側臥位
側臥位とは、身体の側面を下にした状態で横たわる姿勢のことを言います。仰向けの姿勢よりも呼吸しやすいことから救命の際に推奨されている姿勢です。介護現場では、清拭やリネンの交換、排泄介助の場面でも側臥位になってもらうことが多いです。横を向いて寝た状態で、床に面している面積が少ないので身体の不自由な高齢者にとっては不安定な場合もあり、介助で側臥位になってもらう際には手足の位置を工夫するなどして安定するバランスをとってもらうことが必要です。より身体に負担をかけずにリラックスした体勢にするには腰を引き、くの字のように横たわるととても楽になります。
右向きが右側臥位、左向きを左側臥位といいます。また、半側臥位と呼ばれる姿勢もあります。半側臥位とは体の倒れる角度が45度前後で、抱き枕を抱えて横向きに寝ているような状態です。枕や布団で支えてこの体制を作り、寝たきりの高齢者や患者の床ずれ(褥瘡)を防いだり、血行不良を改善したりといった介護・看護に活用されています。寝たきりの高齢者や患者は褥瘡に気を付けなければなりません。ここでは側臥位でできやすい褥瘡部分とその予防についてご紹介します。
側臥位は横を向いた状態なので、耳や方、腰の圧迫があります。膝や踝も、体重を支える視点になっていることが多く、長い時間側臥位のままでいると褥瘡の危険があります。側臥位による褥瘡を予防するには、褥瘡ができやすい部分をベッドから少し浮かすことを実践してみてください。大きめの枕に足をのせたりバスタオルやブランケットを丸めて背骨や腰にあてて角度をつけるだけでかなりの負担軽減になります。少しの工夫で褥瘡は予防が可能ですので介助者の方は高齢者の体勢に気を遣ってみてください。