民生委員

民生委員

 

民生委員とは、民生委員法に基づいて厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員のことをいいます。ボランティアとしての活動を中心としているため無報酬での活動となります。さらに、児童委員も兼ねているため、地域の中でも様々な場面で活躍し、大きな役割を果たしています。主な仕事内容としては、それぞれが担当する区域において地域住民の一員という近い視点から住民の生活上の様々な相談の応対や福祉ニーズの把握、行政をはじめとする適切な支援やサービスの情報提供や調整、高齢者や障がい者世帯の見守りや安否確認などを行い、幅広い視野をもって活動することが必要とされます。

 

民生委員法に定められている要件を満たす人が市町村ごとに民生委員推薦会等で選考が行われ、推薦・委嘱された後、民生委員・児童委員になります。民生委員・児童委員制度は全国共通ですが、人数は市町村ごとに決められ、全国に約23万人の民生委員・児童委員がいます。また、厚生労働大臣の指名によりそのうちの約2万1千人が「主任児童委員」として活動しています。主任児童委員は1994年に制度化され、子供や子育てに関する支援を専門としています。担当区域はなく、それぞれの区域の担当者と連携しながら活動しています。

 

民生委員制度の歴史は長く、1917年に岡山県で作られた「済世顧問制度」が基となっており、戦後に現在の「民生委員」となりました。生活困窮者の支援を行い続けながらも時代の変化に応じて様々な福祉活動に取り組み、2017年には制度創設100周年を迎えます。長い歴史を経てもなお、民生委員・児童委員は社会奉仕の精神、基本的人権の尊重、さらに政党・政治的目的での利用の禁止という3つの基本姿勢を守りながら活動を行っています。また、委員一人一人に自主性、奉仕性、地域性の3つの性格を土台とし、住民性、継続性、そして包括・統合性を原則といています。

 

 

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