端座位

端座位

 

端座位とは椅子やベッドなど座面に腰かけた体勢をいいます。床やベッドで足をまっすぐ伸ばして座る体勢は長座位ですが、端座位は足をベッドや椅子の下におろして座るのが特徴です。ベッドから車いすやトイレに移動する際にまず起き上がり端座位になってもらうという段階を踏んでの移乗介助が多く行われています。仰向けの仰臥位から端座位に起き上がる介助の手順を紹介します。

 

まず仰向けの状態から横向きの側臥位になってもらいます。そして首から肩に腕を通し、肩と膝を支えます。尻の部分を軸にして肩と膝を支えながら、テコの原理のように起こしてあげると介助する側も負担が少なくできます。端座位になれたら高齢者がふらつかないように身体を支えましょう。この際ふらついてベッドや椅子から転倒してしまうと非常に危険です。高齢者ご自身にも腰かけているところに両手をついてもらって身体を支えてもらいましょう。

 


また、端座位は自分の力で体勢を維持する必要があるので、寝たきりの高齢者や患者のリハビリ運動として端座位が取り入れられることもあります。端座位の体勢を維持する際に必要な筋肉は主に腹筋と背筋です。また、端座位から立ち上がる際には腹筋と背筋以外にも大腿の筋肉が大切です。この大腿の筋肉は歩くとき足を上げる動作でも必要で、日常生活を送るには非常に大切な筋肉です。そのため端座位ができるかどうかは自立度を測る指標になります。洋式トイレでの排泄時はもちろん、下衣の着脱、清拭の際にも端座位の安定が求められます。

 

端座位はベッドや椅子の角で膝関節が曲がるように座り、背中が後ろに倒れないようにクッションなどを当てることで安定しやすくなります。端座位ができるよう工夫をしながら高齢者の自立を支援できるといいですね。

 

 

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