介護士が円満退職を成功させるには?~退職理由や上司への伝え方を解説~

「どうしたら、今の介護施設を円満に退職できるのか」、「退職を伝えたら上司に引き留められないか」と悩んでいる介護士さんも多いのではないでしょうか。


いざ退職を決意しても、人手不足の現場に申し訳なさを感じてしまったり、上司との関係性が悪くて、なかなか話が切り出せなかったり、退職の意思を伝えることに難しさを感じることもありますよね。

退職の申し出をきっかけに、人間関係の悪化や、希望日に退職できないなどのトラブルに発展すると、退職日まで居心地の悪い職場で働かなければなりません。

本記事では、介護士さんが円満退職するための手順・ポイントや、退職を引き留められたときの対処法を解説します。


新たなキャリアを気持ちよくスタートするために、ぜひ参考にしてください。

介護業界の退職手順

円満退職をするためには、職場に負担をかけることがないように、余裕のあるスケジュール感で進めることがとても大切です。


介護業界の退職手順は、大きくわけて以下の3つなので、計画的に行動することを心がけましょう。

  • 上司への相談、報告
  • 同僚への引継ぎ
  • 必要書類の手続きや、返却物の整理

介護の仕事に限らず、社会人として大事なことなので、参考にしてみてください。

上司への相談、報告

法律では、退職日の2週間前までの申し入れで、退職できるとしていますが、多くの施設は就業規則があり、退職の1~2カ月前までの申し入れを必要としています。


介護業界は、人手不足に悩んでいる施設が多いため、特別な事情が無い限りは、就業規則を守るのが一般的です。事前に規則の確認をしておきましょう。


また、退職の報告は、メールや電話ではなく、直接するのが一般的です。

事業所によって異なりますが、基本的には口頭で、まずは直属の上司へ退職の意向を伝えるのが良いでしょう。


事前に、「ご相談があるので、お時間を頂けますか?」とアポイントを取り、落ち着いて話せる環境を整えましょう。


まれに、退職について悩んでいることを、同僚に相談する方もいますが、間接的に上司に伝わってしまったり、職場内で噂が広まってしまうと引き留めやトラブルの原因になります。


トラブルなく次の会社でキャリアをスタートさせるためにも、上司に伝える前に同僚に相談をすることは、控えておいた方が良いでしょう。

同僚への引き継ぎ

役職によっても異なりますが、介護職の引き継ぎは、ほかの業種よりもシンプルです。

同僚や利用者さんに迷惑がかからないように、自分の担当業務を引き継ぎしましょう。


担当している利用者さんの、個別の介護内容や注意点は、引き継ぎが不十分だと、利用者さんやご家族との信頼関係に影響します。


また、リストアップしてパソコンのデータ内にまとめておくと、後任者の負担を減らすことができます。

必要書類の手続きや、返却物の整理

健康保険証や社員証、業務用の携帯電話などの返却物がある場合は迅速に対応しましょう。
返却物の一例はこちらです。


  • 制服、ロッカーやデスクの鍵
  • 名刺
  • 健康保険証
  • 社員証

上記はあくまで一例なので、あらかじめ返却物の確認をしておくと、スムーズです。


また、会社に渡す書類と合わせて、受け取る書類についても確認しておきましょう。


書類に不備があると、退職後に連絡を取らなければなりません。

失業給付や確定申告の際に必要な書類もあるので、しっかり確認するようにしましょう。

円満に退職するポイント

円満に退職するには、手順も大事ですが、おさえておきたいポイントもあります。


トラブルなく、次の職場で新たな一歩を踏み出すには、以下の3つのポイントが重要です。


  • 退職したい理由を明確に伝える
  • 繁忙期を避けるなど、タイミングに留意する
  • 最終出勤日まで責任を持って業務に取り組む

「去り際にこそ、人間性が出る」ともいわれています。

一方的に自分の意向を伝えるだけではなく、今の職場への配慮の気持ちを持って、相談する姿勢を大事にしましょう。


円満退職するために、おさえておくべきポイントを、解説します。

退職したい理由を明確に伝える

円満に退職するためには、退職する理由を明確に伝えるのが大事です。

※伝えにくい内容の場合は「一身上の都合」でも問題ありません。


「今の職場がなんとなく嫌だ」、「給与や評価への不満」など、曖昧な理由だと引き留められる可能性もあります。


不満さえ解消すれば、退職する理由がなくなると捉えられると、退職交渉が長引く可能性も。


無用なトラブルに発展しないよう、ネガティブな理由はなるべく伝えない様に注意しましょう。

「障がい者支援施設での仕事に興味があり、新しい環境で学びを得たい」など、前向きな理由を中心に伝えると良いでしょう。


今の職場では改善が難しい理由、実現できないポジティブな理由を伝えると、了承が得やすいです。


しかし、嘘の退職理由にしてしまうと、矛盾を指摘され、円満に退職できないこともあるため、嘘の退職理由を伝えることは避けましょう。


「退職を相談したいけど、上手く伝えられるか不安」「退職理由を何と伝えれば良いか分からない」そんな場合は、担当のエージェントに相談することをお勧めします。


職場の状況を踏まえたうえで、心証を悪くせずに退職を申し出る方法をアドバイスしてくれます。

繁忙期を避けるなど、タイミングに留意する

繁忙期は、引き継ぎに充分な時間が確保できず、また、忙しさから退職の話を後回しにされてしまう場合もあります。


人間関係が悪化する可能性もあるので、繁忙期に退職の意向を伝えることは、なるべく避けるのが無難です。


繁忙期を考慮して、残った職員の負担を出来るだけ減らすのも、円満退職を実現する手段です。

最終出勤日まで責任を持って業務に取り組む

円満に退職するには、在職中の職場に迷惑をかけないように十分配慮することが、最も大切です。


「次の転職先が決まっているから良いかな」、「もう覚える業務もないので気持ちが入らない」など、モチベーションが維持できず、業務が身にはいらないときもあるでしょう。


しかし、次のステップに晴れやかな気持ちで進むためにも、最後まで責任感を持って業務に取り組むようにしましょう。

介護業界は地域の他の施設ともつながりがあります。良好な関係を保って退職することを心掛けましょう。

退職を引き留められた時の対処法

介護業界は、人手不足で悩んでいる事業所が多いため、退職を伝えると引き止められる可能性があります。


「忙しいから」とうやむやにされたり、「お願いだから辞めないで欲しい」と懇願されたり、「今退職されると皆に迷惑がかかる」と脅されたり、引き止めのパターンは様々です。


引き止められた場合は、なぜ退職したいのか、いつまでに退職したいのかを、明確に伝えるようにしましょう。

万が一脅された場合や、不当な引き止めを受けた場合も、「職業選択の自由」は法律で認められているため、引き止めに従う必要はありません。

どうしても辞めさせてくれないときは、所属している労働組合や、労働基準監督署に相談しましょう。

まとめ

本記事では、介護職を円満に退職する手順、ポイントについて解説しました。


介護業界は、人手不足に悩んでいる事業所が多いです。介護現場の実情をよく分かっているからこそ、なかなか退職を言い出しにくい方も多いのではないでしょうか。

しかし「職業選択の自由」はだれにでも認められた権利です。


今の職場への感謝を忘れず、引き継ぎの項目や就業規則に注意して、新たなキャリアをスタートしてください。

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