高齢化の進展に伴い、高齢者の方のニーズにも広がりが生まれています。そのニーズに応えるべく、最近ではさまざまな形態の高齢者施設が設立されてきているのです。
例えば、保育所が併設されている介護施設であったり、リゾート地近辺に設立される施設などがございます。そして今回ご紹介するのがペットと一緒に入所することができる特別養護老人ホームです。ペットは家族同然であり、離れ離れになるのは非常につらいことです。
また、認知症や精神疾患をお持ちの方に効果的とされているアニマルセラピーにもつながる効果が期待できることで、近年注目を浴びているのです。今回はそんなペットと一緒に入所できる高齢者施設を取り上げていきたいと思います。
ペットと一緒に入所できる特養ホームとは
ペットと一緒に入所できる特別養護老人ホームとは、文字通りペットとともに入所できる高齢者施設のことです。費用としてはエサ代・医療費・消耗品代を負担するのみで、世話代は一切かかりません。
職員の方々は動物が好きな方が多く、ドッグトレーナーからしっかりと知識を学んだ上でお世話を行っているので、心配なく預けることができます。職員の方も動物好きなので、施設内に犬や猫がいることはモチベーションが上がり、仕事がはかどると言っているほどです。
高齢者の中には、施設に入居を勧められているものの、ペットと離れてしまうのが嫌で入所をためらっている方というのは大勢いらっしゃいます。
家族同然のペットとともに最期の時を一緒に過ごし、残されたペットは自分が生活してきた施設でしっかり面倒を見続けてくれるということは、利用者の方にとって安心できるシステムでしょう。
衛生面は大丈夫?
施設は4階建てとなっており、2階でペットと一緒に入所してきた利用者さんが暮らしています。一方、犬や猫が苦手な方、もしくはアレルギーのある方は3階、4階で過ごしているため、不愉快に感じる人はほとんどいないでしょう。
施設内にはドッグランのスペースなども併設されており、ペットたちは部屋内を自由に動き回ることができるようになっています。
利用者の方はペットと同じベッドで寝ることも可能になっており、これまで家で過ごしてきたのと同じような生活を施設内でも送ることができるようになっています。
病状改善に効果あり
冒頭にも述べたように、動物にはアニマルセラピー効果があり、感情を落ち着ける作用があります。これは認知症をはじめ、脳卒中の人、発達障害者、そして精神疾患をお持ちの方に効果的とされています。
また、犬や猫をなでたり、抱っこすることはリハビリにもつながり、高齢者の方がより元気に、長生きしてくれることを願って行われている取り組みでしょう。また、保育所から引き取った犬・猫も何匹かおり、動物愛護という面でも社会貢献をしている施設といえるでしょう。
動物が施設内にいるという意味では不衛生に思われがちかもしれませんが、しっかり排泄のしつけさえできていれば衛生面というのは一般家庭で飼っている状態と大差ないと考えられます。
まとめ
高齢者の多様化するニーズに応えるべく、犬・猫などのペットとともに入所することができる施設が設立されました。これは今までにない新しい施設ですが、今後広がりを見せる可能性が非常に高いです。
というのも単身の高齢者の方はペットを飼っている方が非常に多く、ペットと離れ離れになりたくないがゆえに施設に入所するのを拒否している方がたくさんいらっしゃるからです。
こうしたニーズをいち早くくみ取り、施設内に新しい風を巻き起こすことで、これからの高齢化社会に明るい未来が開けるかもしれません。