感覚失語
感覚失語(ウェルニッケ失語)とは自分が話すことはできても、他人が話すことは理解できない状態のことです。そもそも失語症とは脳の言語中枢がなんらかの損傷を受け、言語を操る能力に障害をもたらす状態のことを言います。脳の損傷部分によってもたらされる障害は異なり、いくつかタイプがあります。そのうちの一つである感覚失語は感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)という部分にに損傷をうけ、言語障害が発症します。特徴としては、話すことよりも聴覚的理解の障害であるということです。複雑な文章の聞き取りが困難となってしまったり、重度の場合は日常生活における意思疎通が困難となってしまいます。正常な人の聴覚的理解は音が耳から入った後、音素を認知し、脳へと繋がります。しかし、感覚失語だと、音素を認知する段階で障害が発症し、なんの音なのか判別ができず、言葉の認知ができなくなってしまいます。もう一つの特徴としては、感覚失語の方が話す言葉はとても聞き取りやすく、抑揚や速度なども正常だということです。そのため、感覚失語の方のしゃべり方だけみると正常に聞こえますが、実際に会話してみると質問や内容に全く合わないことをしゃべっていたり、単語や音の言い間違いが多かったりと症状を確認することができます。