介護施設での長寿祝いで気をつけたいことと知っておきたい常識

介護施設で働いていると高齢の方と接する機会が多く、「長寿祝い」が身近なものであると思います。

 

しかし、意外と長寿祝いに関して誤った知識を持っている方も多いようです。間違った知識のままお祝いすると、かえって利用者の方を不快な気分にさせてしまうなんてことも…

 

そこで今回は長寿祝いで利用者の方に喜んで頂くために、正しい長寿祝いの知識や喜ばれるポイントについてご紹介します!

長寿祝いとは

そもそも長寿祝いとは、古く室町時代から日本に伝わる長寿を祝福し、その周りの人たちが長寿にあやかる儀礼のことです。元気で長生きして欲しいという願いをこめて、下記のようにいくつかの節目ごとにお祝いをします。

60歳→還暦(かんれき)
66歳→緑樹(りょくじゅ)
70歳→古希(こき)
77歳→喜寿(きじゅ)
80歳→傘寿(さんじゅ)
88歳→米寿(べいじゅ)
90歳→卒寿(そつじゅ)
99歳→白寿(はくじゅ)
100歳→百寿(ひゃくじゅ)
108歳→茶寿(ちゃじゅ)
110歳→珍寿(ちんじゅ)
111歳→皇寿(こうじゅ)
120歳→大還暦(だいかんれき)

中でも特に60歳を祝う還暦祝いや88歳を祝う米寿祝いは特に重んじられる傾向にあり、盛大にお祝いをする場合が多いようです。

お祝いの日はいつ?

長寿のお祝いは、満年齢と数え年のどちらで行うのが正しいのでしょうか。本来ならば、生まれた年を1歳としだれもが元日に年をとるという考え方である数え年でお祝いすることが一般的でした。

 

しかし現在では、生まれたときを0歳とする満年齢が公的文書等でも広く一般的に用いられるようになったことを受けて、長寿祝いも満年齢で行うケースが増えてきているようです。

 

したがって、お祝いする方が昔からの風習を大切にするような方であれば数え年でお祝いすれば良いですし、あまり風習など気にしない方であれば分かりやすく満年齢でお祝いすればよいと言うことになります。

長寿祝いのテーマカラー

長寿祝いには、それぞれの節目ごとにテーマカラーがあります。そのカラーの贈り物を贈ることによって、お祝いする事が一般的です。

60歳を祝う還暦は「赤」

還暦はテーマカラーの赤にちなんで、赤いちゃんちゃんこを着てお祝いしたりします。そこには「赤ちゃんに還る」「厄除け」というような意味合いがあるようです。

80歳を祝う傘寿や88歳を祝う米寿「黄色」

還暦と同様にテーマカラーの黄色のちゃんちゃんこを着てお祝いをします。黄色は、昔から縁起の良い色とされ、中国では昔から皇帝を表す色とされてきました。傘寿は、紫色でお祝いをする場合もあります。

90歳を祝う卒寿では「紫色」

紫色は昔から高貴な色といわれていました。昔は貴族や僧侶の衣服が紫色だと、位が高いとされていました。それゆえに昔は紫色の物を身にまとうことができる人はごく一握りとされていました。

100歳を祝う百寿では「桃色」

百が「もも」と呼ばれるため桃色がテーマカラーとされています。

ただし地域によっては、「白色」だったり「金色」であったりと、まだ全国的に色が定着していないのが現状です。

 

テーマカラーに合わせた適切な装飾や贈り物を選択して、利用者の方に喜んでもらえるようにしましょう!

喜ばれるプレゼントとNGプレゼント

それでは具体的に長寿祝いのプレゼントにはどのようなものが選ばれているのでしょうか。喜ばれるプレゼントとNGプレゼントに分けて紹介していきます。

喜ばれるプレゼント

お菓子

お菓子は和菓子・洋菓子ともに手軽にあげることができ、大人気です。ただし、賞味期限が短いものや糖分が多いもの、固すぎるものや喉に詰まりやすいものは避けるようにしましょう。

お酒

お酒にはワインやビール、日本酒など沢山の種類があり、また価格帯も幅広いので贈る側も選びやすいようです。
また最近では、名前やメッセージを彫刻や手書きラベルにすることもできるため、世界に1つだけのプレゼントを送ることができます。

お花

とくに女性の方には喜ばれるようで、先程述べた節目ごとのイメージカラーに合わせたお花を選択することでより気持ちを伝えられそうですね。生の花束だけでなく、手入れの少なくて済むブリザードフラワーなども人気です。

 

また、少し変わったものとしてはアクセサリーや家電製品、マッサージ機などです。電子機器を贈る際には、操作や手入れがしやすいものを選ぶようにしましょう。喜ばれるプレゼントは性別や年齢によって大きく異なってくるので、相手のことをよく考え適切なものを選ぶようにしましょう。

 

NGなプレゼント

「死」や「苦」を連想するもの

「死」や「苦」を連想するものは縁起が悪く、相手の気分も悪くさせてしまうので決してしてはいけません。具体的に「お茶」を送ることは避けましょう。お茶が好きな人は多く手軽であるため、ついつい長寿のお祝いとして選びがちですが、お茶は香典返しによく使われることから「死」を連想させてしまう恐れがあります。

 

また、お花を贈る際にはその種類に注意を払わなくてはなりません。たとえば、椿などはクビから落ちるといったように「死」を連想するようなイメージがあります。他にも「くし」などの「苦」や「死」の語呂を連想させてしまうようなものも避けて選ぶ必要があります。

 

「老い」を連想するようなもの

例えば「老眼鏡」や「杖」などは贈ってはいけません。実用的な上に実際に本人が欲しがっていたとしても、長寿祝いの贈り物としては適していません。いつまでも若々しくいて欲しいという願いを示すためにも「老い」を連想させるようなものを送ることは避けましょう。

敬いの気持ちが欠けるもの

例えば「時計」や「鞄」には「勤勉さ」といったイメージがあります。そのため、目上の人に対する贈り物としては適していません。また靴や靴下といったような履物は、「相手を足で踏みつける」といった意味があるため、避けなければなりません。

 

せっかく相手を喜ばせるつもりで選んだプレゼントが、思いもよらず相手を不快にさせてしまう場合があります。プレゼント選びは慎重に行って適切なものを選び、贈る側も受け取る側も幸せな気分になりたいですね。

まとめ

 長寿祝いは日頃の感謝や敬意の念をつたえるために欠かせないイベントです。長寿祝いに関する適切な知識を持って、利用者の方に喜んでもらえるようなお祝いをしましょう。

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