介護業界で人事・採用に約15年間携わってきた経験から、実際のエピソードを交え、採用担当者として見ているポイントをご紹介します。
これから介護業界への就職・転職活動をされる際に、ぜひ参考にしてみてください。
目次
履歴書のポイント
字が上手下手よりも丁寧さを重視
手書きの場合は、字が下手・上手を気にされる方が多くおられましたが、実際のところ採用を決める要因にはなりません。
それよりも、いかに丁寧に記入しているのか?をみる採用担当者は多いと思います。「履歴書の丁寧さ=介護業務に対する気持ち、入職に対する本気度」として捉えることができるからです。
そのため、とりあえず履歴書を書いておけばいいと軽く考えず、面接や次の選考に進めるかを決める重要な事ととらえてください。
また、最近ではパソコンでの履歴書作成も増えてきています。パソコンで履歴書を作成メリットは、パソコンスキルをアピールすることができることです。
ただし手書きとパソコン、どちらが良いというのは、特段ないように思います。
添付写真は自分の鏡
履歴書に添付する写真は、顔がしっかりと分かるものにしましょう。
以前、ある介護事業所のオープンスタッフの採用担当者をしていた時にスナップ写真の切り取りや十数年前と思われる写真、全身写真を添付された方がおりました。またTシャツやスエットでVサインなどのポーズをとった写真もありました。もちろん、そのような写真ですと印象は悪くなってしまいます。
写真は、自身を映す鏡と考え、常識的な写真を添付しましょう。
職歴や法人名は省略せずに記入
履歴書の日付や年齢が記入されていない場合がありますが、それは大した問題にはなりません。
ただし、職歴の法人名や企業名は省略せず、しっかりと記入しましょう。
省略をしてしまうと職歴の全体的な印象がつかみにくいため、その都度確認があり面接がスムーズに進まなくなってしまいます。
また、職歴のある方は職務経歴書を作成ください。作成のポイントとしてどんな職種で何を経験したか?そこで得たことなどを具体的に記入してください。そうすることで、能力・経験によって給与の応相談の対象になる可能性があります。
面接のポイント
採用担当者以外にも挨拶を忘れずに
介護業界では、面接会場が応募した職場で行われる事が多いです。
その際に採用担当者には挨拶をするけれど、その他のスタッフには挨拶をしない方をお見掛けします。
チームプレーが大切な介護の職場において、一緒に仕事をする仲間と上手くコミュニケーションをとることができないのでは?と疑問を抱かれます。ぜひ全てのスタッフへ、元気な挨拶をしましょう
場が和んでも、馴れ馴れしい態度はNG
面接中に徐々に緊張感が解け、和やかな雰囲気になることがあるかと思います。それ自体は問題ないのですが、あまりに馴れ馴れしい態度をとるとかえって印象を悪くしてしまいます。
あくまでも面接中であることを忘れずに、一定の距離感を保ちましょう。
逆質問が給与、福利厚生についてのみはNG
仕事をするうえで、給与や福利厚生は重要です。しかし給与や福利厚生のみの質問ですと「自分本位の方」という印象を強めてしまいます。業務内容や応募先の理念、事業展開など幅広い質問し、やる気をアピールするよう意識してください。
退職理由は素直に伝えましょう
採用を決める最大のポイントは「退職の理由」と「転職の動機」です。どのように伝えるか悩むかと思いますが、包み隠さずに伝えてほしいのが人事の本音です。
採用担当者しては、職歴の長さを問わず「どんな理由で退職したのか」に強い興味を持ちます。
ただし、その際に退職理由が愚痴のオンパレードになってしまいますと、不採用になる確率がグッと高くなります。
採用する側としては「入職してもまた辞める人」は極力採用したくありません。これは介護業界に限らず、他の業種にも言える事だと思います。
職場の何が悪かったのか、自身のスキルアップが見込めない、目指すポジションがないなど具体的な理由をお伝えください。
そして、退職の理由が転職の動機に繋がると思います。転職したら実現したことなど、目指したいことを一緒に伝えましょう。
以上、採用担当が教える面接に際にみるポイントです。
面接担当者は、採用後1日でも長く働いて活躍してほしいと考えています。ぜひ参考にしてみてください。
名前:稲生宗久
プロフィール:合同会社すたみな 代表社員、1992年に社会福祉協議会職員として入職し援護事業、在宅介護事業を担当後、特養・老健・通所介護・訪問介護事業所等にて管理職を歴任。独立起業後、介護事業新規立ち上げ支援や企画提案、研修講師など介護系を中心に飲食業、宿泊業(簡易宿泊・民泊)空き家対策事業などの事業支援を行う
保有資格:介護福祉士・社会福祉主事任用・ホームヘルパー級・食品衛生管理者・防火管理者等