「介護職員の夜勤って何をするの?」、「夜勤は辛いって本当?」など、今回はそんな夜勤に関する疑問を解決すべく、実際に現場で活躍している介護職員さんに夜勤のお仕事について紹介していただきました。夜勤の頻度から、仕事内容、メリット・デメリットを本音で語ってもらいました。また様々なデータをもとに、よりリアルに夜勤の実態をお伝えしていきます。
目次
夜勤の実態
夜勤の回数は月に4~5回程度
夜勤の回数は、【月4~5回】のところが多いです。もちろんその施設の種類やスタッフの人数によって様々ですが、人手不足のところでは、月に6~8回程入らなければならない場合もあるようです。夜勤の回数に法的な制限は特にないのですが、健康面を考慮すると、あまり沢山入りすぎることはオススメできません。
夜勤の勤務時間は2交代制と3交代制がある
夜勤の勤務時間は、17時~翌9時の16時間拘束の2交代制と、22時~翌7時までの9時間拘束の3交代制の2パターンあります。勤務時間が長い2交代制は、体力的な負担が大きい点がデメリットではありますが、3交代制に比べて1回の勤務時間が長い分、夜勤明けにしっかりと休みをとることができるメリットがあります。現在多くの施設が2交代制を採用しています。
また労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は60分以上の休憩時間を取ることが義務付けられています。とはいえ、休憩時間が短いと夜勤中に眠気が襲ってきてしまうことも。
夜勤手当の相場は4,000円~8,000円
夜勤手当の相場はだいたい4,000円~8,000円。働く施設の種類や環境によって夜勤手当は大きく異なります。介護施設別の平均夜勤手当はコチラをご覧ください!
働く場所によって「こんなに楽なのに、こんなに高給与でもいいの?」といった所があれば、「ほとんど休憩もとれないくらい忙しいのに、夜勤手当が低くて割に合わない」といった所と様々あるようです。
夜勤の仕事内容とスケジュール
17:00~ ミーティング
日中の様子や特変事項、翌朝までに準備しておくことなどの申し送りをします。
17:30~ 夕食前にお部屋の就寝準備
日勤スタッフが夕食の準備をしている間に、ご入居様の各個室を回って就寝に必要な着替え、オムツなどを用意します。ベランダなどの施錠を確認して、夜間にご入居者様が外に出て行くころがないようにします。
18:00~ 夕食の食事介助
職員一人当たり2~3人のご入居者様の食事介助に入ります。担当する方の食事が終わり次第、食膳を下げ、早くお部屋に帰りたい方や介護度が高く体力がない方から優先的にお部屋に誘導、または移動介助をします。食事が終わる18:30~19:30の間に、お部屋への誘導、排泄介助、歯磨きや入れ歯の手入れのお手伝い、寝間着への更衣介助に、5~6人のスタッフで入ります。
19:00までにご入居者様全員が、お部屋か夜勤スタッフの見守り下にいるようにしないと、日勤スタッフが退勤できないので、手際の良さとスタッフ間の連携が必要になります。19:00になったら最低1人が日勤スタッフと交代してダイニングルームの片づけと見守りをします。
19:30~ 就寝前の服薬介助
20時台に就寝されるご入居者様が多いので、就寝前の服薬が必要なご入居者様のお部屋を回って服薬介助をします。
20:00~ 介護記録記入、夕食休憩
遅番スタッフが退勤して夜勤スタッフのみとなります。担当したご入居者様の就寝前の様子などを介護記録に記入します。
終わったら各自持ち込みの夕食を取ります。適宜モニターをチェックし、徘徊されている方を見つけたらお部屋に誘導します。ナースコール対応もします。
23:00~4:00 休憩、モニターチェック、見回り
スタッフ1人ずつ交代で2時間の休憩に入ります。休憩室では、テレビを見たり仮眠をとることが多いです。残ったスタッフ2人でモニターチェック、ナースコール対応、0時からは2時間ごとの見回りをします。見回りの際、必要があれば誘導や排泄介助、汚れた服や寝具の交換をします。
5:30~ 見回り、起床介助
全員の休憩が終わってから、最後の見回りに行きます。この際、30人程のご入居者様の排泄介助に入ります。6時を過ぎたら更衣介助も行い、朝早く活動される方から順に移動介助をして、ダイニングルームに誘導します。前日に日勤スタッフが用意していったおしぼりを配布します。
7:00~ 朝食準備、朝食休憩
ダイニングテーブルの消毒や配膳準備をします。早番のスタッフが出勤してくるので、引き継いでから、30分の休憩を取る間に持ち込みの朝食をとります。
7:30~ 朝食の食事介助
ご入居者様の朝食もすでに始まっているので食事介助に入ります。早番スタッフが朝食後の排泄介助に入るので、下膳しながらダイニングルームで見守り、介護記録を記入します。
9:00~ 朝礼
夜勤スタッフから1人は朝礼に参加して、夜間の特変事項を申し送ります。朝礼を終わらせたら、日勤スタッフと交代して退勤します。
夜勤後の過ごし方のポイントは「疲労回復」
クリックジョブ介護利用者の方へのアンケートでも、「睡眠をとる」「食事をする」という回答が多かったです。夜勤明けの1日は、体内時計を元に戻す重要な時間です。家でゆっくり休息をとることももちろん大切ですが、リフレッシュするために、外へ出かけることもオススメします。夜勤後のぐったり感がなかなか抜けないな......と感じている方は、ぜひこちらを参考にしてみてください!
介護職員が考える夜勤のメリット
給与が上がる
夜勤手当は、施設や保有資格によっても変わりますが、一般的には一回につき4,000円~8,000円程度。つまり、月4回夜勤に入ると、月給額が16,000円~32,000円程度、基本給にプラスされます。またパートスタッフの方も、22:00~5:00は、時給が25%以上割り増しになります。「なかなか昇給しないな」、「もっと稼ぎたいな」と考えている方でまだ夜勤に入っていない方は、夜勤手当の加算分で給与アップを目指すこともオススメです。
深夜帯の業務が忙しくない
夜勤は人数が少ない分、次から次へとご入居者様の対応に追われてしまう...というイメージがあるかもしれませんが、ご入居者様もメインで活動する時間ではないので、ナースコールが少ない日や特にトラブルがない日は、案外落ち着いて過ごせた!なんて日もあるようです。ただし、働く施設によって、夜勤の業務が忙しいか忙しくないかは大きく分かれます。そのため一概に夜勤の時が落ち着いているとはいえません。
連休が増える
17:00~翌9:00の16時間拘束での勤務等のように、2日分の勤務時間を夜勤で入った場合、夜勤明けの翌日を公休日としている施設が多いようです。つまり、「1日目=17:00から勤務、2日目=9:00まで勤務、3日目=公休」となり、2日目と3日目が連休のように使うことができるのです。この休みを活かしてしっかり体内時計を直すことができると、次の勤務にも疲れを持ち込まずに臨むことができます。
介護職員が考える夜勤のデメリット
疲れやすい
夜勤をするとどうしても、「睡眠時間が削られてしまう」、「生活リズムが乱れてしまう」等、身体にかかる負担が大きくなってしまいます。そのため、寝れる時に効率良く、質の高い睡眠をとることが重要です。以前紹介した、【夜勤を頑張るあなたへ!効果的な睡眠をとるための5つの方法】を参考にして、より健康的に夜勤に入れるよう心がけましょう!
日中業務より責任が重い
「夜間は日中よりスタッフが減るの。だから一人当たりの職員が担当する、ご入居者様の人数が増えるのが負担に感じるな。またスタッフ数が少ない中で、ご入居者様の容態が急変することもあるから、日中の業務より判断がゆだねられる場面が多く精神的な負担もあると思うな。」
夜勤と日勤の大きな違いは、スタッフの人数です。一人で担当するご入居者様の人数が増えるだけでなく、看護師のいない施設だと、緊急時の対応も介護職員の手にかかっているので、負担に感じる方も多いかもしれません。
拘束時間が長い
16時間拘束と聞くだけでも、とても長いなと感じる方が多いのではないでしょうか。少人数で長い時間を一緒に過ごすので、仲の良いスタッフ同士であれば気を遣わなくて楽ですが、気の合わない人がいると少し憂鬱になってしまうかもしれません。
メリット・デメリットに関しては、こちらもぜひ参考にしてみてください!
ベテラン介護職員がこっそり教える夜勤の楽しみ方
夜勤が楽しくなる施設を見つける
「第一に、しっかりと夜勤の人員を確保してくれるところで働くことが大切だと思います。規定やマニュアル通りに人員を配置するだけで終わりにしてしまうのではなく、感染症が流行っていたり、徘徊や脱走などの問題行動をされるご利用者様が多くなったりと、施設内の状況をちゃんと見て、人員を増やしてくれるようなところで働けたら、ケア業務を省略することなく働けるので楽しいと思います。」
やはり夜勤で一番苦労するのは、その人数の少なさのようです。人員がしっかり確保されていれば、本来の介護のお仕事のやりがいを取り戻すことができるのです!もし今、仕事の負担の大きさで、夜勤を楽しめていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、上司に相談してみるか、転職を検討してみてください!
ゆったりとした時間を楽しむ!
「日中よりも夜間の方が穏やかになったり、親しくお話してくれるようになったりするご入居者様とお話しながら介助を行うのが楽しみでした。昼間は無口な方が、夜間見回りで訪問すると挨拶されたり、好きなもの、昔のことについてお話してくれたりすることがありました。夜間お話したことを踏まえて日中も接すると、より打ち解けられてその後のケアに入りやすくなることもありました。」
夜勤では、日中ではあまりできなかったことももたっぷりお話しする時間があります。夜勤ならではの楽しみを発見すると、より楽しみながら夜勤を乗り越えることができるみたいですね!
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