ターミナルケア
ターミナルケアとは余命わずかとなった高齢者や患者に対する終末期医療・終末期看護のことで、一般的には死期が半年以内に迫った状態の方に対して行われます。残り少なくなってしまった人生に寄り添い、身体的にも精神的にも安定した生活を送れるようサポートすることが目的で、延命治療を目的としないのが特徴です。終末期に入ると、ご本人だけでなくそのご家族も悲しみや不安を感じやすいため、ご本人とご家族の両者へ精神的なケアが必要になります。ご家族はずっとご本人のそばにいられるとは限らないため、ターミナルケアを担当する者としてはご家族にも信頼されていなければ務まりません。ご本人の希望だけでなく、ご家族の意思も尊重しながらケアを進めていきましょう。
ターミナルケアは病院・施設でも自宅でも受けることが可能でご本人やご家族の意向で決められる場合が多くなっています。自宅でのターミナルケアは医療費の削減になるため政府も推奨していますが、家族の負担は大きくなることは留意しておく必要があるでしょう。一方、施設や病院でのターミナルケアは看取りを前提とした入居が認められていたり、介護施設と医療施設の連携がとられていたりと施設によって異なります。自宅でも施設でも、ターミナルケアではケア担当者とご家族との連携が重要になります。最期を快適に、安らかに迎えるためのサポートだということを常に意識しておきましょう。
ターミナルケアの具体的な内容ですが、身体的なケアの清拭は清潔で快適な余生と最期のために大切なケアのひとつです。入浴は負担が大きいためなるべく行わず、負担や苦痛を感じない程度に清拭を行っていきます。そして、精神的ケアは話し手になったり聞き手になったりしながらご本人らしい時間を過ごせるよう寄り添います。ターミナルケアは、身体的ケア・精神的ケアともに誠意をもって行うことが何よりも大切といえるでしょう。