介護職は転職が特に多い業界です。様々な理由で転職を考えると思いますが、職場への不満や悩みなどマイナスな理由を素直にそのまま転職理由として伝えるわけにはいきませんよね。
ここでは、介護業界の面接で必ず聞かれる転職理由の考え方と回答例についてご説明していきます。
採用担当者の心をつかむ転職理由とは一体どのような回答なのでしょうか。
目次
転職理由を聞くわけ
採用担当者が転職理由を聞くのは、「入職後に活躍してくれるか」、そして「すぐに辞めてしまわないか」を見るためです。
経歴を見れば、その人のスキルや経験値はある程度確認することができますが、目指している目標や働く意欲は分かりません。
「転職によって実現したいこと」を聞くことで、企業が求める人物像に合っているか、そして入社後に意欲的に働けるかどうか、さらに長く勤めてくれる人材なのかを見極めているのです。
面接時に明るくキビキビと話すのはもちろんのこと、この転職理由が採用されるかどうかの非常に重要なポイントとなってくるのです。
転職理由は前向きな思いに変換
転職理由はマイナスな不満ではなく前向きな理由に変えましょう。前職の文句を聞かされても、面接官はその人を採用しようとは考えません。
ポイントとしては、「介護の仕事へのやる気をアピールすること」。そして、キャリアアップの構想をいれると、積極的な仕事への姿勢として好感を持たれます。
例として、マイナスな理由をプラスな理由に変換してみましょう。
転職理由の回答例
介護未経験の方の場合
・「私は人と接するのが昔から好きで、人の役に立つ仕事がしたいと考えておりました。これまでは接客業に従事しておりまして、細やかな気配りでお客様に満足して頂くことに生きがいを感じておりました。そして、この度以前から興味のあった介護職にチャレンジしたいと考え、介護職員初任者研修を受講致しました。未経験ではありますが、早く仕事に慣れ、これまでの経験も活かして細やかな気配りで利用者様のお役に立てるような職員になりたいです。」
・「私は一般職で10年勤めて参りましたが、高齢の母の介護を自分もするなかで福祉の業界に興味を持ちました。そして、介護職に就いている友人の勧めで、介護職員初任者研修を受講し、少しだけ介護について理解を深められました。研修通りにはいかないことも実際は多いかと思いますが、一早く仕事を覚え戦力になれるように尽力します。宜しくお願いします。」
ブランクがある方の場合
・「子供が小学校に進学し、手がかからなくなったため、仕事復帰したいと考えております。前職ではレクリエーションを積極的に行い、場を楽しませることが得意でした。子育ても落ち着いたので、自分が活躍できる介護職としてまた働かせていただきたく御社を志望させて頂きました。」
・「過去に介護業務に携わっておりましたが、現在は介護職を離れ飲食のお仕事に従事しています。お客様によろこんで食べていただくため、コミュニケーションを多くとるように心がけてきました。その際に、介護を通じて学んだことを活かして参りましたが、高齢の方がご来店された際に、食べやすいよう食べ物を小さくカットしたり、お水をサービスしたことでとても喜んで頂けました。このような経験を通じて、やはり私は高齢の方の役に立てる介護職が好きだと実感し、この度応募させて頂きました。」
育児と両立したい方の場合
・「子育てをしているため、日勤のみで働くことができるデイサービスの仕事を希望しております。前職は仕事が体力的にハードだったため、育児との両立が厳しく退職致しました。現在は育児も落ち着き、近くに両親が住んでおりサポートをしてくれていますので、ご迷惑をおかけすることはありません。前職の経験を活かし、育児と両立しながら御社に貢献していきたいです。」
・「出産育児のため、4年ほど介護職から離れておりましたが、このブランク期間に家事と育児の両立をする中で物事の優先順位を常に考えて、迅速に行動できるようになったと感じています。育児も一段落し、子供も保育園に預けられる年になったので、自分が最も活躍できる介護のお仕事に復帰したいと考え、小さなお子さんを持つ女性がたくさん活躍しているため、安心して働ける職場であると感じた御社を志望致しました。 」
正社員に転職したい
・「母親の介護を経験したことから介護職に興味をもち、現場を知るために現在の施設で派遣社員として勤務しておりました。実際に介護業界の厳しさや人手不足な現状を肌で感じ、より貢献したいと考え、正社員として働きたいと考え御社を志望致しました。」
・「非常勤で介護の仕事に携わるうちに、徐々に責任のある仕事を任せてもらえるようになり、やりがいを感じました。そこで、正社員として採用していただける会社に転職したいと考えたのが退職の理由です。これまでよりも更に仕事に責任を持ち、正社員として御社に貢献できるよう努めたいと考えております。」
キャリアアップをしたい
・「今までは老健での就業経験があります。介護技術をより向上していき、利用者の看取りやその方らしい生活を提供する為に介護の原点とも言える特別養護老人ホームへの入職を志望しました。また、資格習得も視野に入れており、まずは現場経験をさらに積んでいきケアマネの資格を取得したいと考えています。そして、将来的には管理職等にも就きたいと思っております。」
・「前職で、訪問介護事業所の立ち上げに携わり、未経験の介護職員たちを大勢指導してきました。そのなかで、介護職員と利用者様との相性や、それぞれの介護職員の良いところを見極めるのが得意になりました。この経験を今度は管理者としても活かし、良いところを伸ばすような指導を心がけたいと思います。」
まとめ
転職理由は一見マイナスでも前向きなものに変えられることが分かりましたね。
転職理由や動機は個々人で異なります。ですので、今回載っている例文も参考にしながら、みなさんだけの転職理由を考えて面接官にアピールしましょう。