介護事故
介護事故とはその名の通り、介助者が要介護者に何らかの形で付き添っている場面で起こる事故のことを指示し、転倒や転落が最も多くなっています。そのほかにも誤飲等の事故もあり、施設内でしっかりとリスク管理をする必要があります。そして日常の中で予測できる範囲の事故については、介護者の賠償責任が問われることもあるので、介護保険法では事故が起こった場合について、以下3つのことを義務付けています。
1. 事故に対して適切な処置を講ずるとともに、市町村などの自治体、家族、事業者に事故の報告をする
2. 事故の状況について記録をとる
3. サービスの提供により賠償すべき事故が発生した場合は速やかに損害賠償を行う
こうした介護事故を少しでも減少させるために、各施設ではケース想定を行うケース検討会の開催が推奨されています。このケース討論会ではトラブル事例をまず報告します。要介護者の方の小さないたずら、変化による事故など些細な問題から取り上げていくことが非常に重要になってきます。続いて事故の原因を各自考えていきましょう。解決策を急ぐのではなく、自己が起きた原因をしっかり究明することで解決へと近づくでしょう。洗い出された原因をもとに施設として、そして一介助者としての対策をしっかりと考え、全体に共有することで、リスクは減少させることができるでしょう。
介護事故というのは不測の事態によって起こることが大半である上に、職員の定着率が非常に悪いことから、各施設特有のリスクというのが共有されにくく、リスク回避が非常に難しくなっています。しかし、小さなことではありますがケース討論会をしっかりと開催することで、リスクを完全に0にすることは不可能にしても、限りなく0に近い値へと下げることはできます。