介護施設で働いている多くの方が、介護拒否のある利用者様と接したり、同僚が対応している現場を目の当たりにしたりしたことがあると思います。介護拒否は、介護の現場では大きな問題で、対応策に正解もありません。そこで今回は、当社が様々な介護施設で働く介護職員さんを対象に行ったアンケートの結果を参考に、介護施設での介護拒否の実態についてまとめていきます。「介護拒否の対応策が知りたい」、「誰に相談したらいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください!
介護職員の約9割が介護拒否を経験!
アンケートの結果によると、約9割もの介護職員が「介護拒否にあったことがある」と回答。現場で働くほとんどの介護職員は介護拒否を経験したことがあるといえます。つまり介護拒否は介護職員になら誰でもおこりうるのです。
一言に介護拒否と言っても、その原因や症状は、利用者様ひとりひとりによって様々です。入浴や食事を拒否される利用者様がいたり、良かれと思った行動や、いつも通りのサポートをしただけなのに、拒否をされてしまったなんてことも、日常茶飯事だと思います。
介護拒否の頻度にはばらつき
「介護拒否にあったことがある」といっても、その頻度をみてみるとバラバラ。毎日介護拒否にあうと回答した方は全体の6%とごく少数でした。週に1回程度介護拒否にあうと回答した方が最も多い結果となりました。
ほとんどの介護職員の方が経験している介護拒否。次は、どのような場面で拒否行動が起きやすいのか見ていきましょう。
最も多い介護拒否は、入浴拒否や清拭拒否
「どのような介護拒否にあったことがありますか?」という質問に対して、最も多かった回答は、「入浴拒否・清拭拒否」、次いで「排泄介助に関わる拒否行動」でした。入浴や排泄は、サポートされることに対して恥ずかしいと感じる利用者様が多く、拒否反応が起こりやすいようです。
特に入浴に関しては、面倒だと感じる利用者様も多く、誘い出すのに苦労をすることが多いとの意見がありました。しかし、入浴・清拭は、病気の予防やリラックス効果があったり、介護職員にとっては、利用者様の状態観察ができる良い機会でもあります。
介護拒否にあった時に相談するのは同僚や上司
みなさんは、介護拒否にあった時、誰に相談していますか?
アンケートの結果によると、ほとんどの方が、「同僚」や「上司」と回答されていました。先程も紹介した通り、介護施設で働いている、約9割の方は、介護拒否にあったことがあるので、同じ職場で、同じような経験をしたことがある方に相談をすることが効果的のようです。
「誰にも相談しない」と回答された方が少なかったことからも、介護拒否に関しては、施設全体で協力しながら対応しているケースが多いことがわかります。
まとめ
アンケートの結果からも分かる通り、非常に多くの方が日常的に経験している介護拒否の問題。入浴や排泄介助、服薬や食事に関する拒否行動まで、その原因や症状は様々ですが、利用者様の介護拒否の行動をなくすことはなかなか難しく、その対応は施設全体で協力して行うことが不可欠です。介護拒否にあった時には、利用者様の意向を第一に考えながら、一旦時間を置いてみたり、周りの職員さんに手伝ってもらうようすることが効果的です。
対象者:介護職員 男女76名
期間:2017年12月18日~2017年12月25日
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査