手引き歩行
視覚障害をお持ちの方の歩行介助をする際によく利用するのが手引き歩行です。要介護者には介助者の二の腕を持ってもらうことで安定した歩行が可能となります。このとき介助者は腕のヒジを直角に曲げておくことによって安定感が生まれます。障害物や段差がある場合は、その前でいったん立ち止まり、説明をしてから誘導することで転倒の事故を防ぐことができます。歩行介助は常に危険と隣り合わせで、転倒・転落の事故に最もつながりやすいことから、歩行介助時の注意点を以下にまとめました。
まずはじめに要介護者にしっかりと歩く意思があるかどうかの意思確認を行います。意思がなかった場合は無理に歩かせないようにしましょう。もし要介護者が患側を有している場合、患側側から支えるようにしましょう。そして、要介護者の歩行ペースを乱さぬよう、ゆっくりと歩き、できる限り要介護者の後に脚を踏み出すことで、転倒のリスクを回避することができます。こうした歩行介助の際にはしっかりと要介護者を観察し、腰が引けている場合には無理に歩かせるのではなく、姿勢を整えるようにしましょう。前かがみになっているときは転倒の危険性が増すため、要注意です。
また歩行を行う前の確認事項として大切なのが、履物です。滑りやすいものではないか、サイズが大きすぎではないかなど、しっかり確認してから歩行練習に入りましょう。履物が合っていない場合も転倒の原因となりやすいので要注意です。最後に外を歩く場合は天候状態や道路状態など、安全であるかをしっかりと確認した上で歩行介助を行うようにしましょう。