幼少期から子役として芸能界で活躍している落合モトキさん。『桐島、部活やめるってよ』や『アズミ・ハルコは行方不明』『全員死刑』『おっさんずラブ(2016)』など数多くの映画、ドラマや舞台等幅広いフィールドで活躍中の実力派俳優。
そして、11月23日公開の『歩けない僕らは』では、脳卒中で半身不随を患う患者・柘植(つげ)役を演じている。映画はもちろん、プライベートの質問にもお答えいただきました!
―左半身が不随になる柘植(つげ)役を演じるにあたって意識したことは何ですか?
健常者が演じるという点でも、失礼のないようにということを一番意識しました。デリケートなところなので、とにかく失礼のないように演じたいなと。あとは、クランクイン前に実際に病院で患者さんを見る機会があったのは凄くありがたかったです。
―病院での取材時には、どんなことを中心に見ていらっしゃいましたか?また印象に残ったことはありますか?
動きももちろん見ていたけれど、どんな表情をしているかなというのが一番気になりました。皆さん前向きなんですよ。リハビリというものを信じて、自分が動けることを信じて取り組まれていて。
きっと柘植もそうだと思うんですけど、退院後に生活や環境が新しくなる人もいると思うんです。それでも、信じてリハビリと向き合う姿が印象に残っています。
―今回の撮影で一番難しいと感じたことは何ですか?
最初は、動くことを目標に頑張るんですけど、ため込んでいた歯がゆさが募っていって、いつ爆発するのかとか、感情の過程を表現するのが難しかったです。
―柘植役を通して表現したいと感じたことはありますか?
『生きているだけで幸せなことなんだよ』ということです。柘植は、脳卒中で半身不随になる役柄でしたけど、そうした状況って色々なことに置き換えられるんじゃないかなとも思うんです。
やっぱり一度リセットされてしまう感覚にはなると思うんですが、自分のリスタートとして考えることもできるのかなと。あとは、普段できていることが、ありがたく思えるということかな。そこはきっと多くの方に共感頂けるんじゃないかと思います。
―佐藤監督・宇野愛海さんとの共演はいかがでしたか?
佐藤監督は、年齢が僕の1個上なんです。30歳位の監督って、自分の世界観を撮りたい方が多いと思うんですけど、リハビリ病院が舞台のものを撮るっていうのは珍しいな、そういう感覚をもった方がいるんだなあと新鮮でした。
監督がレールをどんどん引くというより、一緒に考えながら進めるシーンもありました。なので、一緒に作る楽しさも感じながら撮影できました。
~撮影風景 左から落合モトキ、監修の療法士、宇野愛海、佐藤快磨監督~
宇野さんとは、本当に現場でも全然話さなかったんですよ。いつもだったら『あれ、悪いことしたかな?嫌われちゃったかな?』と思っちゃう方なんですけど、不思議と宇野さんにはそう感じなかったんですよね。
―宇野さんは、落合さんとお会いすると、「新人の私が担当でいいのか」という遥の立場を思い出して今も緊張してしまうそうですが、落合さんは久々にお会いしてみていかがでしたか?
笑えているからよかったなって(笑)撮影中はね、本当にほとんど話さなかったけど、元気そうでよかったなと安心しました。
―作品では、理学療法士、患者それぞれの葛藤が描かれていますが、落合さんはお仕事で行き詰まった時の乗り越え方はありますか?
人と触れ合うのをやめるっていうのはありますね。一人で過ごす時間は大切にしています。
―どんな風に過ごされるんですか?
もう本当に色々です。家だったり、一人で飯食い行ったり、サウナ行ったり(笑)ガーっと集中したあとのリセットの時間が欲しくなるんですよね。
―芸能生活の長い落合さんですが、お仕事を続けるモチベーションは何ですか?
ベタになっちゃうんですけど、やっぱり楽しむことかなあ。あとは、先の楽しみを決めておくとか。旅行に行く、洋服を買うとか。大変なこともあるから、どこかに楽しみはもっておきたいなあと。あとは、新鮮さをもってやるっていうことも大事なのかなと思ったりしますね。
―今回の柘植のように、ポジティブな感情を感じづらい役柄だと、楽しみ方はどのように見つけていましたか?
『終わったときに、みんなで美味しいごはんやお酒が飲めるだろうな』ということを考えていたかと思います。ワイワイとしながら撮るという場面はなかったので、撮影中は、一緒に乗り越える人たちという意識が強かったかもしれないです。
―プライベートでは、競馬に行かれたり多趣味なイメージがあります。なんでもチャレンジしてみたいと感じられる方ですか?
そうですね、競馬のCMとかやってみたいですね(笑)競馬もそうなんですけど、ここ最近友達と過ごすにも漠然と時間を過ごすより、何かイベントを一緒に楽しむことがとても大切だなと感じるようになって。この間も名古屋でコンサートを観よう!とか、スケジュールを決めて過ごすようになりました。
―最近やってみたいことはありますか?
脱出ゲームをやってみたいんですよ。でもこの歳になるとお休みも合わなくて、みんな仕事もばらばらだし、なかなか行けないんですよね。
―芸能界以外のご友人も多いんですか?
そうですね、芸能界以外の方が多いですかね。なので、去年の誕生日の時は『プレゼントはみんなで過ごすお休みが欲しい!』って言いました。
―そのプレゼントはもらえましたか?
いえ、まだですね。もらえてないんですよー(笑)
―様々な役柄を演じられる落合さんですが、ご自身の性格はどんな性格だと思いますか?
結構『誰にでも合わせる典型的なO型』だと思いますね。周りのやりたい事とか、希望に合わせるのも好きだし、力になれればなあと思う方で。欲がないっちゃないのかもしれないですね。
―お芝居をする際にも、合わせる感覚が強いですか?
芝居では、自分もしっかり発信しないといけないと思うのでそこは合わせるとはちょっと違うかもしれない。でも、いろんな『吸収』をもっていくようにしていますね。
第一段階用に、自信の一発は持っていくけれど、それで違うって言われた時に、他の引き出しが用意できていないといけないなと。20代前半は、それでワタワタしたこともあったので、引き出しは用意するようにしています。
―20代前半では、挫折や苦しい時間もありましたか?
そうですね、自分では腑に落ちない芝居をしたこともあって。だったらちゃんと自分で用意しなくちゃなと。ただ、ずっと考えてばかりでも同じものになってしまうし、そういう時のためにもリセットする一人の時間が大切なのかもしれないです。
―理学療法士を目指す方やお仕事をされている方へメッセージをお願いします。
この作品を作っている前は、学校で観るようなHow toビデオみたいにはしたくないなあと思っていて。
劇中では、理学療法士の遥と、患者の柘植の感情が生々しく表現されていると思います。なので『私もこんな時あったなあとか、こんな気持ちになるのかなあ』と、重ね合わせて楽しんで頂けたらと思います。
お仕事をされている方もこれから目指す方も、すごく近くに内容を感じて頂けると思うので、何か背中を押すことができたら嬉しいです。
どんな質問にも丁寧にお答えいただく温かく柔らかなお人柄が印象的でした。ご自身は『典型的なO型』とおっしゃっていましたが、役柄や作品のメッセージを的確に捉え、表現するしなやかさをお持ちなのだと感じました。
そんな落合さんの演技力にも是非ご注目ください。『歩けない僕らは』は11月23日よりいよいよ公開!
映画『歩けない僕らは』
出演:宇野愛海 落合モトキ
板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大 山中聡 佐々木すみ江
監督・脚本・編集:佐藤快磨配給・宣伝:SPEAK OF THE DEVIL PICTURES
11月23日(土)より新宿K’s cinemaにて公開他全国順次
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©映画『歩けない僕らは』 2018 / 日本 / カラー / 37分 / 16:9 / stereo
■あらすじ
宮下遥(宇野愛海)は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子(堀春菜)に、彼氏・翔(細川岳)の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエ(佐々木すみ江)が退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植(落合モトキ)。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長(山中聡)と田口リーダー(板橋駿谷)の指導の元、現実と向き合う日々が始まる。
新宿K’s cinemaでは11/23(土)〜11/29(金)連日朝10時〜上映です。落合モトキさんの登壇される日もあります!その他のイベントは、公式サイトをチェックしてください。各回、フォトセッションの時間のみ、お客様も写真撮影が可能です!
【日時】
11/23(土) 10:00の回 上映前
【ゲスト】
宇野愛海さん 落合モトキさん 細川岳さん 山中聡さん 佐藤快磨監督
【日時】
11/24(日) 10:00の回 上映前
【ゲスト】
宇野愛海さん 落合モトキさん 佐藤快磨監督
※お客様からのQ&Aの時間あり
【日時】
11/27(水) 10:00の回 上映前
【ゲスト】
落合モトキさん 板橋駿谷さん 佐藤快磨監督
※お客様からのQ&Aの時間あり