参加)
・業務マニュアル研修(内部)
・介護保険制度についての基本的な理解
・介助法の研修 記録の書き方
・コミュニケーション(介護職向け)の書籍を2~3冊読んで学ぶ

取得したい資格

・初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
・福祉用具専門相談員

目指したい職種

一般・初級スタッフ
上司の具体的な指示、業務マニュアルを基にもとに日常業務が標準的に実行できる

2年目の介護職員の目標設定

知識・技術・状況判断について

・利用者の体調不良や変化に気づき、どう対処したらよいか考えることができる
・移乗、移動時の利用者個々の安全を第一に考える
・緊急時の初期行動を把握し、対応ができる
・上司からの指示を受けて冷静に行動することができる
・チームとしてスタッフの個々の役割を理解し仕事の分担の把握ができる
・スタッフの動きに気づき、違っていたらアドバイスやフォローができる

コミュニケーションやマネジメントについて

・利用者の思いをくみ取ることができる
・利用者の特徴に応じた対応ができる
・ご家族の悩みや思いを受け止める事ができる
・自分の考えや気持ちを正しく伝えられる
・スタッフ同士の連携がはかれる
・職場の雰囲気を大切にできるコミュニケーションができる

自己成長や研修について

・介護技術、高齢者の特性についての研修
・認知症ケアに関する研修、講習会へ参加し認知症ケアについて理解する
・中堅スタッフ研修(外部研修)の参加
・ターミナルケア 高齢者の疾病に関する書籍を読む

取りたい資格

・実務者研修
・福祉用具専門相談員
・社会福祉主事任用

目指したい職種

中級スタッフ
上司の具体的な指示、自ら主体的に日常業務が標準的に実行できる

3年目の介護職員の目標設定

理想:業務について自らが判断し、実行する。チームケアを意識する

知識・技術・状況判断について

・業務全般を把握し、必要に応じて指示できる
・利用者の年間生活パターンを理解し、利用者への理解を深める共に、柔軟な対応をとることができる
・チームの要を意識して主任を補佐し、上司からの指示を受け、他のスタッフへ伝達できる
・担当する業務に責任を持ち、事故やトラブル、不具合などを報告し、再発防止に努める

コミュニケーションやマネジメントについて

・利用者と積極的にコミュニケーションをとり、他のスタッフと情報を共有することができる
・職場の雰囲気を整えることができる
・上司、同僚、後輩のパイプ役になることができる
・その日の大切な、必要な活動報告が的確にできる
・相手の言葉から何を望んでいるのかくみ取り、要望に応じた的確な対応ができる
・全スタッフからの声を貴重な意見と受け止め、業務に生かすことができる

自己成長や研修について

・自らの技術の向上を意識して常に学び続ける姿勢を持つ
・他の市町村、都道府県、民間主催の研修に参加し知識と技術、人脈つくりを図る
・苦手なことにも積極的に挑戦する
・マネジメントに関する書籍を読む

取りたい資格

・実務者研修
・認知症介護実践研修(実践者研修)
・社会福祉主事任用

目指したい職種

副主任、サブリーダー
上司の一般的な指示監督のもとに日常業務、その他状況判断、経験判断主任補佐業務などの必要な業務の実行ができる

4年目の介護職員の目標設定

知識・技術・状況判断について

理想:現場業務の実践モデルとなることができる。

行動:自分の担当範囲の業務について、他のスタッフの課題を明らかにし、指導でき
・問題解決のための対策を考え、スタッフ間でも共有する

・知識・技術、状況判断などについて
・利用者への介助、コミュニケーション等業務の中で、気づきをもち、積極的に行える
・各行事等(会議)において、自らの意見が述べられる
・業務改善の提案と新たな提言、発案ができる
・一日の業務がスムーズにできるよう話し合える
・業務全般を把握し、必要に応じて指示できる
・利用者の年間生活パターンを理解し、利用者の特性をとらえることが出来る

コミュニケーションやマネジメントについて

・利用者の日頃の思いを代弁して、発言を促すことができる
・利用者の状況を把握したコミュニケーションをとることができる
・新任スタッフ、関係スタッフにコミュニケーションの取り方を指導できる
・利用者と積極的にコミュニケーションをとり、他のスタッフと情報を共有することができる
・他の部門、スタッフからの意見を受け止め、適切な業務内容にしていく

自己成長や研修について

・これまで経験した知識、技術を他のスタッフと共有し、実行できる
チームケアに関する研修や書籍
相談業務(ソーシャルワーク)、マネジメントについての研修
介護職員等によるたんの吸引等の実施のための研修

取りたい資格

・介護福祉士
・社会福祉主事

目指したい職種

主任、リーダー 指導職

幅広い業務、変化の多い業務にて専門的な知識や判断を要する業務、主任としての監督業務が行える。

5年目・6年目の介護職員の目標設定

知識・技術・状況判断について

理想:介護業務、相談業務の幅広い業務理解と現場スタッフへの育成、指導

行動:知識・技術、状況判断などについて
・他のスタッフにも必要な利用者の情報を適確に記録に残すことができる
・課題解決のための対策を考え、スタッフ間でも共有する
・業務上の危険予測に基づいた行動ができる
・安全衛生・防火、避難訓練に基づき、他のスタッフに指示ができる
・介護サービス計画書(介護計画書、指示書が作成できる)

コミュニケーションやマネジメントについて

・業務目標を設定し、上司と相談しながら目標を達成する
・チームワークを意識して仕事を進める
・打合せや会議で司会進行を務め、それぞれの意見、発言をまとめる
・施設長や他のスタッフの指導、助言、注意を真摯に受け止め対処する。
・自己の業務の進め方を常に振り返り、反省すべきところは素直に報告する勇気をもつ。

自己成長や研修について

・新任、その他スタッフが苦手な業務やコミュニケーションについて把握し、苦手克服のための反復練習やコツを教える。
・専門的知識や人間性を高めるための研修に積極的に参加し、資質の向上に図る
・新人・中堅スタッフ研修、介護技術の講師

取りたい資格

社会福祉士
認知症介護実践研修(実践リーダー研修)

目指したい職種

サービス提供責任者、生活相談員、介護部門責任者
職種の内容:日々変化のある利用者の状況、スタッフの体制について、臨機応変な判断を要する現場の責任者として業務をおこなう。

7年目・8年目の介護職員の目標設定

知識・技術・状況判断について

理想:施設運営、現場業務の責任者を意識した業務の実施
行動:業務目標を設定し、報告、連絡、相談の連携を行いながら、目標達成のための助言、支援を行う、現場スタッフへの業務の達成感や個々の目標を与えるための助言、支援を行う。

 

・相談業務を中心に情報収集、発信力、先見性、計画構築力などをもつ

・知識・技術、状況判断などについて
・業務の収支予算に基づき業務を行う
・自己の役割の認識を理解し、課題を明確にする
・各事業所の計画書に基づき担当ケアマネとケアプランの交渉ができる
・所属する施設、事業所の魅力を外部へ伝えることができる
・コミュニケーションやマネジメントについて
・利用者・家族・スタッフから受けた情報を総合判断し、関係各所との円滑なコミュニケーションを図る
・チームケアの責任者として現場スタッフが業務に集中できる環境整備を整える

自己成長や研修について

・介護以外の関連する専門分野にも幅広い知識意識をもち、利用者の生活相談援助に努める
・知識や技術を基に研鑽を重ね、業務改善へのアプローチができる
・営業に関する研修 各種研修企画、実行
・異業種マネジメント研修への参加
・行政機関、自治会、民間企業など地域の関係諸団体との交流会への参加

取りたい資格

・社会福祉士
・介護支援専門員
・認定介護福祉士
・防火管理者

目指したい職種

副施設長、副ホーム長
職種の内容:施設の方針に基づいた目標達成に向けて現場スタッフの力を結集させる業務、相談業務、新規業務や対外的な会議(サービス担当者会議)の参加などの業務

9年目・10年目の介護職員の目標設定

知識・技術・状況判断について

理想:施設の円滑な運営、管理者、経営者としての意識向上

行動:法人施設の経営状況を理解し、問題について対策を考え、実行できる
事業計画、予算の作成、運営・管理

 

・福祉動向の積極的な把握
・危機管理意識をもつ

・知識・技術、状況判断などについて
・法人の現状を認識し、経営改革を実施する中で理念、方針の徹底、構築を図る
・自立性、自己管理、多面的な視野と知識をもつ
・職員の職種・職層ごとに必要な技術知識の水準をたかめる
・法令遵守(コンプライアンス)を意識して安全で信頼されるサービス提供の実現を行う
・効率的で柔軟な経営を実現するために必要な目標を設定し、指導、助言、注意にあたる

コミュニケーションやマネジメントについて

・常に傾聴の姿勢にて円滑なコミュニケーションが図れる環境を作る
・法人組織図、施設組織図に基づいた透明性のある施設事業所の運営を行う
・現場部門の業務について自らの責任とするとともに結果について責任を持つ。
・施設事業所の諸問題や責任を部下や関係スタッフに責任転嫁しない
・総括責任者として法人内外の関係者に対して常に誠意のある態度でのぞむ

自己成長や研修について

・あらゆるリスクを想定して冷静な対応が出来ることを意識する
・自治会の会合の参加、お祭りの参加など地域社会とのネットワーク化を図る
・災害、防災についての研修の参加
・外部研修への参加の推進

取りたい資格

・認定介護福祉士
・主任介護支援専門員
・防火管理者

目指したい職種

施設長 ホーム長、エリアマネージャー
施設事業所の基本方針に基づく総合的な施設運営、経営管理業務を行う。

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