
「これからユニットリーダーに昇格するけど、まだ具体的な仕事内容がイメージできない」「職員をうまくマネジメントしていけるか心配」など、いざ役職に就くとなると、責任も増えるため不安に感じるという方も、多いのではないでしょうか。
ユニットリーダーは重要なポジションで、利用者さんにより良いケアを提供するうえでも、大切な役割を担っています。
本記事では、ユニットリーダーの仕事内容や必要な資格、向いている方の特徴について、紹介します。
ユニットリーダーとして、今後活躍していきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ユニットリーダーとは

ユニットリーダーとは、ユニット型の特養や老健、グループホームなどで、現場のリーダーを担う役職のことをいいます。
利用者さんのケアを行うだけではなく、職員のシフトを作成したり、管理をしたり、マネジメント的な業務をおこないます。
介護職員と施設長との間で業務を担う、中間的な立場ですが、介護職としての比重が大きいケースや、管理職としての比重が大きいケースなど、役割は施設によってまちまちです。
担当しているユニット内で問題が発生した際には、迅速な対応が求められるため、ユニットリーダーには高い知識やスキルが必要です。
ユニットリーダーとして働くには、目の前の仕事だけではなく、広い視野を持って業務に取り組むことが大切なのです。
ユニットリーダーの仕事内容

ユニットリーダーの仕事は多岐にわたりますが、代表的な内容を3つ紹介します。
- 介護職員のシフト作成
- 新人職員の教育
- ユニット内のイベントやレクリエーションの企画
1つずつ見ていきましょう。
介護職員のシフト作成
職員の中には、子育てをしながら勤務している方や、体調面の理由から日勤を希望される方がいたり、逆に多めの夜勤を希望される方もいます。できるだけ個々の事情に配慮した調整が必要です。
しかし、すべての希望を優先してしまうと、配置のバランスが崩れ、利用者さんへのサービス提供に支障をきたす場合もあります。
そのため、シフトを作成する場合は明確なルールを設けることが望ましいです。
例えば「希望休は月に2回まで」など、具体的なルールを設けることで、公平性が保たれ、職員からの不満も起きにくくなります。
利用者さんへ適切なケアを提供するため、職員の働きやすさを叶えて、長期的に定着をしてもらうためにも、シフト作成はユニットリーダーにとって重要な仕事です。
職員の教育
職員ごとに経験値や介護技術が異なるため、それぞれのレベルに応じた指導を行うことも、ユニットリーダーに求められます。
介護業界は慢性的な人手不足が続いているため、異業種からの転職者も歓迎している施設が多く、未経験の方には、基礎から丁寧な指導が必要です。
ユニットリーダーに昇格して、初めて指導する立場になった場合は、自分が新人時代に受けた指導方法を思い出し、参考にしてみるのもよいでしょう。
一方的な指導ではなく、定期的に面談を行うことも重要で、仕事の習得状況の確認やメンタルケアに繋がります。
ユニット内のイベントやレクリエーションの企画
利用者さんのQOLを向上させるためにも、イベントやレクリエーションの企画は、ユニットリーダーにとって重要な業務です。
施設での生活は、同じことが続くため、お花見や夏祭り、クリスマスなど、季節を感じるイベントを定期的に開催するのがおすすめです。
さらに、イベントやレクリエーションで体を動かしたり、歌ったりすることは、身体機能や認知機能の維持・向上にもつながります。
利用者さんと職員の距離も縮まるため、施設内の良好な人間関係を築く機会にもなります。
より良い関係性を築くためにも、イベントやレクリエーションは積極的に企画しましょう。
ユニットリーダーに必要な資格

ユニットリーダーになるための法的に定められた必須資格はありませんが、施設によっては、介護職員初任者研修や介護福祉士などの、介護関係の資格が必要な場合もあります。
厚生労働省の運営基準では、「ユニットごとの常勤のユニットリーダーについては、ユニットケア研修を受講した従業員を各施設2名以上配置する」と記載されています。
引用:厚生労働省「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(改定の方向性)」
また、ユニットリーダーには、介護に関する豊富な知識や経験のほか、チームをまとめるマネジメント能力が必要です。
そのため、一般財団法人日本ユニットケア推進センターが実施している、ユニットケア研修に参加することもおすすめです。
ユニットリーダーと介護リーダーとの違い
ユニットリーダーは、厚生労働省の運営基準で配置が義務になっていますが、介護リーダーは配置義務がありません。
そのため、介護リーダーの配置に関しては、施設や事業所の方針で決まります。
介護リーダーは、施設によっては「介護主任」と呼ばれることもあり、ユニットだけではなく、施設全体を管理やマネジメントを任されることもあります。
介護リーダーの配置は、法的には義務ではありませんが、ユニットリーダーと同じく、施設の運営には欠かせない存在だといえます。
ユニットリーダーに向いている人

ユニットリーダーに向いている人の特徴を3点にまとめました。
- キャリアアップの意欲が高い人
- マネジメント能力がある人
- コミュニケーション能力が高い人
1つずつ見ていきましょう。
キャリアアップの意欲が高い人
ユニットリーダーは、介護職員のマネジメントやユニット内の課題解決、利用者さんの対応など、成長の機会が多い役職です。
将来、主任や施設長などの役職に挑戦したい方にとって、まずはユニットリーダーとして経験を積むことは、必要不可欠であるといえるでしょう。
現場で得た知識や経験は、さまざまな役職で活かせるため、キャリアアップを目指す方は、一番最初の目標に設定すると良いでしょう。
マネジメント能力がある人
ユニット内で働く職員を教育し、戦力として育成するため、マネジメント能力を持った人も向いています。
介護業界は、慢性的な人手不足のため、限られた人員でシフトを回さなければ、まわさなければいけません。
職員のスキルや長所と短所を把握して、効果的な指導を行える方は、ユニットリーダーに向いているといえるでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
ユニットリーダーは、利用者さんや職員への対応、施設の運営において重要な役割を担うため、高いコミュニケーション能力が求められます。
ユニット内の課題や、職員からの要望、不満などが出る場合もあります。
すべての意見を反映させるのは難しいですが、職場の調和を保つことは、ユニットリーダーに求められるスキルです。
ユニットリーダーとして施設に貢献するには、コミュニケーション能力が必要不可欠です。
まとめ

本記事では、ユニットリーダーの仕事内容や必要な資格、向いている人の特徴などを紹介しました。
ユニット内の管理者として、利用者さんや職員、施設の間に入るため、それまで以上に責任も大きくなりますが、ユニットリーダーの経験を積むことで、主任や施設長、ケアマネジャーなど、将来的なキャリア形成の選択肢が広がります。
今後も介護業界で活躍したいと考えている方は、ぜひ挑戦してみてください。










