介護職員が知っておきたい高齢者の口腔ケアの手順とコツ

口腔内を清潔に保つことは利用者様の安全のためには必要ですし、口腔をきれいにすることによって食欲が増して、食事を食べれるようになり健康になることもあります。
しかし、口腔ケアが苦手だと感じる方も多く、その多くの理由は「上手にできない」ということが多いです。ここでは、口腔ケアを実践する方法や、上手にするためのコツについてご紹介していきます。

口腔ケアの手順

口腔ケアの手順を確認しましょう。

残渣物を除去する

食事を食べたあとに口腔ケアをするのが一般的です。

まず最初に口腔内に残った残渣物を除去するため、うがいが最初にしてもらいます。少量の水を口に含んでもらい、ぶくぶくと口の中で水を動かしてもらいます。

 

その際あまり多い水を口に含んでもらいますと、口腔内で水を動かすことができません。できるだけ少量の水、30ccほどを含んでもらいます。また吐き出してもらう際は服などが濡れないように必要に応じてガーグルベースを使います。

うがいは2、3回ほど、吐き出した水に残渣物が残っていない状態にしていきます。

歯の清掃

残渣物が無くなれば、次は歯の掃除をしていきます。

義歯を使っている場合は外して歯ブラシで優しく磨きましょう。利用者様の口腔内は傷が付きやすく、傷が付いているとそこから雑菌が入り炎症の原因となりますので出来るだけ優しくするようにしましょう。

ポイントとしては優しく、細かく歯ブラシを動かすということです。
歯磨き粉は少量にして泡立ちが少ないようにします。あまり泡立ちが良すぎますと磨き残しが出てしまうので注意しておきましょう。

粘膜の汚れを取る

粘膜に汚れがついてしまいますと、いくら歯をきれいに磨いていたとしても雑菌が繁殖しやすくなりますので注意しておきましょう。

 

粘膜の汚れを取るためにはまず綿棒や専用のスポンジなどで汚れをかきとっていきます。

 

綿棒を使用する際は必ず水に濡らして行います。乾いた状態の方が汚れが取れやすい気がしますが、粘膜に傷が付いてしまいますので濡らして行うようにしていきます。

舌の汚れを取る

舌は定期的に掃除をしないと汚れが付いてしまいます。

舌が白くなっている場合は専用のブラシで汚れを取るようにしなければいけません。舌は非常にデリケートですので、ここでも優しくしていくようにしましょう。

口腔ケアを上手に行うポイント

元気な方の口腔ケアを行う場合は、声掛けが非常に重要なポイントになります。よくある失敗として不十分な声掛けのまま口腔ケアをしようとして、拒否されることです。わかりやすく声かけをして、「今から口腔ケアをする」ということを認識してもらうようにします。そうすることによって協力的になってくれます。

また、義歯を取る際に上手く取れない場合があります。全義歯の場合は失敗すると自分の指をかまれてしまいケガをする可能性もあります。ポイントとしては、義歯を取る場合は口の側面に指を入れて義歯の奥から取る方法です。

 

決して前歯から義歯を取らないようにしましょう。側面から指を入れることによって噛まれることを防止できますし、奥に指を入れることでスムーズに義歯を取ることが出来ます。

 

口腔ケアは介護を行う上で非常に大切なことですので、手順とポイントをしっかりと抑えて行うようにしましょう。

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