ファーラー位
ファーラー位とは、別名半座位とも呼ばれており、上体を30~60度起こした状態の体位のことを指します。体位を保持するためにはギャッジベッドやバックレストなど専用の道具を用いることが多いです。それに加え、体がずり落ちないようにするためにも頭部・わきの下・ひざ下などを枕やクッションで支えるのが望ましいです。食事などをする場合によくとられる体勢だったが、食べ物を誤嚥しやすく食事には不向きであるため、重病人以外は行わないようにしています。心臓や肺などに疾患があり、仰向けの状態で呼吸困難になってしまうことがある人の場合、ファーラー位で睡眠をとるようにしています。
ちなみにセミファーラー位とは、仰向けで患者の上半身を水平のベッドなどから約20~30度起こし、股関節と膝関節を軽く曲げた姿勢のことをいいます。股関節を曲げることにより、腸腰筋のリラックスが得られます。また、腰椎やその周囲組織に最も負担の少ない体位であるため、腰痛などで強い痛みがある場合にも用いられます。患者の心臓への負担を軽減して呼吸を楽にし、逆流性食道炎を和らげる場合などに用いられています。